意外に知らない株価と金利の関係。米国株投資初心者にも分かりやすく解説

米国株のニュースをメディアやSNSで追っていると金利の動向が話題になります。例えば「米長期金利上昇が株価の重荷になった」などニュースのヘッドラインでよく流れてくるのではないでしょうか。

しかし株投資をはじめたばかりの方だと金利の動向が、なぜ話題にあがるのか分かりづらいのではないでしょうか。

多くの市場関係者が金利の動向に注目する理由は、株価と金利に相関関係があると考えられているからです。

株価と金利の関係がわかれば、市場の動向や投資家のセンチメントが分かりやすくなります。また株価と金利の関係が分かるようになれば、メディアやSNSで金利の話題が出ても話についていけるようになります。

目次

金利が上昇すると株価は下がりやすくなる

・金利が下がると株価は上がりやすくなる
・金利が上がると株価は下がりやすくなる

金利と株価はまるでシーソーのような関係だと言われています。なぜ、金利が上がると株価は下がりやすくなり、金利が下がると株価は上がりやすくなるのでしょうか。

金利とは簡単に言えばお金のレンタル料のことです。お金のレンタル料が下がると企業は設備投資をしやすくなります。

そして、個人もお金のレンタル料が低ければ安心して住宅ローンを組んで家や車を購入したりできるため、消費活動も活性化します。

設備投資や消費が活発になれば景気も上向きになり株価全体に良い影響があると考えられます。一方、お金のレンタル料が高くなる企業は設備投資を、個人も消費活動を控えるようになり不景気になってしまいます。

また、お金を貸す側の立場から考えても、金利が下がると株を買うのに前向きになります。

例えば銀行にお金を預けても利子が全くつかない、債券を買っても利子がほとんどもらえないなら株式を買った方が良いのではないかと考えるのが自然です。

極端な話をするとお金を貸すだけで確実に10倍にして返してもらえるなら、わざわざ元本が保証されないリスクのある株を買おうという気にはならないのではないでしょうか。

もちろん現実的にはリスクなしで10倍にしてお金を返してもらえるという話には無理があります。金利が高すぎるということは、それだけ高いレンタル料を払わないとお金の借り手が出てこない貸し倒れリスクが高い話になってしまうからです。

ただ、一般的には金利が下がると株価は上がりやすくなる。金利が上がると株価は下がりやすくなると覚えておけば良いでしょう。

短期金利と長期金利の違い

一言に金利と言っても種類があります。一歩、踏み混んで短期金利と長期金利の違いについても解説します。

特に短期金利の中でも中央銀行(米国ならFRB)が操作する政策金利FFレートの動向は市場参加者に特に注目されている重要な指標です。

短期金利は米国だとFRBの政策金利で決まる

短期金利とは取引期間が1年未満の金利のことです。そして、短期金利の中でも特に市場関係者の間で注目されるのがFRBの政策金利(FFレート)です。

(FRED:FFレート)

米国ではFRS(連邦準備制度)の加盟銀行は、預金残高の一定割合をFRBに預け入れる義務があります。

そして、預け入れる資金が不足する場合、加盟銀行間で短期資金を融通するインターバンク市場で成立する金利がFFレートです。

FRBはFFレートの金利を上げたり下げたりすることで、市場全体の金利に影響を与えています。
特に短期金利はFFレートの影響を強く受けます。

FRBがFFレートを上げればFRS加盟銀行の間で、資金に余裕のある銀行がない銀行にお金を貸して利子を積極的に得ようとします。一方、FFレートが低ければ別の投資先や融資先にお金を出そうという姿勢になります。

イメージが湧きにくいかもしれませんが、FRBがFFレートを下げれば(利下げ)結果的に市中にお金が回り株式市場にも、お金が流れます。つまり株価が上昇しやすくなります。

