米国株のバリュー株一覧を公開!バリュー株投資のメリットや注意点も解説

米国株投資でグロース株が大きく下落する中、バリュー株に注目をする投資家も増えているようです。しかしバリュー株とは具体的にどのような銘柄を指すのか、わからない方もいるでしょう。

この記事では代表的な米国のバリュー株を一覧にまとめ、それぞれの概要について解説します。バリュー株投資のメリット・注意点についてもまとめますので、参考にしてください。

※本記事は投資関連の情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではありません。また将来の値動きについて確約するものでもありません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断で行っていただきますようお願いします。

目次

米国株のバリュー株とは

2022年から米国株は下落トレンドが始まり、調整局面に入ったとも言われています。GAFAMを始めとしてIT・ハイテク株が大きく値下がりする中、現在はグロース株よりもバリュー株に注目が集まっているようです。

米国株のバリュー株投資といえば、投資の神様と呼ばれるバフェット氏も実践してきた投資手法です。企業の本来の価値に比べ、株価が割安な状態で放置されている銘柄であり、業績や財務状況が良い割には評価されていない銘柄となります。

一般的に、バリュー株とは以下に該当する銘柄とされています。

  • PER(株価収益率)が低い
  • PBR(株価純資産倍率)が低い
  • 配当利回りが高い

上記3つの指標は、米国株だけでなく日本株などのバリュー株投資でも用いられてきた基準です。最近では、配当成長率の高さや売上成長率の高さを重視する意見も見受けられます。

バリュー株は業種・セクターが地味な銘柄も多いですが、業績が安定しており、長期投資にも向いています。FIREを目指す方、老後の資産形成をしたい方なら、バリュー株も目を向ける価値はあるのではないでしょうか。

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米国株のバリュー株一覧

米国のバリュー株の代表的な銘柄を以下の表にまとめました。

銘柄名ティッカーシンボル業種
P&GPG一般消費財
ベライゾン・コミュニケーションズVZ通信
ジョンソンエンドジョンソンJNJ医薬品・医療品
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスWBAドラッグストア
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーJPM金融
アッヴィABBV医薬品

上記の銘柄のセクターを見ると、大きく成長している業種というより、常に需要のある底堅い業種と言えます。また日本でも事業展開をしている、有名な企業も一覧に入っています。

なお上記以外に、エクソンモービル(XOM)やシェブロン(CHV)といった大手エネルギーメーカーも、バリュー株として紹介されることの多い銘柄です。しかし直近のオイル価格の高騰を受けて株価が急上昇しており、割安とは言いづらい状況になっているため、今回は割愛しました。

ではここから、それぞれの銘柄について見ていきましょう。

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P&G(PG)

洗剤・シャンプー・消臭剤・化粧品など、家庭に欠かせない日用品の製造・販売を手掛けている企業です。世界的な一般消費財メーカーで、セクターは生活必需品に分類されます。P&Gの代表的なブランドとして、アリエール・ジョイ・ファブリーズなどがあります。

常に需要のある製品で新型コロナの影響は軽く、強力なブランド・商品を数多く展開しているため、業績は非常に安定している企業です。日本の家庭品市場でも、花王やライオン等と並び、安定的な強さをキープしている存在となっています。

これまで長らく増配を続けてきた銘柄としても知られており、65年連続で増配をしています。配当利回りは2%台ですが、今後も長期的に安定的な業績が期待できる銘柄と言えるでしょう。

生活必需品セクターということもあり、株価は底堅い動きを見せていましたが、2022年5月からは下落傾向となっています。

出典:ヤフーファイナンス

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ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)

ベライゾン・コミュニケーションズは米国の大手通信会社です。NYダウ工業株30種の構成銘柄の1つでもあり、優れた銘柄として定番の人気がある銘柄です。ライバル企業の1つはAT&T(T)ですが、株価や業績の低迷が続いていたことなどから、NYダウ工業株30種から外されたという経緯があります。

