世界中でインフレが進行しています。調査会社トレーディングエコノミクスによると、2022年5月時点で主要先進国のすべての国でインフレが加速、物価上昇に歯止めがかかっていません。
特にイギリス(9.0%)、アメリカ(8.3%)、ドイツ(7.9%)、イタリア(6.9%)、カナダ(6.8%)、フランス(5.2%)、日本(2.5%)と、G7加盟国すべてがインフレに見舞われる状況になっています。もはやグローバルインフレーションと呼ぶべき状態ですが、その理由は何でしょうか。
ロシア・ウクライナ戦争に伴う世界経済の停滞・縮小
第一の原因はロシア・ウクライナ戦争に伴う世界経済の停滞・縮小です。ロシア・ウクライナ戦争はロシアに対する世界的な経済制裁を呼び、ロシア経済に大きなダメージを与えています。また、半導体を筆頭にグローバルサプライチェーンの停滞が深刻化し、多くのモノの供給が滞っています。
また、小麦、トウモロコシ、大豆などのコモディティの供給も減少し、価格が軒並み上昇しています。世界的にみると、民生品からコモディティまで、総じて供給過少の状態が続いており、世界的な物価高を生じる要因となっています。
国際通貨基金(IMF)は、最新の世界経済展望(Wold Economic Outlook, 2022)で、2022年度および2023年度の世界経済成長率をそれぞれ0.8および0.2パーセンテージポイント引き下げています。
エネルギー価格の高騰
第二の原因はエネルギー価格の高騰です。世界銀行は、今年2022年4月に発行した最新の「コモディティ市場展望レポート」で、今年2022年のエネルギー価格が年率で50.5%上昇すると予想しています。これは、1973年以来最大となる数字です。
エネルギー価格高騰の理由もロシア・ウクライナ戦争です。ロシアへの経済制裁としてEU各国は、ロシアからの石油と天然ガスの禁輸を決定しています。EU加盟国の中にはすでにロシアからのエネルギー輸入を停止した国もあり、供給減少に拍車をかけています。また、グローバルサプライチェーン停滞の影響はエネルギーセクターにも及び、石油、石炭、天然ガスなどの主要なエネルギーの価格が総じて上昇しています。
中国のロックダウンの影響も
また、中国の主要都市で行われたコロナ封じ込めのためのロックダウンの影響も世界的なインフレに拍車をかけています。新型コロナウィルスの感染拡大防止を目的に、今年2022年3月より上海市、吉林省長春市、河北省邯鄲市、福建省泉州市、江蘇省昆山市など多数の大都市がロックダウンに入り、6000万人もの人が社会活動の停止を余儀なくされました。一般車両の通行は許されず、企業の営業は中断、工場やショッピングセンターも一時的な閉鎖に追い込まれました。
「世界の工場」たる中国の主要都市でのロックダウンは、そのまま経済活動の休止を招き、全世界のサプライチェーンにも悪影響を与えています。企業活動が止まった中国は、グローバルサプライチェーンのハブとしての機能をストップし、物流エンジンのスピードを大きく下げる結果となりました。その結果、世界規模でモノの供給が停滞し、価格上昇を呼ぶ悪循環を発生させたのです。
グローバルインフレーションが収まるのはいつか?
専門家の多くは、現在進行中のグローバルインフレーションの収束には、少なくともロシア・ウクライナ戦争の終結か、新型コロナウィルスのパンデミックの収束の、いずれかの実現が必要だとしています。
少なくとも、グローバルサプライチェーンの停滞が解消されずにインフレーションが収束する可能性は低いとせざるを得ないでしょう。一方で筆者は、グローバルインフレーションは当面続くものの、現状のレベルを上回る状態にはならないと少々楽観的に見ています。
まとめ:インフレに強い銘柄も選んでおこう

インフレがまだ継続していくと考えられます。
ロシア・ウクライナ戦争が終結するのがいつになるかわからないのが一因です。
もしこのまま何も行動しなければポートフォリオに影響も出てきて、資産の減少に繋がるでしょう。
だからこそ、インフレでも需要があり株価上昇・増配に期待ができる銘柄を組み込んでおくことが大事です。
大きな株価の上昇は期待できなくても、資産が減ることは防げるため有効な手段です。
特に取り扱い銘柄が多いサクソバンク証券だと、インフレにも強いディフェンシブ銘柄を見つけやすくおすすめです。
アナリスト予想もあるため、投資戦略を練りやすいでしょう。
無料で口座開設できるため作っておいて損はなしです。



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