シリーズ「脱炭素社会」第1回|「3000兆円の巨大市場」

温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「脱炭素社会」。菅総理大臣が所信表明演説で、2050年までに目指すとした脱炭素社会の実現に向け、各産業界はどのような動きを始めているのでしょうか。世界全体で3000兆円にも達するとされる巨大な「脱炭素社会」「環境関連」市場につき、具体的な事例とともにシリーズでお伝えします。

起点は2015年のパリ協定

「脱炭素社会」、英語で「カーボン・ニュートラル」(Carbon neutral)という言葉が本格的に使われるようになった起点は2015年12月に開催されたパリ協定でしょう。国際社会全体で地球温暖化対策を進めるための条約には世界200カ国が合意し、世界全体で2050年までの脱炭素化社会の実現を目指しています。パリ協定により、脱炭素社会の実現が世界共通の目標となりましたが、経済やビジネスには、どのような影響を与えているのでしょうか。

一番の標的は「輸送関連」

ところで、2018年の1年間で5.41ギガトンの温室効果ガスを排出した世界第二の排出大国アメリカで、最も多くの温室効果ガスを排出した産業セクターは何でしょうか。答は、全体の28.2%を排出した「輸送」です。「輸送」には、化石燃料を消費する自動車、トラック、船舶、鉄道、航空機などが含まれます。ガソリン、ディーゼル、重油、航空機燃料などが消費され、結果的に膨大な量の温室効果ガスを排出しているのです。

輸送セクターでの注目株はEV

温室効果ガス排出の「A級戦犯」とされている輸送セクターですが、中での注目株は何といってもEV(電気自動車)でしょう。マーケッツ・アンド・マーケッツのレポートによると、ある調査会社では2019年の一年間で327万台だった全世界のEV販売台数が、今後年率21.1%増加し、2030年までに2695万台にまで増加すると予想しています。アメリカでは、多くの州政府がEVの購入に補助金や減税制度などを提供しており、カリフォルニア州やテキサス州などの州では、今後10年で相当程度普及すると見込まれています。

EVに対する旺盛な需要を受け、アメリカでは現在、テスラモーターズを始め、
日産、GM、アウディ、BMW、ポルシェなどのメーカーがEVを販売しています。中でもテスラのシェアは圧倒的で、2020年前半期にアメリカで販売されたEVの82.3%がテスラ製でした。テスラは、中国上海工場も稼働を開始しており、50万台だった2020年の販売台数を、今年さらに伸ばす可能性があります。

EVの普及状況は、「脱炭素社会」の実現可能性を示すバロメーターのように使われる可能性があります。世界最大の温室効果ガス排出国中国でも、国策としてEVの普及が謳われていて、実際に世界で販売されるEVの半分は中国で販売されています。中国には500社以上のEVメーカーが存在しているとされ、一部が経営破綻するなど、淘汰の動きが始まっているようです。中国におけるEVの普及や利用状況なども注目する必要がありそうです。

(参照サイト)
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/4348.html
https://www.epa.gov/ghgemissions/sources-greenhouse-gas-emissions

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