ベライゾン・コミュニケーションズの主要な事業領域は無線通信であり、一般消費者や企業だけでなく、米国政府にも通信インフラを提供しています。このほかに有線データ・音声サービス、インターネットサービスも手掛けています。

ベライゾン・コミュニケーションズの直近の配当利回りは5.21%であり、米国株の中でも高配当銘柄として知られています。株価は直近2020年まで上昇傾向でしたが、2021年からは下落に転じています。

出典:ヤフーファイナンス

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ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)

日本でもよく知られている、グローバルの医薬品・医療品メーカーです。世界最大級のヘルスケアカンパニーであり、世界60カ国に250以上のグループ企業があり、提供しているアイテム数は数万に及びます。

一般消費者向けの商品としては、バンドエイド、薬用リステリン、アキュビュー(コンタクトレンズ)、タイレノール(頭痛鎮痛薬)などが知られています。

ジョンソンエンドジョンソンの強みの1つは、研究・開発への巨額の投資です。研究・開発費は総売上高の約11%を占めており、すべての産業の中でもトップクラスの水準となっています。

ジョンソンエンドジョンソンの直近の配当利回りは2.6%程で、安定的な利回りとなっています。ヘルスケアのセクターに属することもあり、株価は底堅い動きを見せています。

出典:ヤフーファイナンス

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ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは世界最大級の薬局・ドラッグストアチェーンであり、ダウ工業株30種平均にも採用されている銘柄です。

新型コロナ感染症で在宅検査の需要が増え、市販薬も需要が増加し、売上高も急増しました。パーソナルケア・健康などの分野も伸張し、業績は好調です。

連続増配記録を続けている銘柄でもあり、40年以上に渡って増配が続いています。直近の配当利回りも4.75%と高い水準を維持しています。

出典:ヤフーファイナンス

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JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)

ゴールドマンサックスやシティグループ等と並ぶ、世界有数のグローバル金融サービスの企業です。投資銀行、資金決済、資産運用、プライベート・バンキングなど、様々な金融サービスを展開しています。総資産・時価総額では世界トップクラスの規模となっています。

日本などグローバルで展開する法人向け事業は「JPモルガン」のブランド、米国で行う個人向けや中小企業向け事業では「チェース」ブランドを使用しています。

同社も新型コロナショックから回復して株価は2021年に170ドル以上の高値を付けていましたが、2022年からは下落トレンドとなり、新型コロナショック前の水準に近づいています。

出典:ヤフーファイナンス

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アッヴィ(ABBV)

バイオ医薬品メーカーであり、免疫疾患・がん・神経疾患・消化器疾患などの領域をメインに開発しています。世界175ヵ国に製品を販売しており、従業員数は全世界で48,000人、日本でも1,400人超の社員が従事しています。

新型コロナショックのダメージは非常に軽く、2021年から2022年にかけても株価は上昇を続けました。2022年4月には174ドルを突破して最高値を更新しましたが、直近は下落傾向です。

出典:ヤフーファイナンス

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米国のバリュー株ETF一覧

米国株のETFでも、バリュー株で構成されている銘柄が複数あるので、一覧で紹介します。

銘柄名ティッカーシンボル
ウィズダムツリー新興国株クオリティ配当成長ファンドDGRE
バンガードS&Pミッドキャップ400バリューETFIVOV
バンガード米国メガキャップ・バリューETFMGV
SPDRポートフォリオS&P・500バリュー株式ETFSPYV
バンガード米国スモールキャップ・バリューETFVBR
バンガードS&Pスモールキャップ600バリューETFVIOV
バンガード米国ミッドキャップ・バリューETFVOE
バンガード・ラッセル1000バリュー株ETFVONV
バンガードS&P・500バリューETFVOOV
バンガード米国バリューETFVTV
バンガード・ラッセル2000バリュー株ETFVTWV

上記の一覧には、世界的な運用会社であるバンガード社のETFが数多く見られます。大型のバリュー株を採用する銘柄、中型のバリュー株で構成される銘柄など、ファンドによって運用方針は異なります。

