ベネズエラの仮想通貨「ペトロ」はベネズエラ経済の救世主となるか?

ベネズエラの仮想通貨「ペトロ」はベネズエラ経済の救世主となるか?

2018年2月、ベネズエラ政府が仮想通貨「ペトロ」を「正規通貨」に採用し、世界を驚かせました。国が仮想通貨を自国通貨に採用したのは人類史上初のことですが、かつての石油大国ベネズエラの決断の背後には、一体何があったのでしょうか。

史上最悪のハイパーインフレ

その最大の理由は、悪名高きベネズエラのハイパーインフレです。アメリカの経済制裁や原油価格の値下がりなどにより国家経済が破綻したベネズエラでは、2014年よりインフレが悪化し始めました。2014年に年率69%のインフレに見舞われたのを皮切りに、2015年181%、2016年800%、2017年4,000%、2018年1,700,000%、そしてついに2,000,000%という史上最悪のハイパーインフレに突入したのです。ベネズエラ中央銀行の計算によると、2016年から2019年までの物価上昇率は、何と驚愕の53,798,500%に達したそうです。

マドゥロ大統領の肝いりで登場

自国通貨の流通が事実上不可能となったベネズエラを救うべく、マドゥロ大統領の肝いりで登場したのが仮想通貨ペトロ(Petro)です。ペトロのホワイトペーパー(投資家向け説明資料)によると、ペトロは別の仮想通貨のダッシュ(Dash)をベースに作られ、ダッシュのプラットフォームと同様のプラットフォームで運営されているそうです。ICO(新規仮想通貨公開)では3840万トークンが用意され、1ペトロ60米ドルで販売されました。

もともと仮想通貨の流通量が多いベネズエラ

ところで、ベネズエラはもともと仮想通貨の流通量が多い国として知られています。仮想通貨の経済指標などをまとめているコインダンスによると、世界で最も取引量が多い仮想通貨ビットコインの2020年度のP2P取引量は、アメリカ、ロシアに次いでベネズエラが世界三位でした。特にハイパーインフレに突入した2017年からビットコインの取引量が急増し、2019年にピークを迎えています。

ベネズエラ国内でもペテロは流通せず

自国通貨ボリバルでの支払いが困難なベネズエラでは、米ドルによる支払いか、クレジットカードによる支払い、そして仮想通貨での支払いが主流となっています。仮想通貨ではビットコインのほかにイーサリアムやダッシュなども使われています。

一方、自国の仮想通貨ペトロは、ビットコインのように普及していないようです。ベネズエラでは、小売店や飲食店の多くでビットコインやイーサリアムなどが使えますが、ペトロが使えるお店は少ないようです。

ベネズエラ政府は、ペトロの通貨価値の裏付けとして、ベネズエラ中部アタビリレ地区に眠る50億バレルの原油を挙げていますが、原油の採掘やインフラの整備が始まったという話は未だに出てきていないようです。実際のところ、ベネズエラ国内でもペトロはそれほど流通していないようです。現状のままでは、ペトロがベネズエラ経済を救う救世主になることは難しいでしょう。

(参照サイト)
https://theconversation.com/what-caused-hyperinflation-in-venezuela-a-rare-blend-of-public-ineptitude-and-private-enterprise-102483
https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Column/ISQ000011/ISQ000011_007.html

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