景気後退でよく使う3つのシグナル。米国株の今後の動向は?

米国が景気後退の局面に入りつつあるのではないかと言われています。景気後退の話題を目にして不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

残念ながら米国の景気後退を懸念する市場関係者が増えているのは事実です。

米国株は2010年台から下げる局面もありましたが、右肩上がりで上昇し続けてきました。米国株をはじめたばかりの投資家だと、米国株が右肩上がりの時代しか知らないかもしれません。

しかし、米国株がなかなか上昇しなかった時期もあります。

例えば2000年代の米国株は一方的な右肩上がりの上昇はしていません。

米国も景気後退の局面に入れば低迷する時代が訪れる可能性があります。本記事では景気後退を判断する際によく使われる3つのシグナルと今後の米国株の動向について解説します。

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目次

景気後退シグナル1:ISM製造業景況感指数

ISM製造業景況感指数は、アメリカの製造業の景況感を示す指数です。一般的に50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退のシグナルと言われています。

発表日は毎月第1営業日に発表されます。2022年4月の指数は57.1でした。ただ、予想値の59を下回った結果でした。

ISM製造業景況感指数は、米供給管理協会が製造業約350社の購買担当者にアンケート調査を実施して作成されます。

アンケートでは生産、新規受注、雇用、在庫などを1ヶ月前と比較して良くなったのか、それほど変化がないのか、悪くなったのかが集計され、総合的に算出されます。

また、サービス産業の比重が増している現在、ISMの非製造業景気指数も景況感を示す指数として注目されています。

非製造業景気指数も購買担当者からアンケートをとり結果集計後、総合的に算出されます。50を上回れば景気拡大、下回れば景気縮小のシグナルになります。

ISMの指数はYAHOO!ファイナンス、各ネット証券などからも概要の数値は調べられます。また、アンケートの詳細を調べるならISMの公式サイトを見れば詳細も分かります。

https://www.ismworld.org/(ISM公式サイト)

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景気後退シグナル2:長短金利差

(FREDの米国10年債利回りー2年債利回り。0を割りこむと逆イールド)

長短金利差が0以下になる通称「逆イールド」という現象も景気後退シグナルとされています。

ただし、逆イールドになれば即座に株価が下がるというわけではありません。逆イールドが観測されてから1年〜2年ほどの猶予があると言われています。

例えば2008年9月のリーマンショック以前にも逆イールドの状態が発生しました。しかし逆イールドはリーマンショックから2年前の2006年に起きていることが確認できます。

さらに遡ると2000年代初頭のITバブル崩壊前にも逆イールドが発生していることが分かります。

(FREDの米国10年債利回りー2年債利回り。0を割りこむと逆イールド)

2019年にも一瞬、逆イールドが観測されたタイミングがあります。その約半年後には、コロナウイルス感染拡大による大きな下げがありました。

2022年の4月にも逆イールドが観測されました。逆イールドの状態は長くは続きませんでしたが将来、米国経済が景気後退する可能性も視野に入れておいた方が良いかもしれません。

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景気後退シグナル3:消費者物価

物価の上昇も景気後退のシグナルになるとされています。良く指標として使われるのは、米国労働省が発表する消費者物価指数(CPI)です。

https://www.bls.gov/(米国労働省)

CPIでは、対前年同月比の上昇率が注目されています。CPI はYahoo!ファイナンスやネット証券などでも調べればデータを取得できます。

米国労働省の公式サイトの情報が見づらければ、他のサイトから転載された情報を参照しても良いでしょう。

消費者物価が上昇すれば、消費は冷えこみます。消費が冷えこむということは、物が売れなくなります。旅行も控えるようになってしまいます。

2022年の消費者物価は上昇しており株価の圧迫要因になる可能性があります。

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景気後退のシグナルが出たら米国株は即、売りなのか

景気後退のシグナルが出たからといってすぐに米国株が下げに転じるわけではありません。

本記事で紹介しているISMの指数も逆イールドも消費者物価に景気後退シグナルが出たとしても、すぐに株が下がるわけではありません。そのため慌てて売る必要はないでしょう。

ただし、景気後退のシグナルが出ている状況では、新規の買い建てで大きなポジションをとるのはリスクが高い行為であることを承知の上で投資をする必要はあります。

また、既に株を保有している場合は、どうなったら売るのかを事前に決めておくと、いざというときに迷いがなくなります。

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景気後退のシグナルは日々、上下する。米国株の動向も日々、変わる

景気後退のシグナルの結果は情勢とともに移り変わっていきます。そのため、景気後退の予兆が少し見えただけですぐに株を買ったり売ったりすると腰を据えた投資ができません。

もちろん、景気後退のシグナルは株式市場の今後の動向を予測する上で重要ですが、振り回され過ぎも考えものです。

過度に楽観視せず、悲観もせずに景気後退のシグナルを追いながら、投資計画を決めるべきです。

景気後退のシグナルが今後、観測されなければ米国株は今後、持ちなおす可能性もあります。

ただ、2022年4月現在ではISMの指数に関しては問題ないものの、逆イールドの発生と消費者物価の上昇は株式市場にとって不吉なシグナルであることは否定できません。

緊張感をもって注意深く米国市場の動向を追う必要があるのではないでしょうか。

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景気後退のシグナルだけで株の売買を決定するのは難しい

景気後退のシグナルを自分で読み解くことができれば、市場の今後の動向を予測しやすくなります。

しかし、景気後退のシグナルが出て将来的に株価が下落する予測はできても、いつ下落するかを正確に予測することは不可能です。

例えば逆イールドのシグナルが出たとしても株式市場が本格的な下げに転じるには年単位の時間がかかることもあります。

景気後退のシグナルだけで株の売買を決定するのは難しいのです。

ただ、2022年4月現在の傾向が、このまま続くなら米国の景気後退は本格化する恐れがあるため油断はできません。

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まとめ

米国の景気後退を判断するために良く使われる3つの指標を紹介しました。

  • ISM製造業景況感指数:50以下になる
  • 逆イールド:米国債10年利回りー米国債2年利回りが0以下になる
  • 消費者物価指数:上昇が続くと株価圧迫要因になる

この3つを注意深く見るだけでも米国の景気後退の予兆をつかむことができます。

景気後退のシグナルが出たからといってすぐに株価が下げるわけではありません。

しかし、景気後退のシグナルを注意深く見ることで株価が下がるかもしれないという心づもりができます。

いざというときに慌てずに売買の判断が下せるようになるでしょう。

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