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米国株のバリュー株に投資をするメリット

グロース株投資からバリュー株投資へとシフトさせている投資家も数多くいます。バリュー株に投資をするメリットとして、下記が挙げられます。

株価の下落リスクが相対的に低い

バリュー株は企業の利益や資産に比べ、株価が割安になっている銘柄です。株価が元々割安な状態なので、下落するとしても一定の限度があると考えられます。

もちろんバリュー株も株式なので、世界的な下落トレンドに入った場合は大きく下落することはあり得ます。ただしどのような状況でも需要の高い業種が多いため、倒産のリスクは低く、業績も概ね安定しています。

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インカムゲインが得られやすい

バリュー株は株価が割安なので、配当利回りが高くなる傾向です。前述したバリュー株一覧でも、ベライゾン・コミュニケーションズなど高配当の銘柄も数多く見られます。長期投資でインカムゲインを獲得していきたいなら、バリュー株投資は適していると言えます。

一方でグロース株は高い成長を維持するため、株主還元は低く抑える傾向があります。よってグロース株に投資をするならインカムゲインよりもキャピタルゲイン、つまり売却による価格差の利益を狙うことになります。

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長期投資に適している

バリュー株は株価が割安なだけで、業績自体は好調な銘柄が多い傾向です。長年に渡って好業績を維持している銘柄も多く、長期投資に適している銘柄と言えます。

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事業内容を理解しやすい

前述のバリュー株一覧を見ても分かるとおり、一般消費者を対象としたビジネスを展開している銘柄も多く見られます。日頃から身近な製品・サービスを提供しているため、投資家にとってビジネス内容を把握しやすいのもメリットです。

特に投資の初心者の場合は普段から身近に感じられる銘柄を選ぶと、その企業を長期的に応援しようという気持ちも湧き、長期投資を続けやすいのではないでしょうか。

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バリュー株に投資するときの注意点

米国株のバリュー株は、値上がりが期待できる銘柄ではあるものの、適当に買い付けて簡単に利益を得られるものではありません。バリュー株に投資をする際の注意点を紹介するので、これから投資しようかと考えている方は目を通しておいてください。

株価が将来必ず上昇するとは限らない

PERなどの数値を使ってスクリーニングし、バリュー株を探すことは難しくありません。しかし難しいのは、割安になっていてもそこから上昇しないバリュー株も多いということ。

スクリーニング結果だけで自動的に投資先を決めるのではなく、ビジネスにおける強み・弱み、今後の将来性と脅威について把握し、判断する必要があります。

2020年の新型コロナ、2022年のウクライナ危機により、世界情勢が大きく変わっています。業績内容だけでなく、サービス内容や現在の環境に適合しているかもチェックするのが望ましいです。

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長期で投資する必要がある

バリュー株はグロース株とは違い、買ってすぐに値上がりすることはほとんどありません。業績や株価水準から判断して先行投資をする手法であり、銘柄が評価されて株価が上昇するまでにはある程度の時間がかかります。

バリュー株で利益を出すには、デイトレードやスイングトレードではなく、長期的な運用が必要です。

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まとめ:バリュー株は長期投資に向いている

米国株投資における代表的なバリュー株の一覧をご紹介しました。生活必需品、医療品、医薬品、ドラッグストアなど、景気に左右されにくい業種の企業が中心となっています。P&Gやジョンソンエンドジョンソンなど日本でもよく知られた銘柄も含まれています。

バリュー株とは一般的にPERやPBRが低く、配当利回りの高い銘柄のことを意味します。株価は割安ですが業績は安定している銘柄も多く、長期投資にも向いていますので投資初心者にも投資先としてオススメです。

ただしグロース株と違って短期的な株価の急上昇は期待できず、将来必ず株価が上昇する保障もありません。バリュー株投資で結果を出すには時間がかかることも念頭に置いておく必要があります。

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