アメリカ現地時間の2022年2月2日、メタが2021年度第四四半期決算を発表しました。元従業員による内部告発、複数の幹部の退社、独占禁止法違反の提訴、そしてフェイスブックからメタへの社名変更。メタにとっては激動の一年となった2021年度の、最後の四半期の結果はどうだったのでしょうか。
売上高は増加、経常利益はマイナス
メタの発表によると、同社の2021年度第四四半期(2021年10月1日から12月31日)の売上高は336億7100万ドル(約3兆8722億円)で、前年同期比で20%増加しました。一方、経常利益は102億8500万ドル(約1兆1828億円)で、前年同期比で8%のマイナスでした。1株あたり利益は3.67ドルで、前年同期比で5.4%のマイナスとなりました。
2021年度通年の売上高は1179億2900万ドル(約13兆5618億円)で、前年比で37.2%増加しました。経常利益は393億7000万ドル(約4兆5276億円)で、前年比で36%増加しました。
株価は暴落、時価総額2300億ドル消失
比較的好調に見えたメタの決算でしたが、市場の反応は衝撃的でした。決算発表の翌日、メタの株価は一時27%も下落、時価総額2300億ドル(約26兆4500億円)が消失しました。創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグの個人資産も、一日で300億ドル(約4兆1760億円)も目減りしてしまいました。この規模の企業の株価としては、歴史的な暴落と言っていいでしょう。損失額としては、ディズニーの時価総額に匹敵する額です。
広告事業の不安要素が影響か?
では、何がアメリカ史上最大の株価暴落をもたらしたのでしょうか。まずは同社の主力事業である広告事業に不安要素があることを投資家がマイナスに評価したことが考えられます。具体的には、同社の広告事業に多くの売上をもたらしているAppleのiPhoneに表示される広告の売上が大きく減少するリスクです。
メタは世界中の多くのiPhoneユーザーにフェイスブックアプリを提供し、多くの広告を配信しています。しかし、Appleが昨年2021年にiOSのプライバシーポリシーを変更したため、ターゲティング広告やポップアップ広告の配信数が激減、広告収入にマイナスの影響を与える結果になりました。フェイスブックは、iOSのプライバシーポリシー変更による影響のため、2022年通年で最大で100億ドル(1兆1500億円)の売上が無くなると発表したため、投資家に衝撃が走ったのです。
ユーザー数の停滞とメタバース事業の損失も
また、フェイスブックのユーザー数が前年同期比で横ばいとなり、アメリカとカナダのユーザー数が史上初めてマイナスになったこともネガティブに評価されたようです。2021年度第四四半期時点の全世界のフェイスブックユーザー数は29億1000万人ですが、伸び率の鈍化は認めざるを得ないでしょう。
また、現在メタが展開しているメタバース事業が巨額の赤字を計上したこともマイナスに評価されたようです。メタバース事業を担当しているメタのリアリティラボの損失は101億ドル(約1兆1615億円)という巨額で、投資家の心証を悪くした可能性が高いでしょう。
主力の広告事業からメタバース事業への転換を急ぐメタですが、今年2022年も波乱が続きそうです。今後のメタとメタの株価に注目です。
まとめ:ユーザー数の増加とメタバース事業の拡大が今後の重要なポイント
この記事では、米国を代表するIT企業の1つであるメタが発表した2021年度第四四半期決算について詳しく解説しました。
発表によると、売上高は前年同期比で増加したものの、経常利益はマイナスとなったことが株価に大きな影響を与え、時価総額が2300億ドルも減少しました。
同社の主力事業である広告事業の不調やフェイスブックのユーザー数の停滞、メタバース事業の巨額な赤字がこのような結果を招いたと考えられます。
今後のメタの成長には、広告事業だけでなく、フェイスブックのユーザー数の増加やメタバース事業の拡大が重要なポイントとなるでしょう。
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