来たるべき時に備えてお復習いしておきたい注目のグローステック株

米株市場では2022年明け以降、3月からはじまることが観測されれている利上げとテーパリングを警戒して大きな株価の調整がありました。直近では一端株価は持ち直していますが、まだまだ不安定な相場環境は続きそうです。特にハイテク企業に代表されるグロース株は、一般に金利上昇の打撃を大きく受けやすい面があります。そこで今回、リバが強かった銘柄やこれからの決算が注目される銘柄をピックアップ。株価が調整を迎えている今こそ、これらの銘柄に再注目して買い時をしっかりと見極めましょう。

目次

売上膨張率は11期連続で130%以上をキープで絶好調[ZM/NASDAQ]ズームビデオ

https://www.zoom.us
本社をカリフォルニア州サンノゼに置く、ビデオ、音声、チャット、およびコンテンツの共有を通じて人々をつなげるコミュニケーション・プラットフォームを提供する企業です。同社のサービスを使うことで、異なるデバイスで異なる場所にいる複数のユーザーがビデオを通じて同じ会議に参加することが可能になります。株価は調整中であるものの、11月に発表した2022年1月期の3Q決算はEPSが予想79セントに対して1.22ドル、売上高が予想8.11億ドルに対して8.82億ドル、売上高成長率が前年同期比+368.8%と、素晴らしい内容でした。ドル建てのネット・ダラー・エクスパンション比率(売上膨張率)は130%と、11期連続で130%以上をキープしています。

テレワークの加速で急成長をみせるセキュリティー企業[OKTA/NASDAQ]オクタ

https://www.okta.com
「誰が会社のクラウドにアクセスできるのか」という、パスワード権限をクラウド上で管理するサービスを提供している会社です。従業員、契約企業、パートナー、および最終ユーザーをサイバー攻撃から守る製品を提供しています。コロナ禍では世界的にテレワークが加速し、利用する企業が大幅に増加しました。12月に発表した2022年1月期3Q決算は、売上高が3億5100万ドルで前年同期比40.3%増加、EPSは-2億2100万ドルで前年同期比-204.2%となりました。また、ダラー・ベースト・ネット・リテンション率(売上継続率)は122%でした。EPSの数字が悪化しているのは、2021年3月に発表したオースゼロの買収を機に、営業・マーケティングに力を入れて一気にターゲット市場を2倍近く広げることを狙っているからです。

オリジナルも人気のストリーミング動画サービスを提供[NFLX/NASDAQ]ネットフリックス

https://www.netflix.com
サブスクリプションで提供する、ストリーミングエンターテインメントサービスのプロバイダーです。自社のオリジナル作品や他社制作のコンテンツをインターネットに繋がるさまざまなデバイスを通じて配信。同社が提供する動画は、中国を除く世界のほとんどの国で視聴できます。2022年1月に発表した2021年本決算は、売上高が前年同期比16%増の77億931万ドルと、四半期ベースで過去最高を更新しました。3カ月間の会員の純増数は4四半期ぶりに800万人を超えたものの、会社予想に届かなかったことで先行きへの警戒から株価は時間外取引で一時20%超下落しました。米ウォルト・ディズニーや米ワーナーメディアなどとの競争も激しさを増すなか、ネットフリックスは主力市場の米国を皮切りに各地で値上げを進めおり、その影響も注目されます。

時代に先駆けて電気自動車の価格破壊を実現した革命児[TSLA/NASDAQ]テスラ

https://www.tesla.com
電動モビリティ社会への移行を目指し、電気自動車の開発・製造を行う垂直統合型再生可能エネルギー企業です。電気自動車のほかにエネルギー発電のためのソーラーパネルやソーラールーフ、住宅や商業ビルや公共施設向けに電力貯蔵のためのバッテリーを販売しています。2021年本決算の売上は177億2000万ドル、内90%の160億ドルが自動車事業によるもの。調整後の1株当たり利益は2.54ドルで、アナリスト予想の売上163億5000万ドル、調整後1株当り利益2.26ドルを上回りました。さらに、「regulatory credits(排出規制規則に基づき売買されるクレジット)」が占める割合は、過去5四半期で2番目に少ないクレジット額であることを報告しました。2020年の世界自動車納入台数はおよそ50万台となっています。

