2020年11月の米国雇用統計の解説

現地時間の先週金曜日、2020年11月の米国雇用統計が発表されました。それによると、2020年11月の非農業部門雇用者数は前月から24万5千人増加し、失業率は6.7%に下がりました。しかし、雇用者の増加数は落ち込み、過去5カ月間で最低となりました。また、6カ月以上失業中の人の数も史上最多となり、特に黒人の10人に1人が職を失った状態となっています。

悪化する新型コロナウィルスのパンデミックの影響

まず、現在アメリカで悪化している新型コロナウィルスのパンデミックによる、今後の経済への悪影響が懸念されます。本記事執筆時点のアメリカの新型コロナウィルスの感染者数は1582万42人、死者数は29万6698人となっていますが、感染拡大に伴い、カリフォルニア州などでは外出制限措置がとられ、主要都市は事実上ロックダウンに追い込まれています。それにより、飲食業や小売業などのビジネスが影響を受け、さらに多くの失業者を生み出しています。これから本格的な冬を迎える中、雇用環境がさらに悪化すると予想されています。

雇用の完全回復には程遠い状態

また、これまでに失われた仕事の数の半分も回復していないと指摘する向きもあります。パンデミックが本格化した今年4月、アメリカではひと月で2千万人以上の人が職を失いました。5月に270万人、6月に480万人の雇用が生まれたものの、11月までの新規雇用を加えた累計で半分も回復していません。2020年11月時点で、1千万人以上のアメリカ人労働者が未だ失業しているのです。そして、今後の新規雇用増加のペースが2020年11月と同程度で移行した場合、完全回復まで4年もかかる計算になります。

一時解雇された人が減少、非一時解雇された人が増加

また、一時解雇された人が減少する一方、非一時解雇された人が増加しています。2020年11月の雇用統計では、非一時解雇された人の数が一時解雇された人の数の倍以上になっています。景気回復により仕事に復帰できる可能性がある人が減少し、復帰の可能性がない人が増えているのです。

また、子供や家族の世話などで仕事を辞める人も増加し、2020年11月のひと月で40万人の労働者が退職しています。その結果、アメリカの労働者人口は40万人減少し、人口比率も61.5%に低下しています。

以上のように、2020年11月のひと月で新規雇用が24万5千人増加したものの、アメリカの雇用全体は未だ厳しい局面にあるとせざるを得ません。アメリカの雇用の完全回復には、ある程度の時間と相当規模の財政出動が必要でしょう。

(参照サイト)

https://www.cnbc.com/2020/12/04/november-jobs-report-shows-4-concerning-trends.html

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