テスラ社が2022年1月26日に第4四半期決算、2021年通年決算の発表を行いました。今回の決算は売上高、利益率共に脅威の記録を出した好決算となり、過去最高額となりました。決算内容を詳しく見ていきましょう。
通年決算(1月から12月)
・総売上高 538億2300万ドル
・純利益 55億1900万ドル
・通年利益率 29.3%
総売上高が前年比較で71%増、純利益の前年比較で665%増、(約7.6倍)と現実味のない脅威の数字が出ています。
第4四半期決算
・総売上高 177億1900万ドル
・純利益 26億1300万ドル
・利益率 30.6%
今期の総売り上げ高は、前期の最高記録137億5700万ドルを更新しています。前年同期比較で118%増となりました。利益率は354%増の記録的利益率を上げ共に最高記録となりました。
(引用:Tesla Q4 and FY2021)
好決算の背景
通年の決算、第4四半期決算ともに好成績となりました。その背景には出荷台数を大幅に増加したことが大きな成功の鍵となっています。前年比較で87%の製造出荷台数を増加しています。そしてリース事業を開始したことが営業利益率の押し上げになったと考えられます。ただし、2021年に67万台のリコール届がありましたので、これに対する決算が次回の決算に少なからず影響はあると予想できます。
半導体不足下での増産
テスラのCEOイーロンマスクはサプライチェーンや製品生産による許容範囲を拡大することで、EV分野での競争力に特化できるとし、半導体不足の中の生産量を増加させることを重要視しています。テスラ車は多種多様なチップを製造過程で取り入れること、そしていかにバッテリーの確保が可能かにより、コロナショックのボトルネック問題を緩和することができたと述べています。
設備投資
前年の設備投資額から900万ドル減の64億8200万ドルの通年投資資金を儲けています。
2022年は新しく4680バッテリー搭載車両の製造販売が今期から開始される予定で、次期決算に期待が寄せられています。また各生産工場での増産計画、ベルリン、オースティンだけでなくフリーモントや上海でも増産を予定。ちなみに現在稼働中のフリーモントでは60万台、上海で45万台となっており、ベルリン工場が2022年稼働開始が始まると、100万台から150万台を超えるのではないでしょうか。
さらに新しく工場設備の増設が予定されています。
低価格帯モデル増産で調整
以前は「モデルS」「モデルX」と高級車の製造を増産していましたが、このラインを19%減少し、低価格車両「モデル3」と「モデルY」製造を79%アップの増産に注力しています。それによる営業利益の向上を目指します。
また、コロナショックからのサプライチェーン問題が完全に回復しておらず、新車の生産開始を導入することを延期しています。新モデル製造による現行車種の納車数が減少することを懸念しており、納車増加を重要視していることがわかります。
また新車種は話題になっているピックアップトラック型の「Cybertruck」や「セミ」、「ロードスター」また「オプティマス」などで、これらに関しては2023年には生産開始を目指していると述べています。
(参照:The New York Times)
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