バフェットがコカ・コーラの株を長年保有するワケとは?

ウォーレン・バフェットは1988年にコカ・コーラの発行済み株式の6.2%を10億ドルで購入し、買い増ししながら今日まで持ち続けています。バフェットはなぜコカ・コーラへの投資を決断したのでしょうか。そして、なぜ長年にわたってコカ・コーラの株を保有し続けているのでしょうか。その背景を説明します。

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1988年に始めてコカ・コーラへ投資

ウォーレン・バフェットが初めてコカ・コーラの株を購入したのは、今から32年前の1988年です。バフェットがコカ・コーラの株を買った理由はシンプルです。コカ・コーラの株が割安だったからです。

1987年10月19日、香港を皮切りに世界的な株価大暴落が発生しました。のちに暗黒の月曜日、ブラックマンデーと呼ばれる大暴落は全世界へ波及し、各国の株式市場に大混乱を起こしました。ダウジョーンズ平均株価は前日から22.6%も下落し、ニューヨーク証券取引所で取引されているほぼすべての銘柄が暴落する異常事態となりました。当然のように、コカ・コーラの株価も大きく値下がりしました。コカ・コーラのPER(株価収益率)は15倍にまで低下し、バフェットの目に止まったのです。師匠のベンジャミン・グレアム譲りのバリュー投資を得意とするバフェットにとっては、まさに格好の銘柄だったのでしょう。

投資直後から長期保有を宣言

バフェットは、コカ・コーラへ初めて投資した1988年のバークシャー・ハサウェイの年次総会で次のように語っています。

「我々は、(コカ・コーラの)株を長期にわたって保有する。優れた経営者を備えた優れた企業の株を保有する時、保有期間はほとんど永遠となる」

バフェットは、当時のコカ・コーラのCEOロベルト・ゴイズエタ氏の経営手腕を高く評価しており、特にその卓越したマーケティングとファイナンスのスキルを大きく認めていたとされています。コカ・コーラは、まさにバフェットが好む「優れた経営者を備えた優れた企業」であり、世界市場においてはまだまだ成長の余地が十分に残されていると判断したのです。

高配当も魅力

バフェットは、その後もコカ・コーラの株を買い増しし、1994年までに保有株式数を1億株に増やしています。その後コカ・コーラは株式分割を二回行ったので、その結果バフェットが保有するコカ・コーラの株は4億株へ膨れ上がります。

当時、コカ・コーラは四半期ごとに1株あたり40セントの配当を行っており、バフェットは年間6億4千万ドルもの配当を受け取っています。バフェットが1995年から今日までに受け取った累計配当額は70億ドルに達します。配当が大好きとされるバフェットにとっては、コカ・コーラの気前の良い配当も大きな魅力だったのでしょう。

コカ・コーラのわかりやすい事業内容 

コカ・コーラはまた、「自分が知らない、理解できないビジネスには投資しない」バフェットにとって、事業内容がわかりやすかったのも投資した理由でしょう。コカ・コーラは、アメリカを象徴するナショナルブランドでありアイコンであり、世界中で愛されています。コカ・コーラが何の会社で、何を販売しているのか知らない人は少ないでしょう。

コカ・コーラはさらに、バフェットが生まれて初めてビジネスを行った最初の商品でもあります。バフェットは、11歳の時に祖父が経営する食料品店からコカ・コーラ6ボトルを25セントで仕入れ、友人らに1ボトル5セントで販売して利益を稼いでいます。当時についてバフェットは、「高利益小売業ともいうべきその販売行為によって、(コカ・コーラという)製品の消費者へ与える魅力と商業的可能性を認識する結果になった」と述懐しています。

現在も大きいポートフォリオのシェア

バフェットは、バークシャー・ハサウェイを通じ、現在もコカ・コーラの株4億株を保有し続けています。その時価総額は197億5千万ドル(約2兆738億円、2020年6月末時点)に達し、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオにおけるシェア8.63%、Apple、バンク・オブ・アメリカに続いて三番目となっています。

バフェットは、1988年に初めてコカ・コーラの株を買って以来、今日までに1株も売っていません。コカ・コーラの株価が今後も値上がりし、コカ・コーラが配当を気前よく出し続ける限り、バフェットがコカ・コーラの株を売ることはなさそうです。

一方で、バフェットはこんな発言もしています。アメリカのニュースメディアCNBCが2018年に行ったインタビューで、コカ・コーラの株を今後も持ち続けるかと質問されたバフェットは、「コカ・コーラはまだ十分に良い会社だ。しかし、5年前や10年前ほど良くは見えない」とコメントしています。 

バークシャー・ハサウェイのポートフォリオは、2010年代に入ってから内容を大きく変化させています。2011年にIBMへ初めて投資し、一時はポートフォリオで大きなシェアを持つまで買い増ししたものの、2018年までにすべて売却しています。その一方、バフェットは2016年に初めてAppleへ投資し、現在までに245,155,566株へ買い増ししています。ポートフォリオからコカ・コーラが消えることは当面なさそうですが、絶対に消えないとは誰も保証できないかもしれません。

まとめ:バフェットが今後もコカ・コーラ株を保有し続けるか注目

高配当であることや事業内容からみてバフェットはコカ・コーラの株を長期保有することを決めました。ただ、「5年前や10年前ほど良くは見えない」と気になる発言もしており、今後のコカ・コーラ社の事業には注目しておいた方が良さそうです。

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(参照サイト)

https://www.investopedia.com/ask/answers/052615/why-did-warren-buffett-invest-heavily-cocacola-ko-late-1980s.asp#:~:text=Warren%20Buffett%20bought%20more%20than,holding%20the%20number%20three%20spot.

https://www.fool.com/investing/2019/11/19/heres-how-much-warren-buffett-has-made-on-coca-col.aspx#:~:text=One%20of%20the%20reasons%20Buffett,rate%20of%2012%25%20per%20year.

https://hedgefollow.com/funds/Berkshire+Hathaway

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