ヘッジファンドとは? 歴史や投資戦略、そもそも手を出すべきかを解説

資産運用のメディアに目を通していると度々、「ヘッジファンド」という用語を目にするのではないでしょうか。

  • ヘッジファンドと聞くと一部の富裕層だけが投資できる
  • 有名な投機家が運用している?
  • 世界経済の裏で暗躍している謎の組織?
  • よく分からないけど凄く儲かりそう

など、人それぞれ様々なイメージをお持ちだと思います。一般的な人が考えるヘッジファンドのイメージは正しいところも、少し実態と違うところもあります。

結論から言えば一般的な個人投資家がヘッジファンドと関わるケースはほとんどありません。そして、ヘッジファンドを万一、購入できたから有利な資産運用ができるとも限りません。しかし、ヘッジファンドの概要を知ることで、ヘッジファンドに対する幻想や誤解がなくなります。本記事ではヘッジファンドの概要をご紹介します。

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目次

ヘッジファンドってそもそも何?

ヘッジファンドには様々な定義があります。例えば「様々な取引手法を用いて上げ相場でも下げ相場でも、利益を追求したファンド」という旨の説明が一般的にされています。ただ、ヘッジファンドの明確な定義づけは非常に曖昧で困難です。

平成17年の『ヘッジファンド調査の概要とヘッジファンドをめぐる論点』という金融庁がまとめたレポートでは、ヘッジファンドを以下のように定義しています。

ヘッジファンドは、一般に私募、超富裕層向け、レバレッジ、多額のリスク、成功報酬等の要素を持つファンドと考えられているが、現状、ヘッジファンドの明確な定義はない。

今回、当庁が行ったヘッジファンド調査では、いわゆるヘッジファンドの実態を広く把握するため、ヘッジファンドを①レバレッジの活用、②成功報酬の徴収、③ヘッジファンド投資戦略の3要素を有するファンド(ファンズ・オブ・ヘッジファンズを含む)と定義した。

3要素とは①投資戦略の自由度が高いこと、②絶対リターン追求型の投資手法をとること、③投資マネージャーの報酬体系が業績連動型であること

実はヘッジファンドという言葉だけが明確な定義がないまま、一人歩きしているというのが実情です。日本の金融庁の解釈に従えば、ヘッジファンドは

  • レバレッジを活用している
  • 成功報酬を徴収している
  • 三つの要素(自由な運用、上げ相場下げ相場関係なしの絶対リターン追求、成功報酬が歩合制)

のファンドと理解しておけば十分ではないでしょうか。

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ヘッジファンドの特徴

ヘッジファンドという定義自体が曖昧ですが、特徴は以下の通りです。

  • 上げ相場でも下げ相場でも絶対リターンを追求
  • 多くが私募投信に分類される
  • オルタナティブ投資に分類される
  • 手数料が歩合制

上げ相場でも下げ相場でも絶対リターンを追求

ヘッジファンドの特徴としてよく挙げられるのが絶対リターンの追求です。多くのファンドがS&P500や日経平均などの指数のパフォーマンスを基準に運用されています。インデックスファンドなら指数に連動を目指しますし、アクティブファンドなら指数を上回る成績を目指します。人気のブルベアファンドも指数の倍を値動き、逆の値動きをするなど指数を基準としていることに変わりはありません。

一方でヘッジファンドは上げ相場も下げ相場も関係なく様々な投資手法を用いることで、指数の上下に関係なく
利益を出すことを追求します。

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多くが私募投信に分類される

ファンドは公募ファンドと私募ファンドに分けることができます。公募ファンドは広く一般の投資家を募集するタイプのファンドです。

一方、私募ファンドは、「2名以上50名未満の人を相手方として勧誘する」ファンドです。公募ファンドは広告などを出せるため多くの人の目に触れやすいのですが、私募ファンドは広告などの宣伝をしないで募集します。ヘッジファンドは私募ファンドであることが多いため、一般の個人投資家の目に触れづらい投資対象と言えます。

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オルタナティブ投資に分類される

オルタナティブとは「代替」、「代わり」という意味です。一方、上場されている株式や債券などは伝統的資産と言われています。ヘッジファンドへの投資は、オルタナティブ投資に分類されます。日本株や米国株、国債などへの投資とは区別されています。

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手数料が歩合制

多くのヘッジファンドは利益が出れば出るほど運用者の報酬に還元される歩合制をとっています。そのため、運用者が絶対リターンを追求しようとする仕組みが備わっているといえます。どんな運用をしても給与が一定のファンドだと無難な運用をしようとしまいがちです。しかし、歩合ならば運用者も絶対リターンを追求するインセンティブがあります。

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ヘッジファンドの誕生と歴史

ヘッジファンドは投資の世界で、様々な歴史や爪あと、教訓を残しています。

ヘッジファンドの誕生

ヘッジファンドの生みの親はアルフレッド・ジョーンズというオーストラリア人だと言われています。アルフレッド・ジョーンズは元々、投資銀行などの出ではなく、『フォーチュン誌』で金融とは関係のない記事を書いている記者でした。当時の金融業界の常識に染まっていなかったという背景がありました。