一方、FFレートを上げれば(利上げ)逆にお金が市中から回収されることで株式市場に回っていたお金も減ってしまい、株価が下がってしまいます。

FRBがFFレートの上げ下げが結果的に株式市場に大きな影響を与えるため、市場関係者はFRBの動向に注目しています。

長期金利は市場参加者の予測に左右される

長期金利とは取引期間が1年以上の金利のことです。長期金利は長期資金の需給関係で上がったり下がったりします。

短期金利に比べるとFFレートだけでなく、 短期金利の長期的な動向や物価の変動など様々な要因にも大きく影響も受けます。つまり市場参加者の予測に強く左右される金利です。

長期金利が上がるとリスク資産である株を買うよりも、元本が保証された債券にお金が流れやすくなります。長期金利の上昇は株式市場から資金が抜けていくため下げにつながりやすい兆候とされています。

投資家が注目する長短金利差と逆イールド

多くの市場関係者は長期金利と短期金利の差を見ることで景気や市況を予測しています。特に市場関係者が注目しているのが長短金利差です。

長短金利差とは?

長短金利差とは文字通り、長期金利と短期金利の差のことです。一般的に長期金利は短期金利よりも高くなります。

例えば、同じ銀行に預ける場合

  • 2年定期の金利
  • 10年定期の金利

どちらが高くなるのが一般的でしょうか。

通常は10年の定期預金の方が金利は高くなります。長く預けると当然、お金が長く拘束されてしまうためお金のレンタル料を高くしないと割りに合いません。

市場関係者はこの長期金利の差と短期金利の差を強く意識しています。

そして、市場関係者は特に米国の2年債の利回りを短期金利の重要指標、10年債の利回りを長期金利の重要指標と位置づけています。

市場関係者が警戒する逆イールド

FREDより引用。「米国10年債利回りー米国2年債利回り」。0を割りこむと逆イールドの状態。「T10Y2Y」で検索すると出てきます。

通常、長期金利と短期金利を比べると長期金利の方が高くなります。

しかし短期金利が長期金利を上回ってしまうことがあります。この短期金利が長期金利を上回る現象を逆イールドといいます。

  • 順イールド:長期金利>短期金利
  • 逆イールド:短期金利>長期金利

そして逆イールドでよく注目されているのが米国債10年利回りと2年利回りのペアです。逆イールドの発生は景気後退のシグナルになっていた経験則があります。そのため市場関係者は逆イールドを警戒しています。

逆イールドなら米国株投資家はどうするべき?

逆イールドは確かに株式市場にとって不吉な予兆です。

しかし経験則であり必ずしもリセッションの合図になるとは限りません。

市場関係者の中には「長年の金融緩和によって長短金利差が景気の先行きを予測できるのかどうか疑わしい」と考えている人もいます。

つまり逆イールドになれば即売り、即リセッションという短絡的な考え方を投資家はするべきではありません。一方で逆イールドの現象を完全に無視するのも楽観的すぎます。

また、逆イールドになっても実際に株価が下げに転じるには時間がかかります。そのため、慌てて売買をする必要はありません。しかし、景気後退に警戒はしておくべきです。

株価と金利は市場動向の大まかな判断材料として参考になる

金利の動向で株式市場全体のトレンドは大きく左右されます。そのため、金利がどう動いているのかは大まかにニュースで把握しておくと良いでしょう。

特に市場関係者が注目している米国の10年債や2年債の利回り、FRBの金融政策は投資判断の材料になります。

どれだけ業績の良い個別株を持っていても、市況全体が下げ相場ならば残念ながら上値は重くなり株価も下げてしまいます。

自分の持ち株だけでなく金利を見ながら市況全体の動向も見て投資判断が下せるようになると良いでしょう。

まとめ

株価と金利の関係について解説しました。ポイントをまとめます。

  • 金利が下がると株価は上がりやすくなる
  • 金利が上がると株価は下がりやすくなる
  • FRBのFFレートの操作は金利全般を左右するため市場関係者の間で注目されている
  • 逆イールド:短期金利>長期金利は不景気の予兆として警戒されている

金利の動向を追うことができれば、市場のセンチメントを把握しやすくなるため、よく見ておくようにしましょう。

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