2020年9月、ウォーレン・バフェットがある新興企業のIPOへ投資し、話題を集めました。その新興企業とはスノーフレーク【SNOW】。ニューヨーク証券取引所にIPOしたてのスノーフレークの株を大量に購入し、その後売り抜けて8億ドルのキャピタルゲインを得たのです。バフェットが投資したスノーフレークとは、一体どういう会社なのでしょうか。
スノーフレークという会社
スノーフレーク(Snowflake, SNOW)は、2012年にデータベースソフト大手オラクルの3人のエンジニアが共同で立ち上げたテック系スタートアップ企業です。同社は同社がデータウェアハウスとよぶシステムをクラウドベースで提供しています。データウェアハウスとは、データベースをベースに検索や分析などの機能を提供する仕組で、近年大企業を中心に利用が急速に進んでいます。
同社のシステムはクラウドベースで提供されるので、ユーザーは大掛かりな設備投資を行う必要がなく、月額料金や従量課金などの比較的安価なコストで利用が可能です。スノーフレークによると、同社は現在大手企業を含む3400社のユーザーを抱えています。
データウェアハウスの可能性
ユーザーがスノーフレークのデータウェアハウスを使う用途ですが、実に様々です。例えば、あるメディア企業は視聴者の視聴動向を把握し、より効率的な番組配信を行うために利用しています。また、ある金融機関は融資先の与信管理と融資審査に利用しており、あるEC事業者は商品の販売データの分析に利用しています。
データウェアハウスとは、とどのつまり各種のビッグデータ活用のためのプラットフォームであり、企業によるビッグデータの活用が進むと予想される今後、需要の拡大が大いに期待されているのです。そのため、スノーフレークに多くの投資家の注目が集まっているのです。
バフェット54年ぶりのIPO投資
ところで、今回のバフェットのスノーフレークへの投資は、バフェットにとって実に54年ぶりのIPO投資となりました(54年前にバフェットはフォードのIPOに投資しています)。なお、バフェットがスノーフレークに投資した背景には、バフェットの二人の参謀の存在があると指摘されています。
二人の参謀とはトッド・コームズ氏とテッド・ウェシュラー氏の二人ですが、特にコームズ氏はバークシャー・ハサウェイが株主の保険会社GEICOのCEOを務めています。そしてGEICOは、スノーフレークの有力ユーザーの一社でもあるのです。コームズ氏は、GEICOを通じてスノーフレークのビジネスを知り、自らバフェットに提言した可能性も残されています。
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