バフェットが日本の総合商社に投資!?その目的とは

史上最強の投資家ウォーレン・バフェットが90歳の誕生日を迎えた2020年8月30日、バフェットは伊藤忠、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事の5社の日本の総合商社に投資したと発表し、話題を集めました。

2016年からAppleの株を買い始め、現時点までに投資ポートフォリオ全体の44.18%まで買い増しているバフェットですが、一方で日本の総合商社の株という、ある種オールドファッションの銘柄に投資を行っていたのです。バフェットが日本の総合商社に投資した理由は何なのでしょうか。

目次

日本の総合商社へ62億5千万ドルを投資

90歳の誕生日を迎えたある日曜日、ウォーレン・バフェットは伊藤忠、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事の5社の日本の総合商社に投資したと発表しました。取得株式数はいずれも発行済み株式の5%程度で、東京証券取引所を通じて取得したコストは62億5千万ドル(6563億円)程度だったそうです。なお、この投資はバークシャー・ハサウェイが行った日本国内での投資としては過去最大規模とされています。

「日本の総合商社と未来を共有できることを嬉しく思う」という前向きなコメントを残したバフェットは、なぜ日本の総合商社に投資したのでしょうか。

火のついたタバコの吸い殻アプローチ

バフェットが日本の総合商社に投資したというニュースは、欧米でもある種の驚きをもって報じられています。「自分が知らない、理解できない業界には投資しない」ことで知られるバフェットが、ビジネス構造が複雑で多様多種な、いうなれば何をやっているのかよくわからない日本の総合商社に投資したことが驚きだったのです。投資した理由を聞かれたバフェットは、次のように答えています。

「これは『火のついたタバコの吸い殻アプローチ』とでも呼ぶべき投資だ。どこかにタバコの吸い殻が落ちていないかと路上を捜し歩く。さんざん探した上、ようやく火のついたタバコの吸い殻を見つける。見た目は悪く気持ち悪いが、それでも最後の一服を味わうことが出来る。しかも無料だ」

日本の総合商社を「火のついたタバコの吸い殻」に例えたバフェットは、日本の総合商社の株価が割安であると判断したのは間違いないでしょう。確かに、日本の総合商社の株は近年、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)のいずれにおいても割安の水準で推移しています。

「資源株」としての日本の総合商社

また、ある専門家は、日本の総合商社のビジネスはエネルギー産業の比重が高く、総じて「資源株」としてバフェットに評価されたと指摘しています。新型コロナウィルスのパンデミック収束後に世界的なインフレーションが進む可能性が指摘されていますが、インフレーションで資源株が価格上昇の恩恵を受ける可能性があります。バフェットは、伝統的にエネルギー産業などの「資源株」へ好んで投資してきており、「資源株」としての日本の総合商社が彼の目に魅力的に映った可能性があります。

総合商社のビジネスとのシナジー効果も

 さらにバフェットは、「日本の総合商社は世界中で数多くのジョイントベンチャーを保有しており、今後さらなるパートナーシップが生まれる可能性がある。未来が(バークシャー・ハサウェイが投資している企業と)相互に利益を生み出すものになることを願っている」ともコメントしています。バークシャー・ハサウェイは90社以上の会社に投資していますが、それらの会社と日本の総合商社が展開している各種のビジネスとのシナジー効果が生まれることを期待しているのでしょう。

また、日本の総合商社は総じて「ミニ・バークシャー・ハサウェイ」のようなもので、バフェットにとっては理解しやすかったとする専門家もいます。

アメリカ一極集中のポートフォリオを分散か

また、ある専門家は、バフェットが投資におけるアメリカ一極集中を避け、ポートフォリオを分散し始めた可能性があると指摘しています。バークシャー・ハサウェイが投資している企業は、一部の例外を除いてほとんどがアメリカ企業です。投資ポートフォリオの上位10社はすべてアメリカ企業で、1位の投資先Appleと2位の投資先バンク・オブ・アメリカ2社だけで半分以上のシェアを占めます。世界的なドル安のトレンドの中、バフェットが海外企業への投資に魅力を感じ始めた可能性があります。

さらに、バフェットが投資先に日本を選んだ理由として、日本のカントリーリスクを評価したからだと指摘する専門家もいます。日本企業特に上場している大企業の多くはガバナンスやコンプライアンスなどの健全性が欧米水準で、比較的安全に投資できます。また、日本の低金利はそのまま低資金調達コストにつながり、投資環境をさらに円滑にしています。

バークシャー・ハサウェイは、今後も日本の総合商社への投資を続け、最大で各社の発行済み株式の9.9%程度まで買い増す可能性があると発表しています。ウォーレン・バフェットが今後どこまで日本の総合商社の株を買い増すのか、バークシャー・ハサウェイの投資先企業とどのようなパートナーシップが生まれるのか、オマハの賢人の一挙手一投足を世界が見守っています。

まとめ:バフェットから見ても日本の総合商社には魅力あり

バフェットが日本の総合商社へ投資したのは、割安であると判断されたことが大きな要因と考えられます。また、バフェットが好む資源関連銘柄であることも大きいでしょう。

今後、バフェットはさらに米国以外の国へも投資を広げる可能性があり、彼の投資先に注目です。

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(参照サイト)

https://www.economist.com/business/2020/09/26/what-warren-buffett-sees-in-japan-inc

https://markets.businessinsider.com/news/stocks/why-warren-buffett-berkshire-hathaway-7-billion-5-japanese-stocks-2020-9-1029555556

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