景気には循環があるといわれています。それは4分割され、それぞれ好況、後退、不況、回復の循環で繰り返されます。そしてそれぞれの時期に強いセクターが存在します。例えば好況局面では一般消費財、サービス株、後退局面ではエネルギー株、不況局面では生活必需品株、ヘルスケア株、そして回復局面ではハイテク、金融株が強いセクターとされています。
景気循環には種類があり特定の原因や周期でおこるとされています。今回は経済学では基本とされている4つの景気循環論をあげています。
投資家として最低限知っておくことで長期投資する際に役立てましょう。
ジュグラーの波
フランスの経済学者クレマン・ジュグラーが1860年に発表されたことからジュグラーの波と呼ばれています。これは約10年周期で循環するとし、その理由は企業の設備や機材の寿命がおおよそ10年周期であることにより、新たな設備やメンテナンスに関連する企業への資金の動きが発生するからです。それによる労働も増え、関連需要が増えることから景気に大きく影響を与えるという考えです。
キチンの波
アメリカ経済学者ジョセフ・キチンが提唱しました。短期波動とも呼ばれ、約40ヶ月周期で循環します。主に企業による在庫変動により起因するといわれています。景気が良い時期には在庫を大きく抱え、反対に景気が悪い時期は在庫を減らすことで、発注先企業やその労働者にまで連鎖し、景気の循環に影響を与えるという考えです。
コンドラチェフの波
旧ソビエト連邦のコンドラチェフ経済学者が提唱しています。50周年の循環で長期波動とも呼ばれています。これは技術革新による影響で起こるとされています。第一次産業革命が蒸気機関車、第二次が鉄鋼、鉄道、第三次が電気、化学、自動車、第四次がエレクトロニクス、原子力、航空宇宙、現在第5次のバイオテクノロジー、デジタル技術と循環してきています。これからは人工知能、ロボット、ライフサイエンスの技術革命を迎えようとしているとされています。
クズネッツの波
アメリカ経済学者のサイモン・クズネッツが提唱しています。これは20年周期で循環し、建築物の影響を受けています。商業工業施設や住宅の立て替えまでの期間がおおよそ20年であるとされており、それによる建築需要により発生する景気サイクルをさします。
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