BYDが伊藤忠商事などと共同でEV車載電池のリサイクル事業を開始

EV(電気自動車)の世界的な普及が進む中、車両の廃棄などによる使用済み車載電池の処理が問題になりつつあります。特に、EVの販売が急増し、「EVバブル」を迎えているとされる中国で問題が顕在化しつつあります。そうした中、中国のEVメーカーのBYDが、日本の伊藤忠商事などと共同でEV車載電池のリサイクル事業を開始し、注目を集めています。BYDと、車載電池のリサイクル事業をご紹介します。

BYDというEVメーカー

BYDは、1995年に中国人起業家王伝福(ワン・チュアンフー)氏が設立したEVメーカーです。もともとは携帯電話用リチウムイオン電池のメーカーでしたが、2003年にEVづくりに参入、これまでに乗用車EVに加え、電気バス、電気モーターバイク、電気フォークリフトなどの各種のEVを製造しています。EVメーカーとしては、アメリカのテスラ、ドイツのフォルクスワーゲンに次いで世界三位となっています(2020年度の販売台数)。なお、BYDとは、Build Your Dreamsの略語です。

車載電池のリサイクル事業

全世界の半分のEVが販売されている中国では現在、使用済み車載電池の処理が問題になりつつあります。特に、中国政府がEVの導入を政策的に促し始めたとされる2012年頃に販売されたEVが「寿命」を迎え、こぞって退役すると予想されています。なお、2020年一年でリサイクルなどの処理が必要な車載電池の数量は、中国だけで20万トンに達します。

BYDの発表によると、BYDは中国各地のディーラーを通じてEV、電気バス、電気タクシーなどの車載電池を回収し、ベンチャー企業の深センパンドパワー社へ輸送、同社がコンテナ型定置用蓄電池へリサイクルします。20フィートサイズのコンテナ型定置用蓄電池は、一時間当たり1000キロワットの出力が可能で、一般的な住宅100件が一日利用可能な容量です。

販売は伊藤忠商事が担当

なお、コンテナ型定置用蓄電池の販売は、日本の伊藤忠商事が担当します。伊藤忠商事のプレスリリースによると、同社は、「これまで培った定置用蓄電池ビジネスの知見を活かし、リユース電池を活用したコンテナ型定置用蓄電池をベースに、電力変動の調整弁や電力過疎地でのマイクログリッド化等新たな市場領域へ競争力のあるエネルギーサービスの提供を図る」としています。

伊藤忠商事では、今年4月から日本国内の工場でバックアップ用電源としてコンテナ型定置用蓄電池のテスト運用を開始するとしています。また、当初はオーストラリアと南西アジアの市場を開拓し、日本や欧米市場へ拡大するとしています。BYDのEV車載電池を「原料」としたコンテナ型定置用蓄電池が、世界各地の電力不足問題を解決する、新たなビッグビジネスになりそうです。

(参照サイト)
https://asia.nikkei.com/Business/Technology/BYD-s-EV-battery-recycling-goes-global-with-Itochu
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60624

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