米国株で気になる為替リスクとは?発生する理由や対処方法について

為替リスク アイキャッチ

米国株へ投資する際にはあらかじめ様々なリスクを把握しておく必要がありますが、為替リスクもその1つです。株価が上昇したとしても、その時の為替レートによっては売却で損失が発生してしまうこともあります。

為替の変動はプロでも予測するのが困難ですが、米国株の投資家は為替リスクにどう対処すれば良いのでしょうか。今回は為替リスクの概要、投資における考え方について解説します。

※本記事は投資関連の情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではありません。また将来の値動きについて確約するものでもありません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断で行っていただきますようお願いします。

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目次

米国株を含め海外に投資するなら為替リスクがある

米国株だけでなく、海外の株式・債券・REITといった金融商品に投資をするなら、為替リスクと無縁ではいられません。株価の上昇や配当金などのメリットがあっても、将来日本円に交換するときに円高になっていたら、資産・利益が目減りしてしまうのではないかと心配する方もいるでしょう。

たとえば1米ドル=130円のときに1株100ドルの銘柄を買うと1万3,000円です。株価が110ドルに上がったとしても、その時点のレートが1米ドル=120円だと、13,200円となってしまいます。

利益が目減りするだけならまだダメージは少ないですが、株価の下落に円高が加わると二重のダメージになります。米国株で特に短期の投資を行うなら、株価の動きだけでなく、為替の変動にも注意を払う必要があります。

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米ドル/円は長期的に大きく変動している

(SBI証券公式ホームページより抜粋)

上のグラフは米ドル/円の直近10年間のチャートです。2013年ごろは1米ドル=80円台でしたが、2015年までドル高傾向になり、1米ドル=120円以上を記録しました。

その後いったん下落した後、2017年から2019年まではもみ合いとなり、1米ドル=110円1米ドルで推移します。2022年からは急激なドル高となっています。

米ドル/円は直近10年だけを見ても、80円台~130円台と大きく変動していることが分かります。グラフにはありませんが、期間をもっとさかのぼると1米ドル=300円以上の時代もありました。

これだけ大きく変動するため、長期はもちろん短期の相場予想もなかなか的中しません。個人投資家が米ドル/円の変動を予測して投資に役立てるということはほとんど困難と言えます。

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2022年の円安・ドル高の要因

  • 2022年から円安傾向が続いていますがその主な理由は下記のとおりです。
  • 原材料や原油価格の高騰
  • ウクライナ危機
  • 中国の新型コロナによるロックダウン
  • FRBによる金利の引き上げ
  • 日銀の金融緩和姿勢の維持

最も大きな理由は、米ドルと日本円の金利差が大きくなっていることです。FRBは米国で急速に進行しているインフレを抑制するため、金利の引き上げを行っています。2021年末まで、米国の長期金利は1.5%前後で推移していました。

しかしウクライナ危機や中国のロックダウン等によって原材料や原油の価格が高騰し、米国のインフレへの懸念が高まりました。すると長期金利は次第に上昇し、5月には3%台に到達しました。一方で日本の長期金利は金融緩和のため、ゼロ%程度に抑えられています。

米ドルの金利が上がると、金利の低い日本円を売り、米ドルを買うインセンティブが増えます。よってドル高・円安傾向になるということです。

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米国は金利の引き上げ、日本は金融緩和が続く

米国・日本は、今後の金利に関するスタンスの違いを見せています。FRBは強烈なインフレを食い止めるため、さらなる金利引き上げの可能性にも言及しています。

一方で日本は急速な円安に見舞われましたが、日銀の黒田総裁は金融緩和を継続すると表明しました。その主な理由として、GDP成長率をコロナ前まで戻せていないこと、金利引き上げによる景気悪化の懸念を挙げています。

このように米国では金利引き上げ、日本では金利緩和維持が継続されることから、しばらくの間は米ドルと円の金利差が縮まることはなく、円安傾向も一定の期間は続くのではないかと言われています。

円建ての資産だけを保有するのもリスクがある

為替変動リスクが大きいことから、国内株式や債券だけに投資したいと感じる方もいるかもしれません。しかし円安の局面に入ると、国内株も含めて円建ての資産は目減りしていくことになります。日本にいるとなかなかハッキリ意識しづらいのですが、円の価値が相対的に下落していきます。

