資産運用の成功率を高めるには、アセットアロケーションが大切です。しかし、
- アセットアロケーションって何???
- ポートフォリオのことでしょ?
そんな疑問を抱えている方も多いです。資産運用には専門用語が多くて、わかりにくいですよね。
そこで今回は、アセットアロケーションについて解説します。アセットアロケーションとは、資産をどのような配分で投資するのかを決める方針のことです。
ポートフォリオよりも極めて重要な戦略策定となりますので、ぜひ本記事を参考にしてください。
アセットアロケーションとは?
アセットアロケーションとは、アセット(資産)をどのようなアロケーション(配分)で投資するのかを戦略的に決めることを言います。
投資先には、国内株、国内債券、外国株、外国債券、不動産、コモディティ(金や大豆などの商品)があります。リスクを少なくし、安定したリターンを狙うためには、これらの投資先をバランスよく組み合わせることが大切です。
安全でできるだけパフォーマンスの良い資産配分を戦略的に決めていくことが、アセットアロケーションなのです。
ちなみに投資の世界では、「運用成果の8割以上はアセットアロケーションで決まる」と言われています。アセットアロケーションの決め方次第で、投資の成績が大きく変わってしまいます。
これから投資をされる方、あるいは投資成績が芳しくない方は、適切なアセットアロケーションを設定してしていきましょう。
アセットアロケーションの目的
アセットアロケーションの目的は、大切な資産を安全に、そして確実に増やすためにあります。
資産を増やすためには、適正なリスクを取った上で、リターンを得ていく必要があります。しかし、日本人の多くは、資産を現金で保有する傾向が強いです。タンス預金や銀行預金が代表的な資産となっています。
ただ、仮にメガバンクで長期積立をしていても、金利は0.002%程度なので、資産はほとんど増えていきません。昨今のように急激なインフレや円安が進む状況では、現預金を多く持っていてもインフレリスクやドル高に負け、実質的な円資産は目減りしていきます。
現預金で資産を保有していれば、見かけの金額は減っていきません。しかし、そのお金で買えるものはどんどん少なくなっていきます。つまり、実質的な価値は下がっているのです。
こうした資産の目減りを防ぐためには、資産が増えていくように投資をしていく必要があります。
ところが、投資にはリスクがつきものです。失敗をすれば、大切なお金を余計に減らすことになりかねません。かといって、投資をしなければ、資産の目減りは避けられません。
では、どのように投資をすれば良いのか?その基本戦略を決めるのが、アセットアロケーションなのです。
アセットアロケーションとポートフォリオの違い
アセットアロケーションは、資産配分を決める基本戦略です。国内外の株や債券、不動産や商品にどのくらいの割合で投資していくか、その大枠を決めるものがアセットアロケーションです。
一方、ポートフォリオは具体的な金融商品をどのように組み合わせるのかを決めることです。アセットアロケーションが戦略なら、ポートフォリオは細かい戦術を決めることといえます。
アセットアロケーション | 基本戦略となる資産配分を決めること |
ポートフォリオ | アセットアロケーションに基づいた、具体的な金融商品の組み合わせること |
ポートフォリオでは、具体的な個別株やインデックスファンドの銘柄をどのくらい持つのかを決めていきます。外国債券であれば、どこの国の債券をどのくらい持つのかを決める必要もあります。
具体的な金融商品に対して投資をしていくと、どの商品にどのくらい投資をしているのかが割合として示すことができます。これがポートフォリオです。
しかし、ポートフォリオの内訳は、買い増しをしたり、市場価格の変化によってバランスが変わっていきます。当初設定したアセットアロケーションに見合わないポートフォリオに崩れてしまうことがあります。
その場合は、アセットアロケーションに従ってポートフォリオをリバランスしていくことが大切です。
アセットアロケーションのポイント
アセットアロケーションにおける大切なポイントは以下の3つです。
- 投資の目的を明確化する
- リスクの許容度を知る
- リタイアまでの期間を考える
それぞれをを解説します。
投資の目的を明確化する
アセットアロケーションを決めるには、投資の目的を明確化することが大切です。
例えば、5年以内に資産を大きく増やしたいという目的があるなら、債券に投資していても目的を達成することはできません。債券であれば、資産が大きく減ることはありませんが、大きく増えることも無いからです。
また、できるだけリスクを取らず堅実に資産を増やしたいという目的があるのなら、新興国株や仮想通貨などに配分することはできないでしょう。
