【GDRX】新たな脅威が現れる中、COVID-19下でその地位を盤石に出来るか

GDRX

GoodRx Holdings(GDRX)いう企業をご存知でしょうか。 Zillow Group(ZG)が不動産市場の、Uber(UBER)が輸送市場の、BOOKING HOLDINGS(BKNG)が旅行市場の革命児ならば、ヘルスケア市場の革命児は間違いなくこの企業でしょう。

同社は創業者が保険に入っているにも関わらず、高額な処方箋費を請求されたことをきっかけに米国の複雑で不透明な医療費について調査を始め、薬局によって薬価の差異があることや6割強の個人破産の原因になっていること、1人あたりの医療費がOECD諸国平均の2倍もあったこと等に気が付き、それらを自らの手で是正すべく創業されました。

今回はそんなヘルスケア業界の革命児ともいえるGoodRXについて現況から事業の特徴、財務状況等を整理した上で、今後の見通しまでお伝え出来ればと思います。

目次

1. 会社概要
2. 事業の特徴
3. 会社規模
4. 業績
5. 財務分析
6. トピック:大型起債を続けるかも
7. 今後の業績見通し
8. まとめ

1.会社概要

<沿革>

2011年  カリフォルニア州サンタモニカにて設立

2015年9月 デラウェア州法人であるGoodRx Holdings, Inc.設立

2019年9月 遠隔医療企業のHey Doctor社の買収

2020年9月 NASDAQ上場(クラスA普通株式28,615,034株発行、1株あたり33$で公開)

2021年4月 処方箋割引サービスを行うRxSaver社の買収

2021年8月 健康系ビデオコンテンツ配信企業のHealthNation社の買収

2.事業の特徴

GDRXの事業及び提供サービスはPrescription、Subscriptions、Pharmaceutical Manufacturer Solutions、Telehealth、Marketplaceと大きく分けて5つあり、かつそのサービス同士が有機的に繋がり、消費者を離さないかつ安定した収益をあげるビジネスモデルになっているのです。

まずPrescription段階で、どの薬局の処方箋がお得なのかどうかを比較検討させ、サービスを利用するメリットを与えます。次にSubscriptions段階で文字通り月次、年次で会員化させます。この際、登録者限定で更にお得なクーポンが発行されることで消費者は進んで登録するような仕組みが作られています。ここを起点とし、更にブランド薬のためのPharmaceutical Manufacturer Solutions、2019年9月に買収を行なったHey Doctor社の提供サービスであるオンライン診療サービスTelehealth、そして第三者医師でもTelehealthが利用できる場所を用意し、そこから自サービスの処方箋生成と繋げていくMarketplaceへと繋がっていくのです。言うなればGoodRxさえ利用していれば日常の処方箋から病気の診察、そこから生じる処方箋までも済んでしまう”うまい”仕組みが出来上がっているのです。

タイムライン

自動的に生成された説明
グラフィカル ユーザー インターフェイス

自動的に生成された説明

GoodRx「 Investor Presentation(May 2021)」
https://investors.goodrx.com/static-files/cc26d01c-d5a7-4b18-8df1-069ed6a20bcc

これらの仕組みが功を奏し、GoodRxが提供するアプリは過去3年間で最もダウンロードされや医療アプリ第一位、月間アクティブユーザー2,000万人、かつユーザーリピート率80%以上等の数字を記録し、順調にサービスをグロースさせています。

3.会社総額

時価総額:2,944億円(6月23日時点)

純資産:787億円 (2020年12月時点)

資本金43億円(2020年12月時点)

従業員:478人(2020年12月時点)

4.業績

(単位:百万円):1USD=111JPY

営業収益営業利益経常利益当期利益1株益(円)1株配(円)
2018年12月27,0278,5598,2574,86112.2
2019年12月41,53714,96315,1467,33218.9
2020年12月57,843▲30,605▲33,863▲32,592▲118.8
21年12月1Q16,650-555▲1,2091851.1

※株価:38.24USD (6月23日終値)

※株価指標(20年12月期)

・EPS(予):0.07

・EPS(実):0.08

・配当利回り:無配

そんな破竹の勢いともいえる状態で売上、利益を順調に伸ばしてきた当社ではありますが、20年12月期は営業収益は前年比プラスで着地したものの、営業利益以下は大きなマイナスを出してしまっています。

この原因としては株式に基づく報酬費用が前年同期比で約330億円増加したことと、株式に基づく報酬に関連する給与税費用 (関連費用の約316億円を含む) が前年同期比で増加したことによるとなっております。このことから今季のマイナスは一時的なものであり、事業自体は先述の通り好調なことから来季には回復するものと思われます。

5.財務分析

(1)成長性

前年収益成長率約50%という数字に加え、400兆円市場と言われるヘルスケア市場の中でGDRXのサービスは先述の利便性や継続性が見込まれ、シェアも高い。かつTAMは約89兆円と多くの成長余地を残していると言える。かつ言及は無いが、今後の海外進出の可能性等も鑑みると、GDRXの成長性は高いと考えられます。