AI分析でリアルタイムに適合する広告プラットフォームを提供[TTD/NASDAQ]ザ・トレード・デスクA

https://www.thetradedesk.com
販売先を広告会社に絞り、大手広告代理店のニーズに応えながら成長してきたテクノロジー企業です。インターネット全体のデータを分析するAI『Koa』を活用し、適切なオーディエンスに適切な価格でリーチします。複数のデバイス上で広告形態やチャネルを問わず、機械学習で自動的に最適化され、リアルタイムに広告のパフォーマンスの向上が促進されます。また、複数のデバイスにおける顧客とのタッチポイントや態度の変化や購買決定までの流れを可視化して、消費者心理や行動に合わせターゲティングも可能です。投資検討にあたって注意すべき点として、グーグルによるサード・パーティ・クッキーの廃止方針によって大きな影響を受ける企業のひとつ。しかし、もちろん対策も検討されており、進捗を監視していく必要があります。

ESGにメタバースに…グロース代表GAFAMの近況

グローバルなサービスを展開する米国の巨大グローステック企業、グーグル、アップル、元フェイスブック(メタ・プラットフォームズ)、アマゾン、マイクロソフトの5社GAFAM。これらの直近の決算発表でもっとも悲観されたのは、アップルのプライバシー方針変更の影響で、収益が予想以上に伸び悩んだメタでした。しかし「メタバース」への期待は高く、マイクロソフトとエヌビディアもメタバース事業への参入を発表しています。アップルも半導体不足による供給網の問題で直近決算が弱かったものの、5G対応iPhoneへの人気は依然として高く、いずれ成長路線に戻ると見込まれています。同様に、直近の決算がイマイチだったアマゾンは、賃金上昇などが短期的には利益成長を抑え成長性が鈍る見通しです。
 
またGAFAMが現在注力しているものに、CO2の削減を目的とするESGへの取り組みがあります。アップルは2021年4月に、ゴールドマン・サックス、環境NGOコンサベーション・インターナショナルと共同で森林保全基金の設立を発表しました。ほかに、アマゾンのジェフ・ベゾス氏が「ベゾス・アース基金」を設立し、環境テックへの投資を加速、ビル・ゲイツ氏も自身が筆頭株主のTerraPowerで次世代原子力発電テクノロジーの開発を進めています。これら企業だけでなく、投資家や消費者の間でもSDGsやESGに対する意識は高まりを見せています。

まとめ:グローステック株への投資はリスク管理が重要

この記事では、特にハイテク企業に代表されるグローステック株の中でも、今後の決算が注目される銘柄をピックアップして詳しく解説しました。

米国のグローステック株は、働き方の変化やSDGsやESGに対する意識の高まりなど、世界の流れの変化によって需要が高まっており、成長を続けています。

グローステック株の代表であるアップルやメタは収益が予想以上に伸び悩んだようですが、いずれ成長路線に戻ると見込まれています。

したがって今後も成長が期待できるグローステック株は、投資家にとって長期的な投資の対象として注目すべき銘柄であるといえます。

しかし成長率が期待できる分、期待通りにならないと価格が急落するリスクも存在するため、慎重な分析をする必要があることには注意が必要です。

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≪参考≫
https://diamond.jp/articles/-/264855
https://www.sbbit.jp/article/cont1/63258
https://diamond.jp/articles/-/291739
https://jp.reuters.com/companies/NFLX.O
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20E0K0Q2A120C2000000/
https://jp.techcrunch.com/2022/01/27/2022-01-26-tesla-closes-2021-on-a-high-note-by-besting-expectations-in-q4/

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