「投資先をどのように決めるか」は、すべての投資家にとっての永遠のテーマですが、ファンダメンタルズ分析手法として「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」と呼ばれるものがあります。本記事では、「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」の基本について解説します。
トップダウンアプローチとは?
トップダウンアプローチ(Top-down approach)とは、マクロ経済分析などのブロードな全体像の分析からスタートし、徐々に掘り下げて行って個別の投資先へ到達するアプローチ方法です。一般的にはGDP、金融政策、為替レート、インフレーション、コモディティ相場などの分析からスタートし、投資先として有望な国や地域、産業セクター、業界を導き出します。
トップダウンアプローチにおける中核的な考え方は、「有望な産業セクターや業界の中にこそ有望な投資先が存在する」で、「マクロ経済の環境変化により、企業業績は左右される」です。それゆえ、トップダウンアプローチにおいては、何よりもまず「有望な国」を特定し、続けて「有望な産業セクター」そして「有望な投資先」を見つけるというステップを踏みます。
ボトムアップアプローチとは?
一方、ボトムアップアプローチ(Bottom-up approach)はトップダウンアプローチの逆です。ボトムアップアプローチでは、まずは個別の企業の分析からスタートします。トップダウンアプローチのように初めにマクロ経済分析からスタートするのではなく、企業の財務諸表、事業内容、成長性などをくまなく分析し、将来大化けしそうな企業を見つけ出すのです。ベンチャー投資などで行われる、投資候補企業のデューデリジェンスからスタートすると言っていいでしょう。
ボトムアップアプローチにおける中核的な考え方は、「たとえ経済環境が良好でない場合でも、優れた企業は結果を出せる」です。よってボトムアップアプローチでは、投資候補企業の製品やサービス、人的資産、マーケティング力、技術力などの評価に重きが置かれます。
どちらのアプローチを使うべきか?
一般論としては、ベンチャー投資やグロース銘柄への投資を行うケースにおいて、ボトムアップアプローチが使われるケースが多いようです。また、バイアンドホールド投資のような、長期的投資においてもボトムアップアプローチが使われるケースが多いようです。
いずれにせよ、トップダウンアプローチとボトムアップアプローチは、アプローチの仕方としては真逆ですが、必ずしもトレードオフの関係にあるわけではありません。両者は相互に補完できる関係であり、実際に補完的に使うべきです。実際に、投資家の多くは両者を併用しています。ボトムアップアプローチからスタートし、最終的にトップダウンアプローチで検証してみる、あるいはトップダウンアプローチからスタートし、最終的にボトムアップアプローチで検証してみる、といった使い方が望ましいでしょう。
まとめ:興味のある業界をみつけて分析の練習をしてみよう
この記事では、ファンダメンタルズ分析手法の基本となる「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」について詳しく解説しました。
投資先を見つける際は、トップダウンアプローチとボトムアップアプローチをバランスよく使いこなすことが大切です。
しかし両方のアプローチをいきなりうまく使いこなすのは、投資初心者の方にとっては難しいかと思います。
したがって、まずは自身の興味のある業界や産業を見つけて、分析の練習をしてみることがオススメです。
SBI証券なら業界最安水準の手数料!最低0ドル!
(参照サイト)
https://www.thebalance.com/what-is-top-down-investing-1978894
https://www.investopedia.com/articles/investing/030116/topdown-vs-bottomup.asp
https://www.cnbc.com/2015/06/02/making-sense-of-bottom-up-investing.html



コメント