バフェットの最新ポートフォリオを見る|新たにヘルスケアやITに投資も

画像:Mint/gettyimages

先月、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの最新のポートフォリオが公開されました。バフェットの近年のポートフォリオにおいてはAppleへの投資のウェイトが増えていることが明確ですが、ヘルスケアやIT関連の銘柄への投資も見られるようになってきています。バフェットの最新のポートフォリオの中身を見てみましょう。

目次

製薬企業四社に56億ドルを投資

バフェットの最新のポートフォリオを見て、真っ先に目に入ってくるのが製薬企業四社に対する投資です。アッヴィとメルクにそれぞれ18億6千万ドル(約1953億円)、ブリストルマイヤーズスクイブに18億1千万ドル(約1900億円)、ファイザーに1億3600万ドル(約142億8千万円)の、合計で56億ドル(約5880億円)を新たに投資しています。

アッヴィ(AbbVie, ABBV)は、2013年に125年の歴史を持つ製薬企業アボットラボラトリーから分社して生まれたアメリカのバイオ医薬品メーカーで、各種の遺伝子組み換え抗体製剤、ウイルス感染予防用抗体製剤、抗うつ薬などを製造しています。関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」などのベストセラーも製造しています。

メルク(Merck, MRK)は、1891年設立の老舗製薬企業です。抗がん剤「キイトルーダ」、高脂血症治療薬「リポバス」、骨粗鬆治療薬「フォサマック」などの各種の薬を製造しています。2020年11月23日に新型コロナウィルス治療薬を開発しているバイオ医薬品メーカーのオンコイミューン社を4億2500万ドル(約442億円)で買収すると発表して話題になりました。メルクは、売上規模ではファイザーに次ぐ世界第二位です。

ブリストルマイヤーズスクイブ(Bristol Myers Squibb, BMY)は、1989年にブリストルマイヤーズとスクイブが合併してできた会社です。白血病治療薬「スプリセル」、B型肝炎治療薬「バラクルード」、C型肝炎治療薬「ダクルインザ」などの各種の薬を製造しています。

ファイザー(Pfizer, PFE)は、言わずと知れた世界最大の製薬企業です。ドイツのバイオ医薬品メーカーのビオンテックと共同で新型コロナウィルスのワクチンを開発、世界各国への供給を始めたことは、すでに大きなニュースになっています。

四社ともにアメリカを代表する大手有力製薬企業ですが、バフェットは、なぜこの四社への投資を決断したのでしょうか。

経済の低迷や新型コロナウィルスのパンデミックに強い製薬株

あるアナリストは、バフェットが、新型コロナウィルスのパンデミックが当面収束せず、さらに経済の低迷も当分続くと予測し、それゆえ経済の低迷やパンデミックに比較的強いとされる製薬会社に投資をしたのだろうと分析しています。

また、コロナ禍において、四社の業績がそれなりのパフォーマンスを示していることが前向きに評価された可能性もあります。例えば、メルクの看板製品でベストセラーの抗がん剤「キイトルーダ」の2020年1月から9月までの売上は10億ドル(約1050億円)を超え、対前年比で30%増加しています。「キイトルーダ」については現在複数の別の疾患についての臨床試験が行われており、承認されれば同社にさらに多くの売上をもたらすと予想されています。

さらに、ファイザーは既にアメリカ政府と1億回分のコロナワクチン供給の契約を19億5千万ドル(約2048億円)で締結済みです。ファイザーはアメリカ政府との5億回分の追加供給契約も締結し、さらには英国、EU各国、カナダ、オーストラリア、シンガポール、日本などともワクチン供給契約を締結済みです。新型コロナウィルスのパンデミックは、ファイザーの業績にとっては大きな追い風となり、実際に高いパフォーマンスを与える結果になる可能性が高いでしょう。

IT企業にも投資

また、最新のバフェットのポートフォリオにおいて別に注目すべきはIT企業への投資です。バフェットは、前四半期中、アメリカの携帯通信大手Tモバイルの株240万株を2億7500万ドル(約288億7500万円)で購入し、株主になっています。バフェットのポートフォリオ全体から見ればほとんど無きに等しいサイズですが、今年4月のスプリントとの合併により生じたフリーキャッシュフローが前向きに評価されたと言われています。

さらに、前四半期中はバフェットが新興成長企業スノーフレークに投資し、同社のニューヨーク証券取引所へのIPOで8億ドル(約840億円)のキャピタルゲインを得たという話題もありました。バフェットの投資履歴において過去60年以上行っていなかったIPO投資を、それもバフェットが伝統的に得意としてこなかったIT企業のIPO投資を行ったことに、多くの市場関係者が驚かされました。

バフェットの最新のポートフォリオには、バフェットがオンライン決済企業シンクロニー・フィナンシャル、衛生ラジオプラットフォーム運営企業シリウスMX、通信企業チャーター・コミュニケーションズなどの他のIT企業へ投資していることも示されています。いずれの投資もバフェットの二人の参謀トッド・コームズ氏とテッド・ウェシュラー氏がアドバイスしたものとされており、両氏らの影響力が強まると予想される今後、バフェットは今後より積極的にIT企業へ投資してくる可能性もあります。今後しばらくの間は、バフェットのポートフォリオの推移を注視してゆく必要がありそうです。

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(参照サイト)
https://www.fool.com/investing/2020/11/20/warren-buffett-just-bought-these-stocks/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66549200U0A121C2000000

まとめ:今後のバフェット銘柄に要注目

米国株アイキャッチ

投資の神様といわれるバフェットは上場廃止になる前に銘柄を売却した過去もあるように、先見の明があると考えられます。

もちろんバフェットの行動が全て正しいとは限りませんが、ポートフォリオ作成の参考にはなるはずです。

ただポートフォリオを自分で組むとなると「企業業績」「経済状況」など多方面で情報収拾をする必要があり大変です。

もし忙しくてリサーチ時間が取れないなら、ファンドに資産運用を任せるのもよいでしょう。

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