Affirm | ペイパル・マフィアの次世代BNPLプラットフォーマー

Affirm

Affirmの企業概要

アファーム・ホールディングスは、米国サンフランシスコに本社があるBNPL(Buy Now, Pay Later:後払い決済サービス)のフィンテック企業です。同社は、ウクライナ生まれのペイパルの共同創業者で元CTOのマックス・レヴチンにより、2012年に設立され、2021年1月ナスダックに上場。IPOは、取引初日に終値が公開価格の2倍近くで終了、12億ドル規模(約1,250億円)を調達し、テンバガー候補銘柄として話題となりました。マックス・レヴチンは、「ペイパル・マフィア」と呼ばれるペイパル共同創業者のピーター・ティール、YouTubeのチャド・ハーレーとスティーブ・チェン、SpaceXやテスラのイーロン・マスク、LinkedInのリード・ホフマンらとペイパルを創業した米国の著名な起業家メンバーです。

アファームは、消費者向けPOS決済ソリューション、マーチャントコマースソリューション、消費者向けアプリの3つの要素で展開しています。アプリやバーチャルカードを使って、パートナーの銀行と単利ローンを組み、商品ごとに審査がタイムリーに完了する多様なローンスタイルによって商取引が拡大します。250ドル未満の購入は無利息のスプリットペイ、マーチャント(加盟店パートナー、ブランド企業)の売上増加を促すため、消費者側が支払うべき利息をマーチャントの手数料として請求し、消費者が無利息で後払いが出来る 0%APR(金利)のオプションや利息付きの普通預金機能をアプリに搭載し、クレジットスコアに反映させるといった、独自のリスクモデルの決済システムを提供しています。

アファームの収益モデルは、プラットフォームでマーチャントの収益を拡大させ、マーチャントからのコンバージョン・フィーを獲得することです。マーチャントのスケール拡大と純平均注文額(AOV:average order value)を向上させるため、潜在的な消費者の需要創出を促し、リピート購入率を高め、効果的なプロモーションや販売を支援し、売上増加に導きます。アファームは、デフォルト・リスクを軽減させるために、消費性向、過去の購買履歴等を含めた、最先端のAIアルゴリズムで信用スコアに必要な消費者の最新の信用プロファイルとデフォルトの可能性を評価する情報を集約して分析し、取引レベルでリスク管理を行います。クレジットカードの与信審査は数日掛りますが、アファームは消費者の支払額の上限を明確に設定し、数秒以内に即時決定されます。これまでのクレジットカードよりも軽快で柔軟性や透明性があり、信用履歴や貯蓄口座を持たない消費者にも少額融資を利用可能にし、米国人口の最大の割合を占めるZ世代とミレニアル世代を中心に消費者が急増しています。

Affirmの直近決算情報

《FY21Q3(1~3月)5月10日発表》
EPS:-1.06ドル(ストックオプション費用1.32億ドル含む)
PSR:16.76倍※ 
PBR: 6.285倍※ 
EV/売上高:20.37倍
※2021年5月10日現在
商品取扱高(GMV) 23億ドル 前年同期比 +83%(ペロトン除外100%)
総売上高:2億3,070万ドル 前年同期比 +67%
営業損失:1億6,950万ドル 前年同期 △8,150万ドル                                 

・新規株式公開に伴う株式報酬の増加1億3,180万ドル含む
・純損失:2億4,720万ドル 前年同期 △8,560万ドル
・PayBright買収に関連する偶発的対価負債の公正価値の動を反映した7,850万ドルの調整含む

アクティブ加盟店:約12,000店に増加(前年同期比 2倍以上)
アクティブコンシューマー数:540万人に拡大(前年同期比 +60%)
アクティブコンシューマー1人当たりのトランザクション数:約2.3回(前年同期比 +10%)

上場後初決算となる21Q3の業績は好調で、資本効率を改善し、前年同期の成長率から更に加速しました。総売上高は、主にGMVと投資目的の保有ローンの増加に伴うネットワーク収入と受取利息の増加で、前年同期比67%増。総収益には、20年9月末までの売上の30%を占めたペロトン(PTON) のTread製品の自主的なリコールに関連して計上された350万ドルの収益減少が含まれます。

新型コロナウイルスによる失業を見越して5,600万ドルの引当金の計上をしていましたが、21Q3では戻し入れを行い、貸倒引当金比率は0%となり、大幅に改善しました。 0%APR事業は、前年前期比と同様にGMV全体の43%、12カ月を超える期間のローンは30%となり、前年同期の35%から減少し、加盟店の拡大と消費者のローン回転率の向上を反映しています。

今後の展望

アファームは、今年4月にカナダのShopify (SHOP) と米国で独占的パートナーシップを組み、加盟店の導入を開始しました。2月の先行導入100社から5月時点で10,000社以上となり、6月末までにShopify加盟店の一般提供を展開。Shopifyは、世界約175カ国で展開する米国内アマゾンに次ぐ2番手のEC企業で、業績が急拡大している注目のグロース株です。さらに、20年12月にカナダの同業者 PayBright を2億6,400万ドルで買収、21年5月には米 Returnly を買収しています。Returnlyはスピーディな返金代行で1,800以上の加盟店にサービスを提供し、800万人以上の消費者に利用されており、プラットフォームの拡大で今後のGMVの増大が見込まれ、相乗効果が期待出来ます。

欧米とオーストラリアで17カ国に展開する世界最大規模のスウェーデンのクラーナ (Klarna)、オーストラリアのアフターペイ(Afterpay)は、BNPLプレイヤーとして市場を牽引してきました。BNPLは、今後最も急速に成長する業界として、資金調達が活発化しています。クラーナは、今期6月に資金調達ラウンドで6億3,900万ドルを完了し、企業価値は456億ドル(約5兆円)に急上昇し注目されています。米ペイパル  (PYPL)は「Pay in 4」の無利息の分割払いサ―ビスを開始し、21年6月には暗号資産(仮想通貨)での支払いを数カ月で対象拡大する発表をしました。アメックス (AXP) やチェース (JPM) は、購入後からBNPLでの支払いを可能にする「レトロアクティブ・プロバイダー」を提供しています。BNPL市場に多くの企業が参入し、競合過多により収益悪化が懸念されます。

アファームは、技術の競争優位性や効率的な市場開拓、高品質なリスク管理に差別化を図り、市場シェア拡大の戦略で、成長過程にあります。BNPL業界は、世界的なEC市場拡大とともに急成長し、アファームの売上高は急上昇しましたが、21Q3決算発表で最終赤字幅が市場予想を上回り株価が反落、アナリストは目標株価を引き下げました。21年6月現在のアファームの株価は、新型コロナウイルスでの経済鈍化の影響もあり、軟調な推移となっています。

英国ではBNPL業界に対して規制する意向が発表されています。FCAのChristopher Woolard (クリストファー・ウーラード氏)は、「現在規制されていない無利息のBNPLを、FCAで規制し法律を制定する予定」とし、信用調査問題や売買契約間の債務問題について言及し、規制厳格化を進めています。米国外でのBNPL業者に対する規制の影響が確かなものであれば、アファームの今後の動向を注視する必要があるようです。

<参考>
https://investors.affirm.com/news-releases/news-release-details/affirm-reports-fiscal-year-2021-third-quarter-results
https://jp.investing.com/equities/affirm-holdings-ratios
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-06-10/klarna-raises-cash-from-softbank-at-45-6-billion-valuation
https://www.gov.uk/government/publications/government-announces-intention-to-regulate-buy-now-pay-later/letter-from-chris-woolard-to-economic-secretary

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