投資によってどんな目的を達成したいのか、それによってアセットアロケーションは決まります。投資の目的を明確にすれば、取れるリスクと期待するリターンも明確になるからです。
リスクの許容度を知る
自分のリスク許容度を知ることも、アセットアロケーションには必要です。
例えば、5年後に手堅く資産を増やしたい場合と、30年後に資産が大きく増えれば良いという場合では、リスク許容度がまったく異なります。
5年後に手堅く資産を増やすなら、債券を中心にアセットアロケーションを組む必要があります。その他の投資では、相場の急落によって一時的な価格の下落が考えられるからです。
一方、30年後に資産が大きく増えれば良いと考えるなら、海外の中でも新興国の割合を増やすのも良いでしょう。2050年ごろには、アジアやアフリカといった国々の成長が著しいと予測されているからです。
参考:論座|21世紀前半の経済はアジアの時代に~レポート「2050年の世界」が予測する大幅な経済変動
30年も時間があるにも関わらず、国内債券ばかりのアセットアロケーションを組んでしまうと、大きなリターンを期待できません。
自分にはどのようなリスク許容度があるのかを考えてみることが大切です。
リタイアまでの期間を考える
アセットアロケーションを考える上では、リタイアまでの期間を考えることも大切です。老後2000万円問題もあったように、年金だけでは豊かな老後は期待できそうにありません。
しかし、その老後を迎えるまでの期間は人によって異なります。20代の方であれば老後まで40年前後あります。一方、50代の方なら、あまり悠長に考えてはいられません。
老後を豊かに過ごすためにも、リタイアまでの期間を考えて、アセットアロケーションを組むようにしましょう。
アセットアロケーションの決め方
アセットアロケーションの決め方を解説していきます。ここではわかりやすい例として、日本と外国に半分ずつ投資をして、さらにその中で株と債券に半分ずつ投資をするアセットアロケーションを考えてみましょう。
この場合のアセットアロケーションは以下のようになります。
国内株25%:国内債券25%:外国株25%:外国債券25%
日本と外国でリスクを2分し、それぞれ債券でリスクヘッジをしながら、株で資産を増やすという戦略です。日本だけに投資するよりも世界の成長を資産に取り入れることができます。また、債券が国内と海外合わせて50%あるので、景気変動による下落にも強いです。一方、債券の比率が高いため、資産を大きく増やせる見込みは少ないです。
仮にもう少し資産を増やしたいと考えるなら、リスクを多めにとって日本株や外国株を増やすことになります。
リターンは期待できるようになりますが、世界的に株価が下落すれば資産が減ってしまうリスクもあります。
このようにリスクをどのくらい取るか、リターンをどのくらい期待するかによって、アセットアロケーションは変わっていきます。
長期運用することでリスクヘッジになる
リスクは長期運用によってもヘッジできます。短期的な相場の急落があっても、長期で考えれば経済全体は右肩上がりで成長しているからです。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/shisan/2018/07/post-10470.php
また、米国株に15年以上投資をすると、リスクはほぼゼロになるという統計結果も出ています。
アセットアロケーションを決める際には、資産の配分も重要ですが、どのくらい投資期間が持てるのかも重要です。
20代や30代の方なら、これから30年、40年といった長期投資が可能です。多少リスクを取っても、長期運用でリスクヘッジができるからです。
一方、すでに定年退職されている方なら、なるべくリスクを取らずに手堅い運用が必要でしょう。今後、30年も40年も資産が塩漬け状態になってしまったら、楽しい老後を満喫できないからです。
アセットアロケーションを決めるためには、自分が運用できる期間も加味しつつ、どの程度のリスクを取り、どのくらいのリターンを期待するのかを決めることが大切です。
まとめ:アセットアロケーションは資産運用の設計図

「長期で手堅く増やすのか」「短期でリスク取りながら増やすのか」など、投資するの状況によって運用方法はさまざまです。
だからこそ、どのように資産運用するのか決める設計図が必要になります。無計画の思いつきで投資しても増やすどころか損するのが目に見えています。
さらに証券会社の選び方も大事です。
資産運用の方針を決めていても、証券会社が使いにくければ計画通りに進みません。
「取扱銘柄数が多い」「売買に役立つ機能がある」など使いやすい証券会社を選ぶことも大事です。
サクソバンク証券なら上記の機能が全て揃っているため、計画通りに資産運用しやすく資産の増加も期待できます。
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