5年後には7.5億人が利用!?オンライン決済サービスのPaypal

paypal

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い非接触のキャッシュレス決済が急増しています。オンライン決済サービスのリーディングカンパニーである米決済大手ペイパル【PYPL】は、仮想通貨取引を導入した「ベンモ(Venmo)」の利用者の拡大で増益が見込まれる今期。世界中のアクティブユーザーの爆発的な潜在需要の高まりのなか、次世代のデジタルバンクを目指すペイパルの第2四半期(4−6月期)決算について紹介していきます。

目次
1. 会社概要
2. 事業の特徴
3. 会社規模
4. 業績
5. 財務分析
6. トピック:M&A(合併・買収)を続けるかも
7. 今後の業績見通し
8. まとめ

1.  会社概要  

ペイパル・ホールディングス(NASDAQ:PYPL)は、アメリカを中心に200以上の国と地域と100通貨以上に対応したオンライン決済サービス会社。消費者や販売業者に向けにデジタルおよびモバイル決済用のPayPalアカウント間やクレジットカードでの支払い、口座振替による送金の決済ソリューションを提供する。 

2.  事業の特徴

1998年12月にピーター・ティールやマックス・レブチンなどによりPayPal Inc.の社名で創業。2002年に株式公開をするがeBayに15億ドルで買収され、2015年7月にPayPal Holdings Inc.の社名でスピンオフし再上場。P2P(個人間送金)のサービスを含めたPayPal、Venmo、XoomとPayPal Credit、Braintree、iZettle、Hyperwalletなどの製品とサービスで決済プラットフォームを構築し、世界で4億人以上のアクティブユーザを獲得した顧客基盤をベースに金融ソリューションサービスを提供し、次世代のデジタルバンクを目指す。アマゾン、アップル、グーグルなどのGAFAや異業種のフィンテック参入による市場環境下、インドやシンガポール、アイルランドなどの海外拠点での最先端のAI技術による製品開発のための人材確保とデータサイエンス、リスクとセキュリティなどの開発、分析チームを結成し、フロントランナーとしての地位を確保する戦略を取る。

BNPL(後払い決済) の「Pay in 4」の即時決済サービスを開始し、中小企業向けローン、新機能を付加したスーパーアプリの提供、多様化する暗号資産取引での新規顧客層の取り込みを狙い、Google、Facebook、Visa、Master Card、Alibabaをはじめとする多くの大企業との提携と百度、MercadoLibre、Flutterwave、RuPay、Paidyなど国内外のパートナー戦略を強化し、更なる事業拡大に向けて潜在顧客層の獲得に繋げる。

Paypalの企業ブランドを支える社会活動として、米国の黒人およびマイノリティが所有する企業やコミュニティ、新型コロナウィルス感染被害がある企業やコミュニティを支援するための経済的支援、PayPalベンチャーによる金融テクノロジー、コマース、インフラストラクチャの新興企業への投資を行い、グローバルな顧客重視の金融システムに貢献しています。

3.  事業規模

時価総額:3,284億6848万7,000ドル (2021年6月30時点)

純資産:738億1600万ドル (2021年6月30時点)

資本金:209億500万ドル(2021年6月30日時点)

従業員:27,700人(2020年7月時点)

 4.  業績

5.  財務分析

(1)  成長性

2015年から続く豊富な手元流動性を原資とした決済関連事業の大型M&A(合併・買収)戦略のシナジー効果が現れ、ビジネスプラットフォームのインフラと市場獲得の戦略基盤も整うなか、新型コロナ感染拡大の恩恵を受け、デジタル決済の需要が拡大、ミレニアム世代の消費力にも後押され、好調な第2四半期決算。昨年から開始した暗号資産取引サービスも寄与し、売上高は前期比17%増の62.4億ドル、EPS(非GAAP)は1.15ドルで市場コンセンサスを上回り、今期も増収となりました。PERは68倍、PBR:15.71倍、長期的な傾向として株価のバリュエーションは比較的割高であり、株価が業績成長を既に織り込んでいるとも。

(2)  収益性

ROE:25.26%、ROA:7.11%、ROI:17.82%と、平均的な数値でインパクトに弱いが、拡張性の高いハイテク・プラットフォームを展開するフィンテック企業と同水準を維持し、収益性は安定的に推移している。新規アクティブアカウントは1,140万件増の4,030万件、決済取扱高は、36%増の3,110億ドル(主力のベンモ(Venmo)は、58%増加の580億ドル)、トランザクションマージンは56.8%と年々増加傾向であり、売上高利益率は18.1%とフィンテックの追い風を受け、業績は上昇トレンドに乗り収益性を確保。

(3)   安全性

流動比率1.29、負債比率43%であり、バランスシートは年々拡大しているが、2Q決算の負債総額は89億ドルとほぼ横ばい。第2四半期(4−6月期)は、約765,000の普通株を自社株買いし、2億ドルを株主に還元。毎年自社株買いがあり、直近3年の総還元性向は89%、無配当であるが、財務レバレッジを意識した株主還元は、成長期から成熟期に移行しつつある企業に見られる特徴でもあります。

