デジタルトランスフォーメーションを加速するC3.ai AIプラットフォーム

C3.ai

C3.ai(AI:シースリーエーアイ)の21年度第4四半期決算が発表されました。SaaS銘柄の中でも、テンバガー銘柄として、高成長が期待されるC3.aiですが、世界市場をリードし、スケーラブルに加速した21年の業績を見てみましょう。

 1.  会社概要

C3.ai は、AI(人工知能)SaaSを提供するエンタープライズAI Iソフトウェアプロバイダー。広範な市場セグメントに向けて、顧客のインフラストラクチャのニーズに応えるターンキーのAIプログラムの開発、構築、運用を設計、クラウド経由でAIアプリケーションソフトを提供し、顧客は、AIを使った包括的なアプリケーションの活用が出来ます。航空宇宙・防衛、米政府機関、公益事業、大学、病院、製薬、製造業、エネルギー、金融サービスなどに展開し、顧客数は89社の実績があり、C3 AIアプリケーションのエンドユーザーは、世界で7,400人を超えています

<沿革>
2009年 会社設立、カリフォルニア州レッドウッドシティに本社を置く
2015年10月 C3.ai日本法人設立(C3.ai子会社は欧米、豪州、アジアに13社)
2019年6月 旧社名C3 IoT, Inc.から C3.ai, Inc.に社名変更
2020年12月 NYSEに上場

 2.  事業の特徴

C3.ai は、主に4つのセグメントでC3AIソリューションの提供をしています。

①C3 AI® Suite
顧客に向けてエンタープライズAIアプリケーションを迅速に設計、開発、運用および展開できるように設計するE2Eの包括的なプラットフォームを提供

②C3 AI Applications
業界別の垂直市場セグメントのニーズに応える構築済みSaaS AIアプリケーションの提供

③C3 AI CRM
AIと機械学習のために設計された業界固有のAICRMの提供

④C3 AI Ex Machina
マスマーケット向けのローコード、ノーコード分析の提供

グローバル戦略パートナーとして、金融サービス市場の分野ではFIS、米軍事AIでは、Raytheon Intelligence&Space、カスタマー関連の分野ではAWS、Microsoft、Adobe、GoogleCloud、Intel、Hewlett Packard Enterpriseと戦略的なテクノロジーパートナーシップを結んでいます。システムインテグレーターパートナーは、グローバル企業15社と提携しています。

顧客先は、ロイヤルダッチシェル、アストラゼネカ、ベーカーヒューズ、ジョージアパシフィック、ライアンデールバーゼル。コーク・インダストリーズ、レイセオン、シェル、米空軍、陸軍、バンク・オブ・アメリカ、ジョンソン・コントロール他

3.  会社総額

時価総額:60.36億ドル※2
発行済株式数:98,494,729株※2
純資産:1196.48億ドル
資本金:101.99億ドル※   
従業員:574人※ 
※FY21-Q4に12,500件超の求人応募あり

4.  業績

FY 21-Q4 財務ハイライト

売上高:5,230万ドル(前年比:+26% 4,160万ドル増)
サブスクリプション収入:4,310万ドル (前年比:+17% 3,680万ドル増)
売上総利益:4,060万ドル(前年比:+26% 210万ドル増)
RPO:2億9,380万ドル(前年比:+23% 239.7万ドル増
非GAAPベースRPO(キャンセル可能な契約を含む):3億4,510万ドル(前年比:+40% 9,820万ドル増)

FY2021通期

売上高:1億8,320万ドル(前年比:+17% 2,650万ドル増)
年間サブスクリプション収入:1億5,740万ドル(前年比:+16% 2,200万ドル増)
売上高のうちサブスクリプション収益は86%(前年比同水準)
売上総利益:1億3,870万ドル(前年比:+18% 2億819万ドル増)

予想を上回る業績

FY21-Q4売上高は、前年比17%増のサブスクリプション収入により、市場予想とガイダンスを上回り、前年比26%増の5,230万ドルとなりました。3M、コン・エジソン、FIS、インフォア、コーク・インダストリーズ、ニューヨーク電力公社、シェルとの新しいAIプロジェクトの開始を含め、顧客数は前年同期の49社から89社に増加しました。公開後の初決算である最終収益は、研究開発などのコスト増により2,405万ドルの損失、特別項目を除く営業損益は市場予想(2,760万ドル)より小さい1,544万ドルの損失となり、前年同期の3,043万ドルの損失から改善しました。

主なビジネスハイライト

・世界的な流通とサービス機能を拡張したC3 AIを搭載したFISクレジットインテリジェンスを含む金融サービス業界向けのソリューションの提供を開始。

・軍需製品メーカーレイセオン社との関係を強化、防衛・情報コミュニティにサービスを提供。

・クラウドリーダーであるインフォア社と幅広い戦略的提携を結び、ERP市場にサービスを提供。情報、通信、テクノロジーサービスのリーディングプロバイダーであるシンガポール・テレコム子会社NCSと提携。

