スタグフレーション懸念で注目される農業関連株

景気が低迷しているにもかかわらず、ウクライナ侵攻などの影響モアって急速に物価上昇が進むスタグフレーションが懸念されています。そんななか、原材料となる農業製品の注目も高まっています。

また、日本に住んでいると想像しづらい面もありますが世界人口の増加によって食料危機が問題視されているという現状もあります。これを受けて、農業の効率化は着々と進化を続けているのです。世界の人口が増えれば増えるほど、農業生産の改善が必要になってくるためです。このことが、農業関連株の長期的な需要要因となっています。今回は、そんな農業関連銘柄と農業関連ETFをご紹介します。

目次

小麦、コーン、米など世界的にアグリビジネスと食品を展開[BG/NYSE]バンジ・リミテッド

http://www.bunge.com

1818年に設立した、世界的なアグリビジネスおよび食品会社です。農家から消費者への食品チェーンに沿った事業をおこない、。アグリビジネス、食用油製品、製粉製品、砂糖とバイオエネルギー、肥料の5つの事業セグメントを展開しています。世界最大級の油料種子処理能力を有するアグリビジネス部門は、農産物および商品製品の購入・保管・輸送・加工・販売を統合しておこなうグローバルビジネスで、同社の利益の約3分の2を生み出しています。アグリビジネス事業では、農産物の貯蔵と輸送をおこなっています。食用油脂製品分野では、植物油、ショートニング、マーガリン、マヨネーズなどの製造・販売をおこなっています。製粉製品事業では、小麦粉、ベーカリーミックス、コーン製品、米を生産しています。砂糖・バイオエネルギー部門では砂糖やエタノールを製造し、肥料部門では肥料の製造・販売をおこなっています。

世界の約3,700の拠点で販売する世界有数の農業機器製造業者[DE/NYSE]ディア・アンド・カンパニー

https://www.deere.com

重機械産業で最も知られている機械のいくつかを生産する、世界有数の農業機器製造業者です。売上の大半を占める農業・芝部門をはじめ、さまざまな機械およびサービス部品を製造および販売する金融サービスセグメントの建機・林機、主にディーラーによる新品および中古の農業および芝設備ならびに建設および林業設備の販売およびリースに資金を提供するジョン・ディア・キャピタルの4つの報告部門からなります。農業と芝生セグメントは、農業および芝の機器および関連するサービス部品のラインを製造および販売しています。

製品は、北米の1,900以上のディーラー拠点および世界の約3,700の拠点を含む強固なディーラーネットワークを通じて入手可能です。特に人口増加と食料需要の増加による世界的なトレンドから利益を得ることができます。生産が食料需要に追いつくためには、今世紀前半に農業生産量を2倍にする必要があるといいます。

人と動物のための成分に焦点を当てた農産物加工大手[ADM/NYSE]アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド

https://www.adm.com

油糧種子、トウモロコシ、小麦、およびその他の農産物の大手加工企業です。人と動物のための成分に焦点を当てた栄養事業を農業サービス・油糧種子、炭水化物ソリューション、栄養の3つの事業セグメントで事業を展開しています。最大の事業はトウモロコシ加工で、トウモロコシを甘味料、でんぷん、バイオ製品に変換しています。

油糧種子加工分野では、大豆、綿実、ヒマワリ、キャノーラ、菜種、亜麻仁などの油糧種子を加工し、植物油やたんぱく質ミールに仕上げます。栄養セグメントは、食品、飲料、栄養補助食品、及び家畜、水産養殖、ペットフードの飼料とプレミックスなどの最終市場にサービスを提供しています。ほかには、香料、着色料、タンパク質、乳化剤の製造、販売などもおこなっています。さらには、作物の保存および輸送のための物流資産ネットワークを世界中に有し、穀物倉庫、輸送ネットワーク、港湾事業を利用して、農産物の購入、保管、洗浄、輸送をおこなっています。

