ロビンフッドのIPO「不調」にみる供給過剰という問題

アメリカ現地時間の2021年7月29日、鳴り物入りでデビューを果たしたロビンフッド・マーケッツ(Robinhood Markets, NASDAQ:HOOD)の株がIPO当日に一時12%も下落し、多くの投資家を失望させました。結局IPO価格の38ドルから8%安い34.82ドルで初日の取引を終えたロビンフッドのパフォーマンスの背景には、一体何があったのでしょうか。

IPOの供給過剰

多くの関係者が指摘するのがアメリカ株式市場におけるIPOの供給過剰問題です。昨年2020年には218社の企業がIPOを果たしましたが、今年2021年は、現時点で既に261社がIPOを果たしています。これは、過去十年間で最大であった2014年の275社に迫る勢いです。資金調達額も1000億ドル(約11兆円)を超えており、ITバブル期の2000年頃のスケールに達しています。

なお、現在ブームと呼ぶべき状態となっているSPAC(特別買収目的会社)によるIPOは、上の数字に含まれていません。今年2021年ではすでに387社のSPACが上場を果たしており、昨年の248社を既に大きく上回っています。SPACによる資金調達額も1000億ドル規模に達しています。

IPO価格の値下げや、IPOを遅らせるケースも

IPOの供給過剰を受け、IPO価格を値下げしたり、IPOを遅らせるケースも出てきています。青果生産大手のドールは、ニューヨーク証券取引所への再IPO直前の7月28日にIPO仮条件レンジを引き下げ、IPO価格を16ドルとしていました。しかし、IPO当日の30日の取引では、ドールの株は9%値下がりして取引を終えました。

ブルックフィールド・アセットマネジメントが保有する自動車バッテリーメーカーのクラリオス・インターナショナル(Clarios International)と、広告テクノロジー企業のティーズ(Teads)も、マーケットのボラティリティを理由にIPOを延期しています。ティーズは当初、総額50億ドル(約5500億円)の時価総額でIPOにより8億8500万ドル(約889億3500万円)を調達する予定でしたが、現在の市場環境では難しいと判断した模様です。

ルネッサンス・キャピタルIPO指数も低迷

アメリカのIPO銘柄を中心にインデックス化しているルネッサンス・キャピタルIPO指数も、ここのところ低迷し続けています。S&P500指数がこの一年間で20%程度上昇している一方での低迷は、アメリカのIPO銘柄のパフォーマンスが総じて良くないことを示しています。IPO銘柄というだけで無条件に値上がりが期待できる環境ではないと言えるでしょう。

どんな市場もそうですが、価格は基本的に需要と供給のバランスで決まります。IPOの供給過剰が恒常化しつつある現時点においては、投資判断をより慎重に行う必要があるのは言うまでもありません。

(参照サイト)
https://www.reuters.com/breakingviews/us-ipo-market-hits-oversupply-problem-2021-07-30/
https://www.barrons.com/articles/robinhood-ipo-stock-price-51627518793
https://www.reuters.com/article/us-clarios-ipo-idUSKBN2EZ21P

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