米国株のインデックスファンドが人気です。気になっている方も多いのではないでしょうか。
投資関連の書籍や雑誌、SNSでも米国株のインデックスファンドはおすすめの投資先として、よく紹介されています。あなたの身近にも米国株のS&P500に連動したインデックスファンドに投資をしていると話す人もいるのではないでしょうか。
本記事では日本人投資家の間で人気がある米国株インデックスファンドの初心者が気になるポイントをまとめました。
- 米国株のインデックスファンドとは?
- 全世界株インデックスとの比較
- どこで買えるの?
- 投資するべきなのか?
- おすすめのインデックスファンドはどれなのか?
これらのポイントをそれぞれ解説していきます。
話題の米国株のインデックスファンドとは?
米国株のインデックスファンドとは、S&P500やNASDAQ100といった指数の値動きと同じように動く投資信託のことです。今や米国株のインデックスファンドは売れ筋の投資信託になっています。
例えば大手ネット証券の一つ楽天証券の人気ファンド1位は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」という米国の代表的な株価指数S&P500に連動したインデックスファンドです。SBI証券でも投資信託の売れ筋ランキング1位はSBI・V・S &P500インデックス・ファンドです。日本人投資家は今や日本株やインデックスファンドを買わずに米国株のインデックスファンドに投資をしています。
【パッシブ運用の強み】なぜ米国株のインデックスファンドが人気?

(Google Finance S&P500)
米国株のインデックスファンドは人気です。人気の理由は主に以下の通りです。
① 米国のインデックスは長期間でみると右肩上がりで上昇している実績がある
② 多くのアクティブ運用がパッシブ運用をアウトパフォームできない
③ インデックスファンドなら個別株のような決算分析も必要なくリスク分散も自然にできる
④ 米国経済そのものが力強くイノベーティブな企業が誕生する国
それぞれ解説します。
①米国のインデックスは長期間でみると右肩上がりで上昇している実績がある
米国株のインデックスファンドは1980年代から遡ってみると大きく上昇していることがわかります。
2000年初頭のITバブル崩壊やリーマンショックで下げている時期はありますが、2010年代は上昇トレンドが続いています。2010年代はリーマンショックから立ちなおるために、FRB(米国の中央銀行)がQEと呼ばれる大きな量的緩和をしました。
簡単にいえば市中に米ドルをばら撒いたことで、余剰資金が株式市場に流れて株価全体が大きく上昇したのが2010年代です。振り返ってみると米国株のインデックスファンドを長く持ち続けていた投資家は資産形成に成功する時代でした。
「過去にこれだけ伸びたのだから今後も長期的には同じように伸びるだろう」とメディアが主張すれば、多くの
投資家が納得し後に続こうとするのも自然な流れです。
②多くのアクティブ運用がパッシブ運用をアウトパフォームできない
インデックスを保有するパッシブ運用と言われる投資法は、多くのプロの運用会社やファンドマネージャーのアクティブな運用よりも成績が良いことが多く信託報酬も安いこともインデックスファンドの人気を後押ししています。
③インデックスファンドなら個別株のような決算分析も必要なくリスク分散も自然にできる
個別株のように決算書を分析する必要もなければ悪い決算発表で大きく下がるリスクもインデックスファンドにはありません。丸ごとインデックス構成銘柄を買うことで自然にリスク分散もできるからです。個別株を自分で選んでポートフォリオを組むには、それぞれの個別銘柄のストーリーや決算を読まなければならず時間も労力もかかります。インデックスファンドなら何も考えずにインデックスを買うだけで良いので、個人投資家にとって負担が少ないのも魅力です。
④米国経済そのものが力強くイノベーティブな企業が誕生する国
米国経済そのものの力強さやイノベーティブな企業が生まれる国柄もあり、米国株のインデックスファンドは多くの投資家に支持されるようになりました。また日本とは対照的に米国は先進国でありながら人口も増え続けて
おり経済成長に必要な生産年齢人口が十分、あることも強みになっています。
米国株インデックスVS全世界株インデックス