(2)収益性

GDRXにおいて特筆すべきはその収益性ではないでしょうか。20年12月期の粗利益率は95%、EBITDA Marginは37%と非常に高い水準を実現しています。かつ事業特性上、付加価値額も高いであろうことが考えられることなどからGDRXの収益性は高いと考えられます。

(3)安全性

19年12月期から20年12月期にかけて行なった大幅な財務体質改善により自己資本比率が▲90%から48%になりました。かつ負債比率は99%と水準的には問題ないことから、特筆して良い状態ではないものの、GDRXの収益性は平均的であると考えられます。

6.トピック:その会社、銘柄に関する情報

当社の株価は2020年10月前半の50USD後半から1ヶ月で30USD前半まで株価を下げました。これはAmazon(AMZN)がいわゆるAmazon-health care、PrimeRxという処方割引プログラムを20年11月に導入し、翌21年5月初旬、割引カードを使った比較価格オプションの拡大を発表したため、投資家は、GoodRxを押しつぶす可能性があることを恐れ、売りに走ったための行動と考えられます。 GoodRxの株価は、Amazonの最初の発表後に28%、Amazonの最新の発表後にさらに4%下落しました。

ですが、GoodRxの幹部は、それを脅威とは見なしてはいないと繰り返し主張しています。確かにPrimeRxとGoodRxは割引カードの提供等から直接競合はしている部分も認められるものの、GoodRxには大きな強み、つまり特定の薬の価格を約70,000の薬局ネットワークから特定する機能があるためそのような主張に繋がっているもと考えられます。

グラフ, ヒストグラム

自動的に生成された説明

Nasdaq「GoodRx Holdings, Inc. Class A Common Stock (GDRX)
https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/gdrx

7.今後の業績予想

 20年12月期のGDRX月間アクティブ顧客は、前年比16.3%増の570万人でした。そして、加入者も前年比96%増の931,000人に増加するなどサービス利用者の拡大が続いています。この結果はオンライン処方箋の需要が引き続き強いことを示しているのではないでしょうか。加えてGDRXのビジネスモデルは安定性の高いストック型を中心としたモデルであり、かつユーザーリピート率80%という数字からも、GDRXは今後も順調に業績を伸ばしていくと考えられます。

 また21年1Qの決算後ガイダンスにてユーザーとプロバイダーの両方で高いNPSスコア及び提供アプリ評価を4.8に維持していることを発表しました。加えてGDRXが累計300億ドルの節約に寄与していることも発表し、好調をアピールしました。また、医師や他の医療専門家と共同で作成されたビデオ等コンテンツを配信するHealthNation社、自社の処方箋取引を補完する役目があると考えられるRxSaverも発表するなど勢いが感じられるミーティングとなっていました。

加えてyahoo! financeによると、アナリストが算出した目標株価は43.23USD(※6/23時点)であり、6/23終値ベースでの株価が38.24USDであることから、今後有望な銘柄であると分析しています。

8.まとめ

今回は「処方箋版価格.com」とも言われているGoodRx(GDRX)について分析を行いました。筆者は先述してきたマクロ環境やビジネスモデルや財務分析等から長期保有しておきたい銘柄かつ、あくまで個人的な意見ではございますが、21年6月時点での価格は割安であるとの判断から[買い]ではないかと考えます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

参考

・GoodRx「2020 Annual Report」
https://investors.goodrx.com/static-files/f8dd464a-44ab-46c8-b3c4-2a7a014df34c
・GoodRx「 Investor Presentation(May 2021)」
https://investors.goodrx.com/static-files/cc26d01c-d5a7-4b18-8df1-069ed6a20bcc
・GoodRx「Q4 2020 Letter to Shareholders (in March 11, 2021)」
https://investors.goodrx.com/static-files/1e36eadc-0df2-41ce-aa6e-55f3340d096c
・GoodRx「The GoodRx Effect: How GoodRx Is Changing the Economics of Healthcare」
https://www.goodrx.com/blog/the-goodrx-effect-how-goodrx-is-changing-the-economics-of-healthcare/
・CNBC HEALTHY RETURNS「Amazon health-care threat? Teladoc CEO says it’s ‘ overrated,’ but he should be worried」
https://www.cnbc.com/2021/06/06/amazon-health-care-threat-teladoc-ceo-says-its-overrated-.html
・Los Angeles Business Journal「Is Amazon a Threat to GoodRx?」
https://labusinessjournal.com/news/2021/may/31/goodrx-shrugs-off-amazon-threat/
・Stansberry NewsWire「GoodRx Forecasts Online Medication Demand Will Continue to Grow」
https://stansberryresearch.com/articles/goodrx-forecasts-online-medication-demand-will-continue-to-grow-2
・Nasdaq「GoodRx Holdings, Inc. Class A Common Stock (GDRX)」
https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/gdrx
・yahoo! finance「GoodRx Holdings, Inc. (GDRX)」
https://sg.finance.yahoo.com/quote/GDRX/analysis?p=GDRX
・The Motley Fool「GoodRx Holdings, Inc. (GDRX) Q1 2021 Earnings Call Transcript」
https://www.fool.com/earnings/call-transcripts/2021/05/14/goodrx-holdings-inc-gdrx-q1-2021-earnings-call-tra/

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