5月に株を売るのが正解?米国株式市場のアノマリー

投資の世界には様々なアノマリーが存在しています。アノマリーとは、理論では説明できないものの過去の経験則から観測された規則性のことです。確実にその通りになるというわけではないものの、株式投資をするにあたっては覚えておくといい場面も多くあります。そこで今回は、米国株の代表的なアノマリーを紹介します。

目次

季節性のアノマリー

季節性のアノマリーをみてみると、1年の前半は「上昇」、5月以降は「下落」するアノマリーが多くなっています。

January Effect(1月効果)

1月は株価が上がりやすい傾向があります。その背景に、投資信託などを運用しているファンドマネージャーが、年末に運用している投資信託などのポートフォリオ点検をおこなうことにあるといわれてます。

ファンドのパフォーマンスがベンチマークにしている指数に負けている場合、ポートフォリオの見栄えをよくするためにパフォーマンスが悪い銘柄を年内に売却し、上昇している銘柄に買い替えするのです。そして、年末に売却した銘柄を年が明けると買いもどすため、1月には株価が上がるのです。

ほかに、兼業投資家が年末にもらったボーナスの使い道として、年末にじっくり選んだ銘柄を年が明けてから買うという説もあります。

Sell in May (5月に株を売れ)

日本では「5月は売られて株が下がる」と理解されることも多いアノマリーですが、じつは少し違います。「Sell in May」には続きがあって、全文は「Sell in May and go away, don’ t come back until St Leger day」となっています。日本語に訳すと「5月に株を売り、セントレジャー・デイ(9月第2土曜日)まで戻ってくるな」です。つまり、株価が比較的高い5月のうちに株を売って、9月上旬の安いときに変えという意味になります。

セントレジャーとは、18世紀のスポーツ愛好家のアンソニー・セントレジャー陸軍中将が始めたといわれる競馬の競争のイベントのこと。一方で、5月以降に株価が下がる背景として、ヘッジファンドの決算が集中すること、季節要因で米国の経済指標が弱く出やすいこと、また投資家が夏休みに入って相場が閑散しやすいなどがいわれているものの、もっとも有名な株のアノマリーでありながらその背景はあいまいです。

ハロウィン効果

9月と10月は大きく下落することが多く、特に10月末にかけて株式が安くなるというアノマリーです。こちらもヘッジファンドの決算に絡んで安くなるという説があるものの、有力な根拠はありません。

しかし、1929年10月の世界大恐慌、1987年10月19日に発生したブラックマンデーなど、9月・10月は実際に歴史的な下落が多く発生しています。投資家にこのイメージが強く植えつけられているため、それを警戒した売りが出てマーケットが下落しやすくなっている可能性もあります。

そのほか9月・10月の暴落

・1998年10月 ロシア危機の影響でヘッジファンドLTCM破綻

・2001年9月11日 NY同時多発テロ

・2008年9月 リーマンブラザーズ破綻(リーマンショック)

・2011年9月・10月 欧州債務危機

・2015年9月 チャイナショック

タックス・ロス・セリング(11月~12月の節税対策売り)

株式の損益の税金は12月末時点で決定するため、含み損が発生している株式の損失を確定する動きが増えることで株価に下落圧力がかかるというアノマリーです。

損失を確定させた銘柄を引き続き保有したい場合は、翌日以降に買戻すことが可能です。米国人の所得税にまつわる売買行動としては、11月~12月が損出しにより売り優勢、2月~4月が還付金で買い優勢となります。

イベントにまつわるアノマリー

季節のほかに、大きなイベントにも株価は影響を受けます。

大統領選挙の年は株高、ドル高になる

米国では、大統領が非常に強い権力を有するため、米国大統領選挙は株価に大きな影響を持ちます。そこで、現役の大統領が継続当選するため、次々と株価を上げる施策を打ち出し、選挙前年は株価上昇傾向にあるといわれるアノマリーです。直近では2020年11月に大統領選がありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が広がる以前まで2019年の株価はたしかに大きく上昇しています。当時、現役大統領のトランプ氏のTwitter等での発言も大きな注目を集めていました。

もう少し長い目で見ると、中間選挙の年を底に大統領選挙の年に向かって上昇する傾向にあります。米国株高になれば、米国株式に資本が集まることになるので、ドル高要因になるわけです。

Super Bowl Indicator (スーパーボール指標)

米スーパーボールとは、アメリカンフットボールの年間チャンピオンを決定するアメリカ最大規模のスポーツイベント。この試合で、旧アメリカン・フットボール・リーグが勝ったその年の株価は下がり、旧ナショナル・フットボール・リーグチームが勝つ株価が上がるといわれるアノマリーです。

このスーパーボール指標は1970年から1997年までの27年間は85%の確率で当たったそうだが、1998年以降は48%まで確率が下がっています。

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《参考》
https://media.monex.co.jp/articles/-/12755
https://finance-gfp.com/?p=8229
http://w73t.com/anomaly/
https://www.ifinance.ne.jp/glossary/stock/sto294.html

まとめ:アノマリーについてしっかり知っておこう!

今回は株式投資の代表的なアノマリーについて紹介しました。株式投資の世界にはさまざまなアノマリーがあるので是非覚えておきましょう。ただし、アノマリーは絶対ではないので参考程度にしてください。

また、投資においては「何で運用をするか」は非常に重要です。手軽に分散投資ができるファンドを使うのも良いでしょう。おすすめは安定かつ高い運用パフォーマンスを誇り、ネットで少額から始められるGOファンドです。GOファンドは運用者の顔も見えるので安心感もあるので是非検討してみてはいかがでしょうか?

大事なお金を運用するからには安心できるファンドを選びたいものです。

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