(Google Finance)黄色はSPDR S&P500 ETF、青はiShares MSCI ACWI ETF
・米国に集中投資するなら米国株のインデックスファンド
・米国一強の時代が長くは続かないと思うなら全世界株のインデックスファンド
・全世界株のインデックスファンドも約6割は米国株で構成されている
米国株のインデックスとよく比較されるのは全世界株インデックスです。楽天証券でもSBI証券でも人気の投資信託2位は全世界株式のインデックスと連動する投資信託です。米国株と全世界株のどちらのインデックスに
投資をしようか迷う人も多いので比較してみましょう。
米国株インデックスは米国に集中投資、全世界株インデックスは先進国から新興国まで広く分散投資しているという違いがあります。過去5年の比較で比べてみると米国株インデックスのS&P500が世界株指数を上回っています。好調だった米国に集中投資をした方が全世界に満遍なく分散投資するよりも、パフォーマンスが良い状態が続いていました。
しかし、長い期間でみると米国株の調子が良くない時期もあります。米国一強が今後も続くと考えれば米国株の
インデックスファンドを買えば良いでしょう。一方、米国一強の時代は今後、長く続かないと判断するなら全世界株のインデックスファンドを買うのも選択肢に入ります。ちなみにMSCI ACWI(全世界株指数)の約6割は米国株で構成されています。

(MSCI 公式ページより。MSCI ACWIの比率)
https://www.msci.com/documents/10199/8d97d244-4685-4200-a24c-3e2942e3adeb
米国株のインデックスファンドは身近な金融機関・ネット証券で買える
米国株のインデックスファンドは身近な金融機関でもネット証券でも買えます。取引がある銀行や郵便局、
農協などで「米国株のインデックスファンドに投資したい」と言えば、それぞれの金融機関の担当者が丁寧に
購入までサポートしてくれるでしょう。また、ネット証券なら米国株のインデックスファンドの購入をオンラインで完結できます。ただし、金融機関によって取り扱っている投資信託の種類や購入手数料が異なります。
安心して対面で取引をしたいなら店舗のある金融機関、信託報酬や購入手数料を節約するならネット証券から
投資信託の購入を検討するとよいでしょう。
米国株のインデックスファンドに投資するべき?
米国株のインデックスファンドに投資はするべきなのでしょうか。
米国株のインデックスファンドは、おすすめの投資先の一つです。少なくとも過去のS&P500の実績だけを見れば、長期的には上昇し続けています。
今後も米国経済が長期的に成長し続けるという前提に立つなら投資しても良いでしょう。
ただし米国株のインデックスファンドを買えば必ず儲かる、得するという話ではありません。2022年以降の米国株のインデックスはFRBの金融引き締めに伴い上値がとれない軟調な状況が続いています。あくまでもリスクがあり元本割れをする可能性もあることを理解した上で投資するかどうかを判断するべきです。
米国株の売れ筋インデックスファンド3選
信託報酬 | 特徴 | |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.0968% | SBI証券以外でも取り扱いあり |
SBI・V・S &P500インデックス・ファンド | 0.0938% | SBI証券でのみ取り扱い・iDeCoに対応していない |
iFreeNEXT NASDAQ100 | 0.495% | 成長企業が多いナスダック100指数に投資できる。運用実績もある。 |
米国株の売れ筋インデックスファンドを3つご紹介します。
投資信託はあまりに人気がない、資金が集まらないと「償還」と言って運用期間が投資信託側の都合で終了してしまう恐れがあるため、原則、同じような中身の投資信託なら資金が集まっている売れ筋の投資信託がおすすめです。人気があり信託報酬が抑えられている投資信託を選びましょう。
また他の米国株インデックスファンドをすすめられた場合、上に挙げた投資信託と比べて人気があるかどうか、信託報酬が高すぎないかどうかを判断する基準にすると良いでしょう。
米国株のインデックスファンドは長期投資が前提
米国株のインデックスファンドに投資をする際の心構えについてもお伝えします。米国株のインデックスファンドは短期ではなく、中長期的なアメリカの経済成長を前提に長く保有するのが原則です。そのため投資をする際には長い目で保有する、積立て続けることを前提にはじめましょう。
またレバレッジをかけたタイプの投資信託もありますが、大きく上昇する可能性があるということは逆に大きく下落するリスクもあります。下げ相場にも長期的に耐えられるだけの資金や精神的な余裕がなければ、最初はレバレッジのかかっていない一般的な投資信託からはじめることをおすすめします。
まとめ:適切な投資先を選んでインデックスファンドへ投資する
米国株のインデックスファンドについて、投資初心者が疑問に感じるポイントを解説しました。米国の経済成長が長期的に見て続くという前提に立てば、インデックスファンドはおすすめの投資先の一つです。
今ではまちの金融機関やネット証券でも米国株のインデックスファンドを気軽に買うことができます。インデックス投資を始める際は、自分に合った投資信託を選んで長期的な視点で投資に取り組みましょう。



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