トウモロコシをはじめ種苗トップシェア農業化学の世界最大手[CTVA/NYSE]コルテバ

https://www.corteva.com

2019年6月にダウ・デュポンから分離した、新たな種子や作物化学製品の開発を主導する農業化学の最大手企業です。農業分野に特化した種子および作物保護ソリューションを提供し、種子事業と作物保護事業の2つの事業を展開ています。なかでも種苗と除草剤や殺虫剤などの農薬が2本柱で、2021年12月期の売上は種苗部門が53.7%、農薬部門が46.3%を占めます。

世界トップシェアを占める種子事業は世界中の農家を支援するため、胚芽と形質を組み合わせた商業用種子を開発・供給。北米のトウモロコシや大豆、欧州のトウモロコシやヒマワリのほか、ブラジル、インド、南アフリカ、アルゼンチンなど世界の種子市場にサービスを提供。また、天候、病気、昆虫、雑草を駆除する除草剤などへの抵抗力を高める形質転換技術や、食品や栄養面での特性を高める形質転換技術を提供しています。作物保護事業では、雑草や昆虫、病気から作物の収穫量を守るための製品の開発・提供に注力しています。

カリ市場でシェアNo.1、カナダが本拠地の肥料世界最大手[NTR/NYSE]ニュートリエン

https://www.nutrien.com

2018年にポタシュとアグリウムが合併して誕生した、本拠地をカナダに置く生産能力で世界最大級の肥料生産会社です。肥料の主要な3つの作物栄養素である窒素・カリ・リン酸を生産しています。なかでも同社ではカリの生産に注力しており、世界のカリ市場で約20%のシェアを持つリーダ的存在でもあります。一方で米国で最大規模の農業製品の小売事業者ともなっており、実店舗およびオンライン・プラットフォームを通じて肥料、農薬、および種子を農家に直接販売しサービスを提供しています。

アメリカ合衆国で約2つの統合されたリン酸塩鉱業および処理施設を運営。また、カナダ、トリニダード及びアメリカ合衆国で約16の窒素施設も運営しています。売上の7割を占めるリテール部門では、7ヵ国に2,000以上の販売拠点を展開して、50万超の農家に販売しています。肥料の売上が5割超を占めるほか、農薬、種苗事業も手掛け4つのセグメントで事業を展開しています。

農業関連銘柄にまとめて投資できる3つのETF

農業関連銘柄に投資する米国上場のETFに加え、各分野の代表的なものをご紹介いたします。

ヴァンエック ベクトル アグリビジネスETF(MOO)は、農業関連銘柄をグローバルに組み入れるマーケット・ベクトル・グローバル・アグリビジネス・インデックスの価格及び利回り実績に可能な限り連動することを目指すETFです。2021年3月末時点の組み入れ上位銘柄はゾエティス8.3%、ディアー8.3%、バイエル6.9%、アイデックスラボラトリーズ6.5%、ニュートリエン5.7%、コルテバ5.5%、アーチャーダニエルズミッドランド4.7%、クボタ4.4%、トラクターサプライ3.7%、タイソンフーズ3.5%などとなっています。

また、商品先物に連動するETFもあります。テウクリウム・ウィート・ファンド(WEAT)は、シカゴ商品取引所で取引される3つの異なる限月の小麦先物価格の加重平均の日々の変動率に連動するETFです。そして、テウクリウム・ソイビーン・ファンド(SOYB)は、CMEグループのECBOT(シカゴ商品取引所 / 電子取引)で取引される3つの異なる限月の大豆先物価格(終値ベース)の加重平均の日々の変動率に連動するETFとなっています。

まとめ:農業関連銘柄とETFは成長が期待できる

この記事では、今後の成長が期待できる5つの農業関連銘柄と、3つの農業関連ETFについて詳しく解説しました。

近年、物価上昇に起因するスタグフレーションによる食糧問題を解決するために、世界中の様々な企業が農業の効率化に取り組んでいます。

その結果、世界的にアグリビジネスと食品を展開するバンジ・リミテッドや農産物加工大手のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドなどの株が注目を浴びています。

農業関連銘柄やETFは、景気減速による需要減退の影響を受けにくいとされており、安定した投資対象といえるため、リスクを抑えて投資をしたいという方にもオススメです。

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