市場ではこのところ、景気停滞とインフレが併存する「スタグフレーション」を警戒する声がたびたび見られるようになりました。新型コロナウイルス感染症の影響を発端にした世界的なエネルギー価格の上昇を背景にインフレが懸念されており、FRBが今月3月から段階的に量的金融緩和を縮小(テーパリング)をおこなうと見込まれています。その一方で、供給制約の影響を大きく受けた業種の業績下振れリスクなどが景気停滞が懸念されているのです。そんななかさらに、ロシアによるウクライナ侵攻の影響なども加わり、ますます資源が高騰しています。そこで今回は、このような状況にそなえて注目しておきたい資源エネルギー株をご紹介します。
世界最大級の原油、天然ガス関連製品を提供するケミカル製造大手[XOM/NYSE]エクソン・モービル
原油、天然ガス、石油製品、石油化学製品および様々な特殊製品の製造、輸送および販売をおこなう世界最大級のコモディティ、スペシャリティーケミカル製造大手です。セグメントには、上流、下流、化学、企業および金融となっています。上流セグメントでは原油と天然ガスの探鉱と生産、下流セグメントは石油製品の製造、取引、販売をおこなっています。精製および供給事業は、製造工場、輸送システム、および流通センターのグローバルネットワークで構成され、世界中の顧客にさまざまな燃料、潤滑油、その他の製品および原料を提供。化学セグメントでは、石油化学製品を製造・販売しています。2020年度の1日当りの生産量は、液体燃料が230万バレル、天然ガスが85億立方フィートでした。また、2020年末時点の保有埋蔵量は石油換算で152億バレル、このうち58%が液体燃料です。石油精製能力は原油換算で日量480万バレルとなっています。
有料な天然ガス田を保有する米国の独立系石油・天然ガス会社[AR/NYSE]アンテロ・リソーセズ
https://www.anteroresources.com/
アパラチア盆地にある天然ガス、天然ガス液体及び石油の探査・開発・取得と真水の収集、圧縮を手掛けている、米国の独立系石油・天然ガス会社です。すべての事業は米国内でおこなわれています。推定確認埋蔵量は7.63兆立方フィート同等で、うち天然ガスが6.75兆立方フィート同等、NGLsが1.38億バレル、石油が1億バレルとなっています。本社はコロラド州デンバーに位置し、ペンシルバニア州とウエスト・バージニア州にまたがるマーセラスに天然ガス田を持っています。また、アパラチア山脈地方で最も優良な天然ガス田を保有しており、その生産コストが他社より低く抑えられているという特徴があります。探鉱開発活動は、子会社であるAntero Midstreamの天然ガス収集、圧縮資産、第三者による収集及び圧縮の取り決めによって支えられています。また、追加の低圧及び高圧パイプラインへのアクセスも所有しています。
世界中で探鉱、生産、精製事業を手掛ける米国第2位の石油会社[CVX/NYSE]シェブロン
生産量は日量730万フィートの天然ガスと日量190万バレルの石油を含む、石油換算で日量310万バレルの米国第2位の石油会社です。生産活動は、北米、南米、欧州、アフリカ、アジア、オーストラリアでおこなわれ、世界100カ国以上で事業を展開しています。ナイジェリアのニジェールデルタ地域の陸上と近海沖合で操業するほか、ナイジェリア沖合の深海にも広範な権利を有しています。同社は原油と天然ガスの探査・開発・生産、液化天然ガスに関連する加工・液化・輸送・再ガス化などをおこなう上流事業と、石油製品の精製、原油・石油製品・潤滑油の販売などをおこなう下流事業の2つの事業セグメントを通じて事業を展開。石油精製施設は米国およびアジアに位置し、原油処理能力は日量180万バレルです。2020年末時点の確認埋蔵量は石油換算で111億バレルで、61億バレルの石油および29兆9000億立方フィートの天然ガスが含まれます。
カナダ最大の原油・天然ガス総合エネルギー企業のひとつ[SU/NYSE]サンコー・エナジー
カナダ西部、カナダ東海岸、米国、北海で事業を展開する、カナダ最大の総合エネルギー企業のひとつです。カナダの石油資源盆地であるアサバスカオイルサンドの開発に焦点を当て、3つの事業を展開しています。オイルサンド事業では、オイルサンド運営及びオイルサンドベンチャー事業を含みます。探査・生産(E&P)事業は、上流の石油・ガスの活動をおこなっています。ビチューメン、合成原油、および在来型の原油などの上流事業のポートフォリオによって、オイルサンドの高い生産コストを一部相殺しています。精製・マーケティング事業では、原油の輸送・精製を行い、主にカナダで石油・石油化学製品を販売する。また、再生可能エネルギー事業を営み、主に原油・天然ガス・副産物・精製品・電力の販売・取引を中心としたエネルギー取引活動をおこなっています。2020年の生産量は日量平均6億9,500万バレルで、原油の推定/確認可採埋蔵量は約74億バレルでした。
日本郵船とパートナーを結んだ国際的統合エネルギー企業[BP/NYSE]BP
世界中で石油を探鉱、生産、精製する石油およびガスの国際的統合エネルギー企業です。2020年の生産量は、石油が日量210万バレル、天然ガスが日量79億立方フィート(Rosneftによる出資20%分が含まれる)であった。2020年末の埋蔵量は180億バレル(石油換算)で、その59%が石油でした。運営する石油精製施設の原油処理能力は、日量190万バレルとなっています。同社は、脱炭素をさらに推進するための戦略的パートナーシップに関する覚書を日本郵船株式会社と締結しました。両社は今後、従来の船舶用燃料から液化天然ガス(LNG)、バイオ燃料、メタノールなどの代替燃料への移行を協力して促進し、アンモニアや水素などの将来的なゼロエミッションの船舶用燃料を開発していきます。海運業界の長期的な脱炭素に関する目標の達成に寄与し、脱炭素化が難しい他業界についても支援をおこなっていきます。
まとめ:資源エネルギー株への投資はリスク分散が重要
この記事では、今後の成長が期待できる資源株エネルギー銘柄について、企業の活動を含めて詳しく解説しました。
世界情勢の悪化に伴うエネルギー価格の高騰により、これからも資源エネルギー株の動向には注目が集まっていくと考えられます。
エネルギー関連銘柄は、エネルギー価格の上昇により利益増加傾向にあるため、中長期的な投資に向いているといえるでしょう。
しかし景気の変化に影響を受けやすいため、リスク分散のためにも、資源エネルギー株をまとめたETFに投資することがオススメです。
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≪参考≫
https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2021/10/irepo211012/
https://diamond.jp/articles/-/286854
https://diamond.jp/articles/-/283792
https://media.monex.co.jp/articles/-/16278
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/profile/AR
https://jp.reuters.com/companies/XOM.N
https://jp.reuters.com/companies/ar.n
https://jp.reuters.com/companies/CVX.N
https://jp.reuters.com/companies/SU.TO
https://www.nyk.com/news/2021/20210915_01.html



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