
現地時間の12月9日水曜日、ドアダッシュ(Doordash)【DASH】がニューヨーク証券取引所へ上場、長らく期待されていたIPOを果たしました。公開価格102ドルで始まった初日の取引で株価が高騰し、公開価格を80%上回る189.51ドルで取引を終えました。現地メディアのCNBCによると、ドアダッシュの時価総額は600億ドル(約6兆3000億円)に達したそうです。
スタンフォード大学の学生が立ち上げたドアダッシュ
ドアダッシュは2013年にトニー・シュー、エヴァン・ムーア、スタンレー・タン、アンディ・ファンの四人のスタンフォード大学の学生が立ち上げたスタートアップ企業です。設立当初の社名パロアルトデリバリー・ドットコムが示す通り、料理宅配プラットフォームを開発、飲食店に提供しています。
ドアダッシュのビジネスモデルはシンプルで、同社のプラットフォームを利用している飲食店から売上の20%程度をトランザクションフィーとして徴収しています。料理の配達はダッシャーと呼ばれる配達員が行います。配達員は配達した分をデリバリーフィートして受け取ります。ドアダッシュはまた、ダッシュパスというサブスクリプションサービスも提供しています。
新型コロナウィルスのパンデミックが追い風に
新型コロナウィルスのパンデミックが続くアメリカでは、今日までに11万店の飲食店が廃業するなど、飲食業が大きな影響を受けています。多くの州で飲食店の店内営業が制限され、デリバリーやテイクアウトでの営業を余儀なくされています。
一方、飲食店のデリバリー需要の拡大に合わせ、ドアダッシュの売上も大きく伸びています。アメリカの現地メディアは、アメリカで新型コロナウィルスのパンデミックが始まった今年2月以降、3月だけでドアダッシュの売上が前月から21%増加したと報じています。ドアダッシュの市場シェアは昨年4月から35%程度を維持しており、ライバルのグラブハブやUber Eatsを大きく引き離しています。
ゴーストキッチン事業も開始
ドアダッシュは、昨年からゴーストキッチン事業を本格的に開始し、競合企業からの差別化を図っています。ゴーストキッチンとは、飲食店経営者にキッチンスペースを貸し出すビジネスで、現在アメリカで急拡大しています。飲食店から家賃を徴収し、同時にデリバリーでトランザクションフィーを獲得する仕組です。
飲食店経営者は店舗開設の設備投資が必要なく、手軽に飲食ビジネスが開始できます。接客サービスもないので、人件費も必要ありません。ゴーストキッチンが、ドアダッシュのさらなる拡大のための新たな戦略的基盤になる可能性が高いでしょう。
(参照サイト)
https://www.inquirer.com/news/virus-doordash-grubhand-profits-competition-sales-20200427.html
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