・マイクロソフトとアドビで提携して開発された、経済と企業固有データの正確な収益予測、製品予測が可能なC3 AI CRMに新しい精密販売予測機能の追加リリース。

・91の個別のC3 AI生産アプリケーションを生産、新規・既存顧客を通じて、前年の5業種から11業種に増加し、金融サービスが拡大。業種別売上構成は、公益事業:23%、ハイテク:1%、金融サービス:12%、航空&防衛:11%、ライフサイエンス:4%、工業:14%、オイル&ガス:35%、通信:1%未満。

・C3 AII® SuiteとApplicationsは480万以上の同時生産AIモデルを管理し、1日15億件以上の予測を処理、毎日305億以上の機械学習機能を評価。

5.  財務分析

成長性

収益性の高い米SaaS企業と比較し、20以上のPSRの株価は割高感がある。

PSR 27.66倍
PBR 5.688倍
EV/売上高 26.98倍
配当利回り なし

収益性

営業損失拡大が目立つが、米SaaS上場企業はまだ赤字の会社が多く、粗利率が高いため収益性は高く、収益化よりも売上成長率を重視する傾向がある。

売上高総利益率(粗利) 78%

安全性

自己資本比率、アルトマンZスコア、流動化率ともに高く、安全性、財務健全性が高いと言えます。

アルトマンZスコア(TTM)30.60
流動化率 (MRQ) 9.424
自己資本比率 90.67%
フリーキャッシュフロー(MRQ)-32.19M
有形普通株式比率 (MRQ) 88.69%

6.  主なトピック

・C3.aiの創業者は、アメリカで億万長者の実業家でありベストセラー作家でも知られている元オラクル幹部のトムシーベルです。不動産投資、アグリビジネス、慈善事業を展開する多角的な持ち株会社であるファースト・バーチャル・グループの会長であり、直近の著書には、ウォールストリート・ジャーナル紙の「デジタル・トランスフォーメーション」、「大量絶滅の時代に生き残り成功するために」(RosettaBooks 2019年)があります。21世紀を企業の大量絶滅の時代とし、最先端のテクノロジーにより、AI時代の転換期を教示しています。

・経営陣は、SAPの元共同経営者ジム・スナベ氏を取締役に加え、国会議員で元英国内務大臣兼元英国財務長官サジド・ジャヴィド氏、元米国海軍次官補デニス・マクギン氏、元NSA副長官のリチャード・レジット氏を取締役会に加え、グローバルアドバイザリーボードを強化し、官民一体の合理的な人事戦略が窺えます。

・社会的経済活動として、Digital Transformation Institute (DTI)への投資を拡大し、AI COVIDの研究に資金を提供。マイクロソフトとシカゴ大学、マサチューセッツ工科大学、カーネギーメロン大学などの複数の一流大学とデジタル変革インスティテュートによるコンソーシアム設立をし、エネルギーと気候安全保障のためのAIに関する研究提案、気候とエネルギーの持続可能な市場への投資に貢献しています。また、革新的な研究に資金を提供するための新しい論文募集を発表し、賞金付きの研究支援、教育プログラムを提供しています。

7.  今後の業績予想

C3.ai FY22  ガイダンス 単位:百万ドルFY22-1QFY22
売上高$50.0 – $52.0$243.0 – $247.0
特別項目を除く営業損益($28.0) – ($35.0)($107.0) – ($119.0)

FY22-Q1ガイダンスの営業損益の損失拡大の見通しもあり、株は下落基調が続き、株価は公開後高値の183.90(12/23/20)から60%以上の下落となりました。投資家は今年度の34%の増収目標よりも高い成長を期待していますが、発表資料では、市場拡大と製品や技術面での主導権を維持する姿勢を示し、AI開発市場全体との比較した不透明感も売り材料となり、21年6月現在の株価は60ドル前後で軟調に推移しています。

8.  まとめ

エンタープライズAI市場のリーダーとしての地位を確立した今期の業績は、グロース株の特徴でもある大幅な最終収益の赤字ながら、堅調な成長を遂げ、更に勢い増してプレゼンスを達成し1年を終えました。

同社が米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、AIサービスの市場規模は20年の1,740億ドルから24年までに2,710億ドルにまで急速に拡大する見込みです。新型コロナでの経済停滞の影響もありますが、株価低迷でも注目すべきテンバガー銘柄のひとつでしょう。

※ 1 2021年4月30日現在
※ 2 2021年6月18日時点

<参考文献>
https://ir.c3.ai/financials/sec-filings/
https://jp.investing.com/equities/c3-ai-inc-ratios
https://www.wsj.com/market-data/quotes/AI/research-ratings

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