フィスカー｜テスラより遠くまで走る電気自動車を発売する新興メーカー

2023 2/26

2022年1月10日 2023年2月26日

[FSR/NYSE]Fisker Inc.
https://www.fiskerinc.com
業種：自動車・車両

沿革・会社概要

フィスカー【FSR】は米国カリフォルニア州ロサンゼルスに本拠地を置く、電気自動車（EV）の新興メーカー。アストン・マーチンなどの元デザイナー、ヘンリク・フィスカー氏が2016年に創設した新興企業です。環境に優しい電気自動車を開発することで、自動車産業に革命をもたらします。自動車産業向けのテクノロジー対応のアセットライト自動車ビジネスモデルを開発。

また、環境に配慮した電気自動車の開発にも注力しています。2021年7月に、大手投資ファンドのアポロ・グローバル・マネージメント傘下の特別目的買収会社スパータン・エナジー・アクイジションとの合併契約を行い、ニューヨーク証券取引所に上場しました。この上場によって10憶ドル超の資産調達が可能となり、2022年後半に予定しているEV「オーシャン」の生産開始に向け準備を進めています。

セグメント情報

◎Single Segment（単一事業）
売上（百万USD）

世界で最も持続可能な電気自動車と先進的なモビリティー・ソリューションを提供しています。現在は単一事業であるものの、ホワイトスペースセグメント、バリューセグメント、および保守的なプレミアムセグメントが含まれます。電気自動車（EV）プラットフォームから車両を設計および開発できるFisker Flexible Platform Agnostic Design（FF-PAD）を提供しています。

直近決算情報

《FY21Q3（7～9月）10月28日発表》
売上：34億6700万USD（約3952億円）　前年同期比 -0.0％
純利益：6億900万USD（約694億円）　前年同期比 1.0％　
ROE：10.8％
ROA：2.8％
PER：22.3倍
PBR：2.3倍
時価総額：35,068百万USD
（※PER、PBR、時価総額は11月19日株価より算出）

2021年第3四半期の営業成績は事前の予想通りで、通期の見通しは据え置きとしています。当期は同社が注力している分野で引き続き急速な進展がありました。Fisker Ocean SUVをはじめとした、セグメントをリードするいくつかの案件を予定通り実行するためのプログラムマイルストーンを達成しました。

フィスカーの会長兼CEOであるヘンリック・フィスカー氏は、「重要な調達段階はほぼ完了しており、その仕上げとして、バッテリーの長期供給契約を発表しました。現在、私たちは、着実に増加している広範な試作段階を含む工業化に完全に取り組んでいます。PEARプログラムでは、FF-PADの開発プロセスを活用し、オーシャンの開発IPやエンジニアリング、開発、検証のノウハウを活かしたコンポーネント共有のユニークな機会を開発しています」と話しています。

今後の展望

自動車メーカー各社は現在、今後数年のEV市場の拡大を見込み、最先端のEV用電池の開発と生産を競っている状況にあります。同社はロサンゼルス自動車ショーで、競合テスラの「モデルY」よりも走行距離が長いモデルも一部用意するEVスポーツ多目的車（SUV）「Ocean」シリーズを発表しました。今回の上場で10億ドル超の資産調達を実現し、2022年後半に予定している「Ocean」シリーズの生産開始に向け準備を進めていきます。EVとしては比較的低水準の3万7,000ドル台に価格を抑えるほか、「消費者が利用しやすい独自の柔軟な」リースプログラムを月額379ドルで提供するとしています。

また、自動車用リチウムイオン電池の世界最大のサプライヤーであるCATL社と、電池の長期供給契約を締結。バッテリー技術で同業のルーシッドとともにテスラに対抗していきます。そして、2022年初頭には店舗を公開する予定です。