アメリカでは急激なインフレが進んでおり、スタグフレーションが懸念されています。
景気動向に業績が左右されにくい業種をディフェンシブセクターといいますが、特に食品株は当該セクターにおける代表的なテーマです。
また、最近は米国内だけでなく、アジアなど非欧米圏の食文化の欧米化を追い風としたグローバル展開の新興も期待されています。
米国メーカーは巨大な自国市場という強固な基盤をテコに、新興国市場の開拓を進め、世界市場における売上高で上位を占める企業も多くなっています。
昨今の食品の加工・保存などの技術の向上が進んでいることも、国際展開を進めるうえで有利に働いています。
そこで今回は、現在のような景気の先行きが不安定な時期にチェックしておきたいディフェンシブ株のなかから食品会社を紹介します。
[TSM/NASDAQ]モンデリーズ・インターナショナル
https://www.mondelezinternational.com
2012年10月に旧クラフト・フーズによる北米食品事業のスピンオフにより誕生し、それ以来独立した組織として事業を展開する食品・飲料メーカーです。
売上高の48%を占めるビスケット、31%のチョコレートをはじめ、ガム・キャンディ、飲料、チーズ・グロッサリーなど世界の大手スナック企業として市場で高いシェアを持っています。
代表的なブランドには、オレオ、リッツ、チップスアホイ、トライデント、ホールズなどがあります。売上高のおよそ3分の1が発展途上市場で生み出されており、40%近くを欧州、残りを北米市場が占めています。
前身のクラフト・フーズは、2012年にチーズなどから成る北米グローサリー事業を[KHC/NASDAQ]クラフト・フーズ・グループとしてスピンオフ。
お菓子ビジネスを同社に切り離したうえで、チーズやアイスクリームなどの乳製品を基軸としていろいろな食品会社を買収して大きくなっています。
代表的なブランド
オレオ、リッツ、チップスアホイ、トライデント、ホールズ
[PPC/NASDAQ]ピルグリムズ・プライド
米国で2番目に規模の大きな鶏肉加工会社です。高品質で手頃な価格の生鮮・冷凍鶏肉製品を生産し、世界中の消費者、小売業者、流通業者、外食業者に販売。
2021年度売上高では、62%を米国市場が占めており、欧州市場が26%、メキシコ市場が12%を占めています。
2019年に英国最大の養豚会社であるチューリップ社を買収し、豚肉市場に参入しました。
製品は、レストランチェーン、食品加工業者、小売チェーンに販売されており、アメリカでの大口顧客にチックフィルエー、クローガー、コストコ、ヨーロッパではMcDonald’s、テスコ、メキシコではウォルマートなどがあります。
世界最大の食肉会社であるブラジルのJBS社が、同社の発行済株式の80%を保有しています。
新型コロナウイルス感染症の影響で生産量が低下したことで、原料不足による価格の高騰がおきており、ますます価格が上昇す可能性があります。
[GIS/NYSE]ゼネラル・ミルズ
スナック、シリアル、インスタント食品、スーパープレミアムアイスクリームヨーグルトなどの食品類のほか、パン生地、ベーキングミックスおよび材料、およびペットフードを生産する世界有数のパッケージ食品会社です。
主要ブランドは、チェリオス、ヨープレイト、ベティ・クロック、ハーゲンダッツなどがあります。売上の大半は、ミール&ベーキング、スナック、シリアルです。
同社は現在、製品ポートフォリオをゆっくりと再形成しています。米国における加工・包装食品のマーケットリーダーであり、2021年度の売上高の75%は米国で、ほかにカナダ、欧州、オーストラリア、アジア、中南米でも事業を展開しています。
製品の大半は小売店を通じて消費者に販売していますが、ほかに食品サービス業界や業務用製パン業界にも製品を販売しています。
また同社は、100年以上にわたって一貫して配当を行ってきた数少ない企業のひとつでもあります。
[PEP/NASDAQ]ペプシコ
さまざまなブランドで飲料およびスナック類の製造・マーケティング・販売を手掛ける食品・飲料品世界最大手のうちの一社です。
そのルーツは薬剤師のケイレブ・ブラッドハムがペプシコーラのオリジナルレシピを開発した1898年にさかのぼります。
このときに開発されたペプシ・コーラは現在も同社の主力製品であり、世界で最も認知度の高いブランドとロゴの一つです。主なブランドには、ペプシ、ゲータレード、ドリトス、ラッフルズなどがあります。
スナック菓子や炭酸飲料などの製品は、非常に高い利益率を誇ります。
2021年の時点で、ペプシコは世界200カ国以上で製品を販売しており、2020年に10億ドル以上の売上高を記録した23種類のブランドを中心とした印象的なポートフォリオを持っています。
自社ブランドに加え、スターバックスをはじめとするほかの企業との提携やジョイント・ベンチャーを通じて、ほかのブランドの製品の製造や流通も手掛けています。
[SAFM/NASDAQ]サンダーソン・ファームズ
https://www.sandersonfarms.com
鶏肉製品の生産、加工、販売、流通をおこなう、米国では第3位の鶏肉加工会社です。
販売先には、サンダーソン農場ブランドで米国の小売業者、卸売業者、カジュアルダイニング業者などがあり、チルド、冷蔵、バルク包装、まるごと冷凍された鶏肉、切り身鶏肉や骨なし鶏肉を提供しています。
売上高の大部分は、米国南東部、南西部、北東部、西部地域から生み出されています。
2020年の売上高に占める輸出の割合は8.5%で、東・東南アジアでの売上は、2019年の6%から2020年に17%まで拡大しており、世界最大級の市場で同社が急速にシェアを伸ばしていることを意味します。
同社は負債による資金調達が比較的少ないにもかかわらず、同業他社に比べて高いROEを生み出しています。
生産量を増やすための複合施設の建設が着実に進んでいること、またその複合施設を必要とする需要が常に急増しているため成長見通しが非常に高くなっており、唯一の懸念材料は生産能力です。
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≪参考≫
https://diamond.jp/zai/articles/-/186585
https://money-stock.net/financial-products/us-dailynecessities/
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