先日、別の記事で米国小型株へ投資するiシェアーズラッセル2000というETF(上場投資信託)をご紹介しました。今回は、大型株や小型株に加え、中型株もポートフォリオに含んだ、アメリカのほぼすべての上場企業へ投資するETFのVTIをご紹介します。
VTIというETF
ティッカーシンボルVTI、正式名称「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(Vanguard Total Stock Market ETF)」は、2001年5月に組成され、ニューヨーク証券取引所に上場したETFです。VTIの特徴を一言でいうと、「米国株式市場全体へ投資するETF」になるでしょう。バンガードによると、VTIは「CRSP米国総合指数のパフォーマンスに連動した成果を目指す」としています。
CRSP米国総合指数(CRSP US Total Market Index)とは、シカゴ大学証券価格調査センター(CRSP)が算出している株価指数で、米国の株式市場に上場しているほぼすべての企業を対象にしたものです。S&P500指数が時価総額の大きい大型株で構成されている一方、CRSP米国総合指数は中型株や小型株も含んでいるのが特徴です。CRSP米国総合指数は、アメリカの株式市場の全体像を表していると言っていいでしょう。
S&P500指数とCRSP米国総合指数の違い
では、もう少し詳しくS&P500指数とCRSP米国総合指数を比較してみましょう。繰り返しますが、両社の最大の違いは構成銘柄の数です。S&P500指数が大型株500銘柄で構成されている一方、CRSP米国総合指数はアメリカの株式市場に上場しているほぼ100%の3596銘柄で構成されています。
つまり、S&P500指数が「現在業績好調なアメリカの大企業500社」で構成されているのに対し、CRSP米国総合指数は、「現在は小型株や中型株だが、将来大化けするかもしれない銘柄」も含めて構成されているのです。S&P500指数が、株価が10倍になる「テンバガー」を組み入れている可能性が低い一方、CRSP米国総合指数は、「テンバガー」も漏らさず組み入れているのです。
低いオペレーティングコストが売りのVTI
なお、VTIの売りの一つに、低いオペレーティングコストがあります。VTIの投資先は、基本的に「アメリカのほぼすべての上場企業」なので、ポートフォリオを頻繁に組み替える必要がありません。ちなみにVTIの年間経費率は、わずか0.03%となっています。
また、比較的高い分配金もVTIの魅力です。VTIは、直近一年間で2.8274ドルの分配金を支払い、分配金利回りは1.30%となっています。
VTIは、言わばアメリカの株式市場に「全賭けする」タイプのETFですが、株価も過去十年で3.38倍になっています。アメリカの株式市場が今後も成長を続ける限り、VTIは投資家に安定したリターンとキャピタルゲインをもたらすでしょう。アメリカという国の未来と可能性に賭けてみたいという人にとって、VTIはおススメのETFです。
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(参照サイト)
https://investor.vanguard.com/etf/profile/VTI
https://www.sumidakumin.com/index_us/#:~:text=CRSP%20US%20Total%20Market%20Index%EF%BC%88%E4%BB%A5%E4%B8%8B%E3%80%81CRSP%EF%BC%89%E3%81%AF%E3%80%81,%E3%81%8C%E7%AE%97%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://finance.zacks.com/total-stock-market-etf-advantages-6464.html
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