ジャクソンホール会議の株市場影響:S&P500・ナスダック最高値更新

s&p500
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S&P500とナスダックの指標

アメリカの代表的な経済株価指数としてS&P500とナスダックがあります。S&P500はアメリカ企業のトップ500社で構成されており、ナスダック総合指数は3000社で構成されています。それぞれ独自の選定基準があり、それにより毎年数回の入れ替えが行なわれ、業績良好をキープしているトップにある銘柄が組み込まれる仕組みになっています。

そうすることで、この指数からアメリカ全体の経済状況が把握でき、今後のアメリカ経済の景気判断を読み取ることができますので、投資家は日々この指数をチェックしリスク管理をしています。

S&P500とナスダックが最高値

8月27日、S&P500とナスダック指数が同日の終値で最高値を更新しました。今年に入り最高値更新は今回で50回目となります。直近6ヶ月にわたり株価指数、債券、金などすべてにおいて値上がりが続いています。今回も引き続き値上がり更新となったことは、同日ジャクソンホール会議でのパウエル議長の発言による安心感が株市場へ影響したことが原因となりました。

ジャクソンホール会議

ジャクソンホール会議というのは毎年8月に行なわれるシンポジウム会議のことで経済学者や中央銀行の首脳がジャクソンホールに集まり行なわれます。会議後は経済施策などの重要提言が多くされ市場に大きな影響を与えることがあることから投資家の関心が集まっています。今回8月27日の会議では、コロナ後の経済政策やテーパリング時期、利上げ時期などの政策について話し合われました。特に今回投資家はコロナ後のテーパリングの開始される時期について注目していました。

テーパリングと市場への影響

テーパリングとは段階的に量的金融緩和政策を行なうもので、コロナ禍で世界経済に大きな打撃をうけた後、ワクチンの普及により現在は経済回復に向かっています。この3ヶ月の消費者物価指数は急激に増えインフレ状態になっています。そのため物価を安定させることを目的とし、中央銀行は金融政策をおこないます。これは株式市場にも影響を与えることがあり、2013年にテーパリング政策が唐突に発表され不安材料となり一日で7%の暴落がありました。しかし、今回に関しては年始からパウエル議長がテーパリングをにおわせる発言が続いているため、株式市場にすでに織り込まれていると予想できます。そのため大きな株価変動は起こらない可能性が高いでしょう。

8月27日ジャクソンホール会議内容

投資家の注目はテーパリングの開始時期についてでした。パウエル議長は以前と変わらず年内には開始すると述べたものの具体的にいつ開始するかは明確にしていません。パウエル議長の見解としては、インフレは一時的なもので、サプライチェーンのボトルネックが解消することでインフレは改善するとし、インフレ対策による雇用率回復の妨げを懸念していることを強調しました。ただし、インフレの長期化や加速がみられた場合は、利上げをすることで対応すると明確に述べ、新型デルタ株の感染力が高いことで、今後のリスク対応への警戒を表しました。

テーパリング意識の株式市場

今回の会議ではテーパリング開始時期については明確にしておらず、金利の引き締めについては急いでいない意向を明確にしました。これはつまり金融相場の長期化が続き、米国株式市場の強き相場が継続することが考えられます。

そして「年内が適切時期」だとテーパリング時期については曖昧な言い方をしていますが、年末にかけていっそうテーパリングが意識され株式市場に織り込まれていくことが考えられますので、決定されるまでは不安定な状態が続くといえます。このような不安定な時期はボラティリティが大きくなることが考えられますので、短期での投資チャンスが増える可能性があります。そして暫くは強き相場が続くことになれば、長期的にも株価の上昇が狙えるでしょう。

(参照:REUTERS REUTERS RETRO)

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