2022年からは円安に加えて物価高のダブルパンチとなっています。海外の商品も高くなったと感じる機会も多くなってきたのではないでしょうか。米国株をはじめとした海外資産を保有することで、円安リスクへの対処になるのです。

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為替ヘッジとは為替変動によるダメージを軽くする仕組み

投資信託などの情報を調べていて「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」といった語句を目にした方も多いでしょう。為替ヘッジとは、為替変動による損失を避ける仕組みのことを意味します。

具体的には、将来交換する為替レートをあらかじめ予約する、為替先物予約の取引を行います。たとえば1年後に1米ドル=130円で買付をすると約束をしておけば、その時になって1米ドル=140円になっていたとしても、1米ドル=130円で取引ができ、円安による損失を避けることが可能です。

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為替ヘッジの注意点

為替ヘッジをすることのデメリットとして、為替変動による利益を享受できないという点が挙げられます。1米ドル=130円での買付を約束していた場合、1米ドル=120円になったとしても130円で買付をしなくてはなりません。また、為替ヘッジをするための手数料が発生することもデメリットと言えます。

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為替ヘッジあり・なしのどちらを選ぶべきか

為替ヘッジありのファンドを選ぶのに向いているのは、為替変動リスクを少しでも抑えたいと考える方です。為替レートが有利な方向に進んでも利益を得られませんが、何より損失を最小限に食い止めたいと思う方が選ぶと良いでしょう。

一方で為替ヘッジなしを選ぶと良いのは、為替変動による利益も逃したくない方、ヘッジのためのコストを負担したくない方です。また20年・30年といった長期投資を行うなら、少しでも損失を抑えるというよりは、利益も享受できる可能性に期待する方も多いのではないでしょうか。

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FXで逆の取引をするリスクヘッジ方法もある

米国株以外に、FXを利用することで為替リスクをヘッジする手段もあります。FXはやり方次第で大きなリスクが発生しますが、リスクを抑えて管理する方法を学べば有効な投資になりえます。

FXは売りから入ることができるため、円安の時にまず米ドル/円の売り注文を出しておき、円高になった時に買い戻すことで為替差益を出すことができます。円高方向に進むと米国株では為替差損が発生しやすくなりますが、FXの利益で相殺できるということです。

ただしこの手法は投資の中・上級者が実践しているものなので、初心者の方がいきなり始めるのはおすすめではありません。まずは米国株と同様、FXの仕組み・メリット・リスクな等についてもしっかり勉強してから、小規模で投資を始めるのが良いでしょう。

FXでリスクを抑える方法はいくつかありますが、初心者の方も簡単にできるのがレバレッジ設定です。レバレッジとは投資資金の2倍・3倍といった規模の取引ができる機能で、利益も大きくなりますが損失も大きくなります。初心者の方は必ずレバレッジを1倍にしておきましょう。

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米国株投資に関する為替以外のリスク

米国株投資には、為替リスク以外にも下記のようなリスクがあります。

  • 価格変動のリスク
  • 信用リスク
  • カントリーリスク
  • 流動性リスク
  • 情報収集のしにくさ

以下それぞれの概要と、リスクを抑えるための対処法について解説します。

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価格変動リスク

価格変動リスクとは、経済情勢の変化等によって株式の価格が変動するリスクです。米国株をはじめとした株式は、債券と比べてボラティリティが高く、大きく値下がりすることもあります。結果として投資元本を割り込み、損失が発生する恐れがあります。

価格変動リスクは株式投資では避けられないものですが、リターンを取りに行くからこそリスクが存在するとも言えます。高いリターンを期待すれば、その分リスクも高まるので、自分にとって許容できる範囲のリスクがどの程度なのかを見極めることが大切です。

株式の価格変動リスクを抑えるのに有効な手法として、積立方式のドルコスト平均法で投資をする、債券や金などの資産をポートフォリオに組み入れるなどがあります。

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信用リスク

有価証券の発行者(国や企業)の経営・財務状況や、それらに対する外部評価等によって株価が下落するリスクのことです。たとえば借り入れの利息や元本などを決められた条件で支払えずに債務不履行を起こす、またはそのような事態が予測されると、有価証券の大きな下落を招くことになります。

