テスラが赤字転落の危機?ステランティスがテスラとの温暖化ガス排出枠売買契約を解消

テスラ

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とフランスのグループPSAが今年1月に統合して誕生したステランティスが、テスラと締結していた温暖化ガス排出枠売買契約を解消すると発表しました。それにより、テスラの業績に悪影響を与える可能性が指摘されています。テスラの今後の展開を予想します。

温暖化ガス排出枠とは何か?

温暖化ガス排出枠とは、企業ごとに定められた温暖化ガスの排出量の上限のことです。実際の温暖化ガス排出量が排出枠を上回る企業は、上回る分を補填するために、他社の排出枠の「余剰分」を買い取る必要があります。ステランティスは、実際の排出量が自社に割り当てられた排出枠を上回っていたため、テスラの「余剰分」(クレジット)を買い取っていたのです。

ところが現地時間の今月5月5日、ステランティスは電気自動車への生産シフトなどの自助努力により温暖化ガス排出量の削減に成功し、テスラから買い取っていたクレジットを買い取る必要がなくなり、テスラと締結していたクレジット売買契約を解消したと発表したのです。

テスラの業績に直撃か

今回のステランティスによる契約解消は、テスラにとってはショッキングです。テスラは過去2年間に渡ってステランティスにクレジットを販売し、相当の利益を得ていたからです。実際のところ、ステランティスへのクレジット販売による売上がなければ、テスラの過去2年間の経常利益はマイナスになっていた可能性が高いのです。

実際に、テスラは直近の四半期でステランティスから5億1800万ドル(約569億8000万円)ものお金を受け取っています。しかも、そのお金は仕入れや製造コストがまったく必要ない純粋なキャッシュであり、テスラにとっては非常にありがたいお金であったのです。

クレジットの新たな販売先を確保出来るかが鍵

テスラの今後について、あるアナリストは、テスラがクレジットの新たな販売先を確保出来るかが鍵になると指摘しています。しかし、電気自動車への生産シフトが多くの自動車メーカーの共通トレンドとなりつつある中、自動車という産業セクターにおいては、ステランティスに代わる販売先が簡単に見つかる可能性は高くないかも知れません。

テスラは当初、今年2021年度のクレジット販売による売上を20億ドル(約2200億円)と見積もっていましたが、今回のステランティスによる契約解消により、早くも数字の達成が難しくなりました。

なお、テスラのクレジット販売は、2018年の4億1900万ドル(460億円)から、2020年の15億8000万ドル(約1738億円)へと3.7倍にもなっています。事実上テスラの「稼ぎ頭」となっていたクレジット販売がどうなるか、今後も注視する必要がありそうです。

(参照サイト)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-05-05/tesla-will-lose-a-source-of-revenue-pivotal-to-profit-streak
https://fortune.com/2021/05/05/tesla-selling-co2-credits-stellantis-loss-of-business/
https://interestingengineering.com/regulatory-credits-behind-teslas-recent-success

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