アルフレッド・ジョーンズは『フォーチュン誌』のマーケット記事のリサーチ中に、ヘッジファンドのアイデアを思いつきました。彼のアイデアはシンプルで値下がりする銘柄を借りて売る(空売り)、値上がりすると思われる投資対象は買い持ちすることで、市場が上げても下げても利益が出るというものでした。そして、1949年に、アルフレッド・ジョーンズが立ち上げた初のヘッジファンドは成功をおさめました。

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クォンタムファンドとジョージ・ソロス

その後、ヘッジファンドは次々に生まれました。その中でも特に有名なのが、に冒険投資家ジム・ロジャーズとハンガリー出身の投機家ジョージ・ソロスが立ち上げたクォンタム・ファンドです。1973年に運用を開始したクォンタム・ファンドは10年で約40倍以上の運用成績を納めたと言われています。一方、すべてのヘッジファンドが成功を納めた訳ではなく消えていったファンドもありました。

その後、ジョージ・ソロスはジム・ロジャーズと袂を分ちましたが、ヘッジファンド史上で歴史的な出来事の主役になりました。ジョージ・ソロスは1992年、当時の英国は景気が悪いにも関わらずポンドが高すぎると考え大規模なポンド売りを仕掛けました。

イングランド銀行はポンドを買い支え、1日に2度の金利引き上げという強硬手段をとるも、イングランド銀行の外貨は底をつき破綻。ヘッジファンドが国家を敗北に追い込んだという歴史的な出来事になりました。ヘッジファンド全盛の時代の象徴でした。

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LTCMの破綻

そして、94年にはLTCMというノーベル経済学賞受賞者を集め、高度な金融工学を駆使する、正にドリームチームが誕生。LTCMは設立当初、好成績をあげていました。

しかし、高度な確率論の裏打ちされた投資戦略が、100万年に3回しか起こり得ないはずのロシアの短期国債デフォルトによって破綻してしまいました。無敵のヘッジファンドが予測できないリスクに足元をすくわれてしまったこの話は、ブラックスワンの象徴的な出来事として記憶されています。ブラックスワンとは、マーケットにおいて事前にほとんど予想できず、起きたときの衝撃が大きい事象のことです。

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ヘッジファンドの投資戦略

ヘッジファンドが用いる投資戦略は様々ですが、代表的な投資戦略は以下の通りです。

投資戦略名概要
ロングショート割安のアセットを買い、割高なアセットを売る
アービトラージ金利差や価格差に注目して割安なアセットを買い、割高なアセットを売る
グローバル・マクロ世界中の経済や金融全般を分析し各国の通貨や株、コモディティの売り買いをする
イベント・ドリブン企業の合併や新商品開発などのイベントに乗じ、アセットを買ったり売ったりする
レラティブ・バリュー株式、債券、通貨、商品などの買いと売りを組み合わせることで生じる価格差から 収益を生み出す。

ヘッジファンドは複雑な投資戦略を組みます。投資対象も株や債券以外のデリバディブ取引なども駆使することで市況に左右されない絶対リターンを追求します。個人では実現が難しい運用もヘッジファンドを通して実現できることもあるでしょう。

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ヘッジファンドはどうやって買う?

ヘッジファンドは基本的に私募のため、公に募集されることがほとんどありません。また、何のコネも資産もないのに有力なヘッジファンドを買える話が来たら、本当に大丈夫なのか一考してみることをおすすめします。ただ、ヘッジファンドを買う方法が全くないというわけではありません。

個人投資家がヘッジファンドを買う方法は大きく分けて3つあります。

・国内の金融機関から買う
・プライベートバンクから買う
・投資助言会社やIFA経由で買う

ヘッジファンドの中には公募で募集しているものや、資産家向けのプライベートバンク、投資助言会社やIFAなどから購入できることがあります。しかし、紹介されたヘッジファンドが本当に良いヘッジファンドかどうかは判断が難しいため、実際に購入する際は慎重になった方が良いでしょう。

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ヘッジファンドは個人投資家には手を出しづらい

そもそも、ヘッジファンドを買うには数千万円、数億円といった資産が必要で、私募のファンドを買える手立てが必要です。そのため多くの個人投資家がヘッジファンドを買う機会すらないというのが実情でしょう。

また、ヘッジファンドだから必ず儲かるというものではありません。そして、今ではETFや投資信託の種類も増え個人投資家でも様々な投資戦略を実現できるようになりました。無理にヘッジファンドを買わなくてもETFや投資信託の組み合わせで個人投資家でも今では、様々な戦略を組むことができます。

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まとめ

ヘッジファンドの定義や歴史、特徴などについて紹介しました。ヘッジファンドは多くの個人投資家にとって、あまり縁のないものでしょう。しかし、ヘッジファンドの概要を知ることで得られる知見もたくさんあるため、より深く知りたい方は専門の書籍などを手にとって勉強してみると良いかもしれません。

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