株式の発行体である企業が最悪の場合倒産すると、株式の価値はゼロになり投資した元本は償還されないという恐れもあります。

信用リスクを下げるには、経営状況が盤石な企業に投資をすることが大切です。長年の実績があり、経営・財務状況が盤石の企業の場合、信用リスクは比較的低いと言えます。そのためには決算情報を読み解くスキルが欠かせません。

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カントリーリスク

カントリーリスクとは、その国の政治・経済・社会情勢などの混乱によって、株式や為替が大きく変動するリスクのことです。新興国は政治や経済が不安定な傾向があり、民主主義国家でない国も多いことから、カントリーリスクが大きいとされています。

米国は先進国の民主主義国家であることから、政治によって社会的に大きな混乱が生じる可能性は低いと言えます。ただし自然災害による混乱が起きるリスクはあります。

また経済のグローバル化が進んでいることから、他国の動向が米国に影響を及ぼすことも。2022年には中国のゼロコロナ政策で上海などがロックダウンされ、サプライチェーンが停滞し、米国にも大きな負の影響を及ぼしました。

カントリーリスクを避けるには、投資対象の国を分散する考え方が一般的です。しかし世界の株式市場の時価総額のうち、米国は半分以上を占めています。

投資信託で全世界の株式に投資をするファンドも、投資地域の50%以上が米国となっているケースがほとんどです。よって海外株式である以上、分散投資といっても米国の比重が大きくなるのは致し方ないのかもしれません。

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流動性リスク

流動性の低い銘柄を取引しようとすると、買い手と売り手の条件が折り合わず、希望価格で取引できないことがあります。流動性が低いということは取引をする人が少ないということなので、条件が合致する可能性が低くなるためです。

また流動性の低い銘柄は、いざ現金にしようとしたときに取引が成立せず、すぐ現金化できない恐れもあります。

流動性リスクを下げるには、やはり流動性の高い銘柄を取引することが大切です。買い注文・売り注文のどちらも成立しやすく、希望価格で取引できる可能性が高まります。流動性を表す指標として売買高がありますので、銘柄選びの際にもチェックすると良いでしょう。

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情報収集のしにくさ

間接的なリスクとして情報収集のしにくさも挙げられます。日本にいる以上、米国企業に関して得られる情報は限られるからです。

また特に英語の苦手な方にとって、決算情報などを読みこなすのは難しいでしょう。Google翻訳などの機能は向上していますが、それでも英語を理解できるほうが有利であることに変わりはありません。

個別銘柄に関する情報収集にハードルを感じるのなら、インデックスに投資をする方法があります。米国のS&P500やNASDAQ100などの指数に連動する成果を目指す投資信託やETFに投資をすることで、それぞれの指数を構成する個別銘柄に投資をすることが可能です。

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まとめ

米国株の為替リスクについて解説をしてきました。価格変動リスク・信用リスク・カントリーリスク・流動性リスクとともに、重要なリスク要因の1つです。為替レートは常に変動するものなので、米国株も為替変動リスクと無縁ではいられません。

米ドル/円の長期チャートを見ると、1米ドル=90円を切る円高の時代、1米ドル=200円を超える円安の時代があり、非常に大きく変動を続けていることが分かります。現在は円安傾向が続いていますが、今後どうなるのかを予測することは非常に困難です。

為替リスクを避ける方法として為替ヘッジがあり、投資信託で為替ヘッジありの銘柄を選ぶことが可能です。ただし為替ヘッジにはデメリットもあるため、投資の方針やリスク許容度を踏まえて検討すると良いでしょう。

為替リスクを投資の観点で見たときに大切なのは、円安・円高のどちらになったとしても、大きなダメージを受けて市場から退場してしまうような事態を避けることです。米国株をはじめとした海外資産は円安対策の一環としても保有する一方、現金や国内資産もある程度所有し、ポートフォリオが極端に偏らないようにすることが重要と言えます。

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