6.  トピック:M&A(合併・買収)を続けるかも

Paypalは、2015年7月PayPal Holdingsのデジタル送金会社Xoom Corporationの買収から現在に至るまで、国内外の決済関連企業の買収を加速し、業界シェアを拡大しています。

15年にスタートアップのモバイル決済Paydiant、中小企業向けのモバイルeコマースアプリ開発Modest、17年はカナダの請求書決済サービスTioNetworksと金融サービスSwift Financial、18年はAI予測システム開発Jetlore、中小企業決済Hyperwallet、欧州のモバイル決済サービスiZettle、19年は中国オンライン決済GoPay(国付宝)、20年は価格比較・リワード情報ツール企業Honey Science、21年にはネット販売商品の返品管理を扱うHappy Returnsとイスラエルの暗号通貨セキュリティCurvと、創業時から20社以上の買収が続いています。

この間に年々拡大するEC市場の広範なユーザーを取り込み、クレジットカード事業者を除くオンライン決済事業の市場シェアは5割以上と主要なオンライン決済のプラットフォームを構築した結果、買収戦略が定着し、3年間で3倍以上の株価と時価総額(競合他社のビザ、マスターカードに次いで米国TOP21)の上昇となりました。

2020年11月には、Bitcoin、Litecoin、Ethereum、Bitcoin Cashの暗号資産の取引サービスを開始、一部仮想通貨の売買・保管機能を備えた多様な決済オプションを業界先駆けてサービス提供し、プライバシー、サイバーセキュリティ、消費者保護、テロ抑止等の急速に進化するグローバル取引の当局の規制や法律に対処することにも重点を置いています。

今後、市場開拓が広がり新しい可能性のある暗号資産のサービスについて、ペイパルCEOのダン・シュルマン氏は「次世代金融システムがどのようなものか、どのように構築できるかを考えている。我々は世界中の規制当局や中央銀行と連携しており、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を検討している国の数は急速に増えている」とコメントをしています。

7.   今後の業績予想

第3四半期(21年7−9月期)ガイダンスは、「売上高61.5億ドル-62.5億ドル、EPS(非GAAP)1.07ドル」、21年通期は「純収益は現在のFXNベースで最大18.5%増加の最大257.5億ドル、EPS(非GAAP)4 7ドル」とコメントしています。投資家向けイベントでは「5年後の2025年までにユーザ数も決済処理高も倍以上、7.5億人と2兆8,000億米ドルにまで引き上げる」という計画を公表しています。

7月29日提出された Form 10-Qでのデビットカード発行の交換手数料について、SECと消費者金融保護局(CFPB)による調査があることの開示や米電子商取引大手eBayのプラットフォームから独自システムへの移行による影響で下期見通しの悪化を嫌気し、決算発表後株価は5%以上下落しました。

▶アナリスト予想

Dan Dolev Mizuho Securities 買い $375.00
Bryan Keane Deutsche Bank 買い $360.00
Jason Kupferberg Bank of America 買い $323.00
Trevor Williams Jefferies 買い $350.00
Timothy Chiodo Credit Suisse 買い $315.00
TipRanks Smart Score performance Paypal Holdings Stock Forecast & Price Targets

https://www.tipranks.com/stocks/pypl/forecast

8. 参考リンク

PayPal Holdings Inc HP
https://investor.pypl.com/home/

Form 10-Q
https://d18rn0p25nwr6d.cloudfront.net/CIK-0001633917/305aa206-319d-4543-af10-0359a0b491c8.pdf

Second Quarter 2021 Results
https://s1.q4cdn.com/633035571/files/doc_financials/2021/q2/Q2-21-PayPal-Earnings-Release.pdf

PYPL Ratios
https://www.investing.com/equities/paypal-holdings-inc-ratios
PayPal Q2 Transaction Revenue Rose 17%; Earnings Top Estimates

米ペイパルの第2四半期 予想上回る 見通し嫌気し株価は下落
https://jp.reuters.com/article/paypal-results-idJPKBN2EZ04G

ROSEN, RESPECTED INVESTOR COUNSEL, Encourages PayPal Holdings, Inc. Investors With Losses Over $100K to Inquire About Securities Class Action Investigation -PYPL
https://finance.yahoo.com/news/rosen-respected-investor-counsel-encourages-185600249.html

Q2-21 コンセンサス予想
https://jp.investing.com/equities/paypal-holdings-inc-consensus-estimates

PayPal (PYPL) Q2 Earnings Beat Estimates, Revenues Rise Y/Y
https://finance.yahoo.com/news/paypal-pypl-q2-earnings-beat-154803668.html

PayPal to hire over 1,000 engineers for India development centres in 2021
https://www.newindianexpress.com/business/2021/mar/03/paypal-to-hire-over-1000-engineers-for-india-development-centres-in-2021-2271594.html

Stock Screener
https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/screener
Market Share  > Payment Processing  > PayPal
https://www.datanyze.com/market-share/payment-processing–26/paypal-market-share

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