ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの2014年度年次総会で、バフェットは自分に万が一のことがあった場合の妻への遺言めいたコメントを残しています。二番目の妻であるアストリッド・メンクスにバフェットが残した投資上のアドバイスとは、いったいどのようなものだったのでしょうか。
ウォーレン・バフェットの妻、アストリッド・メンクス
ウォーレン・バフェットの妻、アストリッド・メンクスはバフェットの二番目の妻です。バフェットは1952年に最初の妻スーザン・トンプソンと結婚し、三人の子供をもうけましたが、仕事中毒のバフェットとスーザンは反りが合わず、1977年に二人は別居してしまいます。
別居してバフェットを一人にするのが忍びなかったのか、スーザンは職場の同僚でウェイトレスのアストリッドをバフェットに紹介。気が合ったバフェットとアストリッドは直ちに同居生活を始めます。以後2004年にスーザンが亡くなるまで、バフェットはスーザンと離婚せず奇妙な三角関係を続けることになります。スーザン死去の二年後の2006年に二人は正式に結婚し、夫婦となっています。
バフェットが妻に残したアドバイスとは?
では、バフェットはアストリッドにどのようなアドバイスを残したのでしょうか。年次報告書にバフェットは次のように記しています。
「妻に残す資金のうち、10%は米国短期国債に、90%は低コストのインデックスファンドに投資すること。おすすめはS&P500インデックスファンドだ」
いたってシンプルなアドバイスですが、このアドバイスに従うことで、特に長期投資を行う上で、ペンションファンド、機関投資家、高給取りのファンドマネージャーの、すべてのパフォーマンスを凌駕することが出来るとバフェットは説明しています。バフェットはまた、インデックスファンドの中でも特にバンガードのS&P500インデックスファンドが、低コストを理由におすすめであると述べています。
インデックスファンドとは何か?
では、バフェットが勧めているインデックスファンドとは何でしょうか。インデックスファンド(Index fund)とは、S&P(Standard and Poor’s)500、ダウジョーンズ平均株価、ナスダック総合指数などの株価指数(インデックス)と連動するタイプのミューチュアルファンドまたはETF(Exchange Traded Fund)のことです。それぞれのインデックスと数値が近づくよう、それぞれのインデックスを構成している企業の株や債券などでポートフォリオを構成しています。
ETFは上場されていて、リアルタイムで売買できる、信託報酬が安いといったメリットがあります。バフェットは「低コストの」S&P500インデックスファンドを、それもバンガードのインデックスファンドを買うようアドバイスしているので、間違いなくバンガードのS&P500ETFを買うよう勧めるはずです。
S&P500とは何か?
ところで、S&P500とは何でしょうか。S&P500とは、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズがアメリカの時価総額上位500銘柄を時価総額順で加重して算出した指数です。時価総額が大きい順に並んでいるので、大企業が比較的上位に組み込まれます。スタンダード・アンド・プアーズは、上位10社を公開していますので、内容を見てみましょう(数字はインデックスにおけるウェイト)。
1. Apple(6.5%)
2. マイクロソフト(5.7%)
3. Amazon(4.8%)
4. Facebook(2.3%)
5. アルファベット(Google持株会社)クラスAシェア(1.8%)
6. アルファベット(Google持株会社)クラスCシェア(1.8%)
7. バークシャー・ハサウェイ(1.5%)
8. ジョンソンエンドジョンソン(1.3%)
9. プロクターアンドギャンブル(1.3%)
10. Nvidia(1.1%)
(Nvidiaはグラフィックス・プロセッシング・ユニットのメーカー)
7位にバフェットのバークシャー・ハサウェイがランクインしているのが興味深いところです。また、1位がAppleなのと、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオにおけるシェア1位がAppleなのは、単なる偶然の一致ではないでしょう。
なぜS&P500インデックスファンドなのか?
では、数あるインデックスファンドの中で、バフェットはなぜS&P500インデックスファンドを勧めるのでしょうか。上に紹介したS&P500の上位10社を見るとわかりますが、S&P500は、現在のアメリカの経済を牽引するリーディングカンパニーによって構成されています。つまり、現時点のアメリカにおける最強の企業によって構成されており、時価総額の増減においてプレーヤーが入れ替わることで、コーポレートアメリカの縮図を常にアップデートすることが出来るからです。
バフェットは、これまでに行ってきた投資のほとんどをアメリカ企業に対して行ってきています。自分が死んだ後も、S&P500が象徴するコーポレートアメリカは当面安泰であり、将来にわたって成長を続けると確信しているのでしょう。
実際に多くの経済学者がアメリカは今後も一定の成長率を維持したまま成長を続け、世界最強国の地位を維持すると予想しています。アメリカという大国に生まれ、11歳の時からアメリカに投資し続けてきたバフェットは、妻にもアメリカへ投資し続けるよう促しているのでしょう。
まとめ:バフェットが妻に勧めたのは米国への投資だった
バフェットが自分の死後に投資すべき対象として妻に勧めたのは、米国の短期国債とインデックスファンドでした。
特にインデックスファンドについてはS&P500のファンドを勧めており、バフェットがS&P500に占める企業が今後も安定して米国株式市場をけん引していくという予測が見てとれます。
とはいえ、自分で米国市場の先を見通すのは難しいと感じる人もいるのではないでしょうか。当サイトでは「GOファンド」という少額から投資可能なファンドをおすすめしています。
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(参照サイト)
https://www.ft.com/content/0fdc605a-a53d-11e3-8988-00144feab7de
https://www.theguardian.com/world/2006/sep/02/usa.andrewclark



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