今回はiシェアーズ好配当株ETF<DVY>を解説します。DVYの構成銘柄は2021年12月8日地点では101銘柄の代表的米国株銘柄で構成されています。比較的高配当の銘柄が多く組み込まれています。
過去5年間で配当を支払い、配当金が減額されず継続的に支払われていることが条件です。このETFはダウジョーンズUSセレクトデビデンドインデックスと連携したパフォーマンスを期待するETFとなっています。
ポートフォリオ特性
- 株価収益率(PER)18.54(2021年12月8日現在)
- 株価純資産倍率(PBR)2.14(2021年12月8日現在)
- トータルリターン 27.5%(2021年12月8日現在)
- 経費率 0.38%
構成銘柄の上位10位
- ONE OK INC. 2.74%
- ALTRIA GROUP INC 2.10%
- PFIZER INC 1.97%
- PPL COPR 1.94%
- EXXON MOBILE CORP 1.86%
- PROUDENCIAL FINANCIAL INC 1.74%
- AT&T INC. 1.66%
- EDISON INTERNATIONAL. 1.62%
- CHEVRON CORP. 1.58%
上位10銘柄でも割合が非常に低く分散が細かくされています。
構成セクター割合
- 公益事業 26.57%
- 金融 23.11%
- エネルギー 9%
- 生活必需品 8.15%
- 素材 6.67%
- 通信 6.53%
- 情報技術 6.1%
- 一般消費/サービス 5.09%
- ヘルスケア 4.48%
- 資本財/サービス 4.01%
公共事業割合が26.57%と大きいところが、DVYの一番の特徴と言えます。
他ETFとの比較では、ヴァンガード・ハイデビデンドETF<VYM>の公共事業セクター割合が8%、SPDR S&P500ETFの公益事業事業セクターが11%となっています。
公益事業とは電気、ガス、水道などの生活に欠かせないインフラ事業のことを指し、景気に影響されにくい性質があります。こういった公益事業はすでに成長しきっているため、今後大きく成長することはありませんが、言い換えれば、不況に強く、安定しているセクターとなります。
サステナビリティー特性
サステナブル投資はESG投資と言われており、最近よく耳にすることが多くなりました。ESGとはE:環境、S:社会、G:企業統治を意味します。
現代では将来を織り込む株式市場において切り離すことのできない要素となりつつあります。そして多くの投資家はサステナブルへ選考志向が高まり、自身のポートフォリへ組み込み、以前からの大手ファンドよりサステナブル志向の企業への積極的な投資が目立ってきているようです。
サステナブル投資は300%の成長が期待されており、DVYを設定しているブラックロック社ではそれぞれの企業をサステナブルスクリーニングを毎年行い、ESG基準に基づき構成銘柄を選定します。
(参考;isahres by blackRock)
リスク要因について
新型コロナの影響で大きく一気に下落した後、S&P500比較で回復が遅れています。構成銘柄にハイテク株の比率が少なく回復力が追いついていません。
また金融セクターの比率が高いことから、コロナ後も厳しい状態が続き、S&P500との差が目立ちます。
回復後の安定は見込めるものの、公益事業セクター比率が大きくそれほどの成長は見込めません。長期投資で安定配当金を狙うのであれば、タイミングをみて投資を始めると長期で利益は狙えるでしょう。
まとめ:iシェアーズ好配当株ETFは堅実な投資に最適

投資で利益を得るにはキャピタルゲインとインカムゲインの2種類ありますが、iシェアーズ好配当株ETFは公共事業の構成セクターが高いため安定した配当得るのに最適な投資方法といえます。
近年ではサステナブル投資の思考が高まっており今後の成長も期待できます。
とはいえ公共事業セクターのため大きく株価が上昇するとは考えにくいでしょう。
しかし裏を返せばインフラである以上需要がなくならないといえます。したがって短期的な株価の上昇で儲けるのは難しいでしょう。
むしろ長期的で安定した配当を目的とした堅実投資をしたいならiシェアーズ好配当株ETFは最適な投資先です。



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